昨年は、真面目に書初めをしようとした。
すると、完成度を求めてしまい、
練習ばかり繰り返して結局、「これでよし」と思えるものは書けなかった。
私の悪いところが出ている。
真面目な出来栄えを求めて、欠点に目が行き、
練習を繰り返し練習がつらくなり、本番も固くなる。
もっともっと肩の力を抜きたまえよ。
※
というわけで、ばかきぞめをした。
楽しく書こうぜ。
ご近所の幼なじみ友人Mを誘う。
. . . 本文を読む
お隣さんの農家から、15段の三脚脚立を借りて、
その脚立の倍の高さはあろうかというチャンチンの木を
無事に伐った。
あとは自分の三脚脚立でこと足りる。ほッ。
アホのように常に緑に繁って、我が庭に暗く重たい陰を落としている
金木犀と椿をまた切った。
かかってこい。
※
その小枝と葉を払う作業をしていると、また立ち止まって
「おはようございます」と声を掛けてくれる人がいる。
「前に茗荷の苗を . . . 本文を読む
[あらすじ] 9メートルくらいあるらしいチャンチンの木を伐った。
お隣の農家から、15段の三脚脚立を貸してもらって作業した。
13段目に立って、木の中ほどから伐り倒した後は、
数十cmずつ輪切りにしていく。
なるべく水平にチェーンソーの刃を入れる。
片側から3分の2くらい切ったら、今度は反対側から切っていく。
両方から切っていったのが合わさってポロリと外れる寸前でチェーンソーを止める。
止 . . . 本文を読む
[あらすじ] 農家であるお隣さんから、15段の三脚脚立を貸してもらって、
庭に高くそびえるチャンチンを伐ったよ。
15段の三脚脚立の、上から3段目つまり13段目に足を置き、
跨いで向こう側の足置きに片足を乗せて、てっぺんに腰掛ける。
ちょいとスイングさせて、あらためて三脚と自分の一体感を高める。
チェーンソーにはロープを付けて、枝に引っ掛けておく。
いざという時に手を離しても、落下させずに済 . . . 本文を読む
[あらすじ] 亡父が枝を払って上へ上へと伸ばしたチャンチンの木が
3本有った。
1本は10年ほど前に大風で傾いたので伐った。
1本は一昨年に伐った。
残る1本が最も高い。
枝も高いところから出ている。
東に隣接して、生産緑地が有る。
お隣は農家なのだ。
見ると、高い三脚脚立が有るので、頼んでみたら貸してくれると言う。
助かるぅ。
15段の脚立である。
15段の脚立を、木の横に立てて、離れて見 . . . 本文を読む
お隣さんは農家である。
ウチの東隣は生産緑地なのだ。
おかげでとても日当たりが良い。
※
そんなウチの庭に陰を落とす木々を
順々に切っている。
南隣の家よりも陰を作っているのは、
自分の家の木だったりする。
南西の隅に陣取っている、金木犀や椿を低く切りつめた。
常緑樹が重たく暗く繁っていた。
これで、冬の夕方にもう少し陽が射し込むようになる。
南東の隅にはチャンチンの木が高くそびえている。 . . . 本文を読む
[あらまし] 大量の蔵書を処分する。
古書店に買取してもらえたら嬉しい。
お金になるということより、
本は読んでくれる人の手に渡ってこそ
本として存在できるのだと思うからだ。
「今、こういう本を古書店に買いに来る人っていうのが減ってしまっているんですよ。」
そうでしょうねえ。
私自身もそうだもの。
ネットショップなら、検索をかければ、どんな稀覯本だって
在庫の有無が即座に確認できる。
入荷し . . . 本文を読む
[あらすじ] 亡父と老母の蔵書を処分する作業が続く。
私の本も含めたら、家じゅうで2万冊くらい有っただろうか。
数よくわからない。
1、2、3、いっぱい。
パーはいっぱいのパー。
地下室が書庫になっている。
おすすめしないよ。
湿気が溜まって、本がカビてしまう惧れが有る。
よほど除湿と換気を良くしないと、台無しになる。
※
亡父の本は古いものが多い。
アメリカ文学の作品が多い。
ペンギンブ . . . 本文を読む
ばかきぞめをした。
まじめにやっとれん。
なんせ、なんだか能書家だったらしいお祖父様の持ち物であった
端渓の硯を使おうってんである。
幼なじみ友人Mを誘う。
端渓を使おうぜ、と言ったら、
「じゃあ飛びっきり馬鹿々々しい言葉を書かなきゃね」という返事。
よく分かってらっしゃる。
※
結果、先日ここにも書いたように、
後片付けがよろしくなかったせいで、
端渓の台の紫檀だか黒檀だかの木の枠にヒビ . . . 本文を読む
祖父の遺品である端渓の硯を使って日なたに置きっぱなしにして台の紫檀だか黒檀だかにヒビが入っちゃったよ。その祟りで頭が割れるように痛んだ、という法螺を書いた。考えてみると、その前から私の身体の一部は割れて、毎日その痛みに苦しんでいた。踵である。踵の骨ではない。踵の表面の角質にヒビが入った。普通に歩くと痛いので、爪先を使って歩く。常に忍び足である。爪先立ちには、後脛筋という筋肉を使う。この筋肉は、足裏 . . . 本文を読む
[あらまし] 庭でよく殖える植物を鉢に分けて、
門先にひと鉢百円でつつましく売り出している。
ユキノシタが殖える。
ランナーと呼ばれる、横這いの茎が伸びて、
伸びた先で着地して新たな株を作る。
どんどん広がる、とても有効な作戦だ。
3株くらいをひと鉢に入れて、出す。
これがなにやら好評で、つつましい苗屋のトップ商品となっている。
「食べられるからじゃん?」
と友人Mは言う。
そうかもしれない . . . 本文を読む
[あらすじ] 亡父と老母の蔵書を処分する作業が続く。
もういっちょ古本として買取して貰うべく、手配中である。
※
亡父の読書ノートを書架から抜く。
ノートにしないほどの場合、ルーズリーフのメモが本に挟んである。
それを抜く。
ブックカバーが掛けてあるものは全部外す。
これについてはまた別に書く。
本の間に、手紙類も挟まっている。
本を手に入れるために、出版社の人や、外国の出版社などの人や . . . 本文を読む
毎月一日には法螺を書いている。いつもどおりの日常の描写から入ると読む人はどこまでが本当でどこからがウソか分からなくなる。というヤリクチも常套手段になってしまった。「事実は小説より奇なり」という言葉も有るけれど、思いがけない現実というのは本当に有るものだ。考えてみれば、「暖房は薪ストーブと火鉢だけを使っています。」というのも、真に受けない人も多いかもしれない。※ちかしい人によく法螺を吹いた。亡父は格 . . . 本文を読む
[あらすじ] せっせと掃除した甲斐有って、
庭の池の水が数十年ぶりに、底が見えるほど透き通った。
その水で墨をおろして書初めをしたら、
今度は池の水が真っ黒に染まってしまった。けど、
月を映して美しいじゃないの。
午前3時半過ぎ。
家がかすかに軋んで、目が覚めた。
遠くの地震の揺れがやって来るのだろうか。
S波がいつ来るか。地震の規模はどれくらいなのだろうか。
緊張して待ったが、揺れはかすか . . . 本文を読む
[あらすじ] 泥を排出して掃除の成果が出て、この冬、
庭の池の底まで見えるほどに水が澄んだ。
この澄んだ水で、書初めをしよう。
家の片付けをしていたら、あちこちから書道具が出てくる。
なんの箱じゃいと思って開けてみると、硯箱なんである。
薄くて重い箱は硯。間違い無い。
筆は傷んでいて使えないが、墨は良い。
年を経るほど良いと言われる。
脂がどうとかいう理由らしい。
硯もいくつも出てきている . . . 本文を読む