犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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田のまわり

2020年07月09日 | イキモノタチ
[あらすじ] 田んぼが好き。

自宅から1㎞ほど、ハケ(国分寺崖線)の急坂を降ったところに、田んぼがある。
子どもの頃はずーっと見通す限り田んぼだった。
夜になるとアマガエルの大合唱が聞こえてくる日も有った。

しかし、あちこち埋め立てられ、
30年あまり前に小学校が建ったり、
道路の向こうの田んぼは畑になってしまったり、
宅地ができたりして、かなり減ってしまった。
それでも、いくつかの田が残っている。

十年ほど前だったか、里山保全地区というものに指定された。
遅まきだが、しないよりはマシだろう。
まず、農家のやる気が保たれると良いと思うのだが。



久しぶりに見に行った。

谷戸の上流は都立農業高校の敷地になっている。
そのちょいと下を中央高速道路がまたいでいる。
その辺りは埋め立てられている。
中央道を切り通した時にでも埋め立てたのだろうか。
開通前後の地図を見較べて調べてみないと。

植木畑が有って、その下が田んぼになっている。
谷戸の奥からマセグチ川という細い流れが来ているが、
コンクリートの暗渠になっている。
そこから田へ水を引いている。



4区画残っていたうちの1ヶ所、植えられていない。
ああ、遂にやめてしまったのだろうか。

その隣の田に水を引き込んだところに、土手で囲んで池が作ってある。
中央に小さく浮島も作ってある。
それに、田んぼの周囲に細い水路ができている。
これは、今年作ったのだろう。
去年までは無かった。



田んぼに棲む生き物の多くが、絶滅危惧種に指定されている。

減反政策や、農薬や、機械化や、水路のコンクリート化など
農法の変化による様々な事が原因だ。

減反政策によって、そもそも田んぼが減ったのはもちろんのこと。

農薬によって直接死ぬのはもちろん、
餌になる草や、餌になるプランクトンを養う草が田に無くなった。

コンバインを泥田に入れたら沈んでしまうから、
土を固めるために水を抜く。
田が乾いて水が無ければ多くのものは死ぬ。

機械植えのための苗箱に用いる薬剤で、
あかとんぼのヤゴが死んだ。

土に草の生えた土手の水路ではなく、コンクリートの水路になると、
足指に吸盤の有るアマガエル以外は登れずに死んでしまう。

やれやれ。
死因を羅列して書くのはしんどいね。



作物である稲は稲だけで育つものではない。
土を肥やすのは、そこに生きている生き物たち、
目に見えるサイズの物から、顕微鏡サイズの物たちである。
「害虫」だけを見て、それを排除しようとすると、
田全体を死滅させることになってしまう。

冬も田に水を残したり、田に添って水の有る場所を作ったり、
這う生き物の通り道を作ったり、といった試みが
各地で行われているという。

近所の田んぼの様子が変わったのも、そういった流れのおかげだろうか。
そうだといいなあ。
(そして、できればシュレーゲルアオガエルが棲んでくれるといいなあ。)
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