岩倉実相院 (京都市左京区)
新大阪から旅を続ける。新快速(列車番号3448M)11時34分発の電車には座れなかった。京阪間の鉄道は京阪電車、阪急電車、JR西日本の東海道本線(JR京都線)があり、しのぎを削っている。特急料金が必要だがJR東海の新幹線もあり、こちらは約15分(自由席1,380円)。JR西日本の新快速は運賃(540円)だけで約27分、シートは良いが乗車率も良いので座れない事も多い。国鉄時代から力を入れている線区である。JRより時間がかかるが、阪急は梅田-河原町が390円、京阪は京橋-三条が400円と安く、ダブルデッカー車両もあるので、いろいろ乗り比べてみるのも良いだろう。京都11時57分着、途中下車してコインロッカーに荷物を預ける。大阪でウロウロしていたのでもうお昼である。郵便局に行き年賀はがきを買ったりしていて、更に遅くなってしまった。しかも京都なのに広島版を買ってしまう。
市バス乗り場へ向かう。京都の市バスでもスルッとKANSAIが使える。紅葉も見頃とあって非常に混んでいる。何とか目的地へ向かうバスに乗り込む。京都駅から四条烏丸や三条京阪を通って有名な観光地まで経由するので、尚更いけない。乗降に手間取る上、道路も混んでいる。空いている時とは別の乗り物である。乗換えが無いから利用したが、混雑時は鉄道を利用するべきだったろう。一乗寺下リ松町で下車。寝台特急「なは」の車内でコーヒーとサンドイッチの朝食だったが、その後は淀屋橋でブルーベリーヨーグルトジュース、京橋でコーヒーと飲み物だけだったので空腹である。京都らしいものを食べたいが、今は何かお腹に入れたい。うどんの文字が見える。店に入ると、そこは私が週2回は利用しているなか卯だった。牛丼(ミニ)ときつねうどん(小)を注文、メニューも同じようだ。ネギだけが青い。味も関東の店舗と変わらない。
お腹は満足して、最初に訪れるお寺は金福寺。昨年のポスター「おけいはんの紅葉巡り。」で紹介されたお寺さんである。私が「おけいはん」が実在(?)する事を知ったポスターでもある。いつもはJR東海のポスターで紹介された社寺を訪れる事が多いが、今年は「おけいはん」紹介の紅葉を巡るとしよう。有名な詩仙堂の近くにある金福寺は小さなお寺さんで、観光客が途絶える事はないが、紅葉を見にきたのか人を見にきたのか判らないような事は無く、落ち着いてお庭や紅葉を楽しめた。貞観6年(864)創建で一時は荒廃していたそうだが、元禄の頃、復興したとの事。松尾芭蕉、与謝蕪村も所縁があり、芭蕉庵、句碑など寺内にある。
金福寺を後にして、今年の「おけいはんの紅葉巡り。」で紹介された実相院へ向かう。白川通を渡り、下校する中学生について行くと叡山電車の一乗寺駅に着いた。八瀬比叡山口行の電車を見送り、14時45分発の鞍馬行に乗車する。車内で車掌から切符を買う。岩倉駅まで260円。駅から実相院までは徒歩15分とある。バスの便もあるようだが、とりあえず歩く。本格的なカメラを抱えた人とすれ違う。紅葉の撮影だろう。五百円紙幣肖像の岩倉具視幽棲旧宅も岩倉にある。五百円硬貨になったのは昭和57年(1982)だったかと思う。やがて小さな金福寺とは趣の違う、実相院の前まで来た。
「おけいはん」ポスターも掲げてあった。枯れ山水の石庭と縁側に座る「おけいはん」である。靴を脱いで建物へ入る。タクシーで来たお客さんが運転手から観光案内をされているので、盗み聞きしている訳ではないけれど、私の耳にも自然と入ってくる。どのようなお寺か全く知らずに来たが、門跡ということで特別な寺格だという事だ。展示されているケースの中に、ここを訪問された東宮殿下の御写真もある。寛喜元年(1229)に小川通今出川に創建され、応永18年(1411)に今の寺地に移されたとの事。文化遺産が数多くあり、背負った荷物は手で持つよう注意書きがしてあるのは、襖絵を何かの拍子に破いてしまっては取りかえしがつかないからだろう。廊下から薄暗い板の間を挟んで庭の紅葉が見える。板の間に入る訳ではなく、紅葉が黒光りする床に写っているのを見るのだと、先ほどの運転手は説明している。三脚は使用禁止である。高感度フィルムを使うべきところだが、カメラの中には感度100のネガフィルムが入っている。プロのカメラマンも苦心しながら撮影している。それに比べて観光客の女性は Digital Camera で簡単に撮影している。弱い光でも奇麗に撮影出来るから便利ではある。
石庭ともうひとつの庭の両方を拝見する。眺めは良かったが、訪れた時間が遅かったなと思う。お昼の光線で写真を撮りたい。もう夕方も近いのだ。「おけいはん」の腰掛けていた縁側に自分も腰掛ける。線引きされた白い庭と紅葉が美しい。ポスターに偽り無し。これで「おけいはんの紅葉巡り。」を巡る旅は終わった。帰りは京都バスに乗って出町柳へ。準急で地下駅の出町柳発16時14分、丸太町、三条、四条、五条と各駅に停車する。七条、やがて地上へ、そして東福寺で下車、16時29分発。駅名の元となった東福寺は紅葉の名所で、以前に余りの人の多さに参ってしまった事がある。それでもここの紅葉は良かった。今日も東福寺は多くの人が訪れたことだろう。JR奈良線に乗り換える。ICOCAを初めて使ってみる。Suicaと同じで余り面白くない。次の京都行普通(列車番号1644M)は16時48分で随分と間がある。京阪特急が向こうの線路を何本も走りぬけていく。全く面白くない。ICOCAなぞ使わず、七条で降りて京都駅まで鴨川を渡って歩いた方が早かった。大分待って乗った列車は2分で京都に到着した。 (つづく)
京都岩倉実相院 http://www.jissoin.com/
新大阪から旅を続ける。新快速(列車番号3448M)11時34分発の電車には座れなかった。京阪間の鉄道は京阪電車、阪急電車、JR西日本の東海道本線(JR京都線)があり、しのぎを削っている。特急料金が必要だがJR東海の新幹線もあり、こちらは約15分(自由席1,380円)。JR西日本の新快速は運賃(540円)だけで約27分、シートは良いが乗車率も良いので座れない事も多い。国鉄時代から力を入れている線区である。JRより時間がかかるが、阪急は梅田-河原町が390円、京阪は京橋-三条が400円と安く、ダブルデッカー車両もあるので、いろいろ乗り比べてみるのも良いだろう。京都11時57分着、途中下車してコインロッカーに荷物を預ける。大阪でウロウロしていたのでもうお昼である。郵便局に行き年賀はがきを買ったりしていて、更に遅くなってしまった。しかも京都なのに広島版を買ってしまう。
市バス乗り場へ向かう。京都の市バスでもスルッとKANSAIが使える。紅葉も見頃とあって非常に混んでいる。何とか目的地へ向かうバスに乗り込む。京都駅から四条烏丸や三条京阪を通って有名な観光地まで経由するので、尚更いけない。乗降に手間取る上、道路も混んでいる。空いている時とは別の乗り物である。乗換えが無いから利用したが、混雑時は鉄道を利用するべきだったろう。一乗寺下リ松町で下車。寝台特急「なは」の車内でコーヒーとサンドイッチの朝食だったが、その後は淀屋橋でブルーベリーヨーグルトジュース、京橋でコーヒーと飲み物だけだったので空腹である。京都らしいものを食べたいが、今は何かお腹に入れたい。うどんの文字が見える。店に入ると、そこは私が週2回は利用しているなか卯だった。牛丼(ミニ)ときつねうどん(小)を注文、メニューも同じようだ。ネギだけが青い。味も関東の店舗と変わらない。
お腹は満足して、最初に訪れるお寺は金福寺。昨年のポスター「おけいはんの紅葉巡り。」で紹介されたお寺さんである。私が「おけいはん」が実在(?)する事を知ったポスターでもある。いつもはJR東海のポスターで紹介された社寺を訪れる事が多いが、今年は「おけいはん」紹介の紅葉を巡るとしよう。有名な詩仙堂の近くにある金福寺は小さなお寺さんで、観光客が途絶える事はないが、紅葉を見にきたのか人を見にきたのか判らないような事は無く、落ち着いてお庭や紅葉を楽しめた。貞観6年(864)創建で一時は荒廃していたそうだが、元禄の頃、復興したとの事。松尾芭蕉、与謝蕪村も所縁があり、芭蕉庵、句碑など寺内にある。
金福寺を後にして、今年の「おけいはんの紅葉巡り。」で紹介された実相院へ向かう。白川通を渡り、下校する中学生について行くと叡山電車の一乗寺駅に着いた。八瀬比叡山口行の電車を見送り、14時45分発の鞍馬行に乗車する。車内で車掌から切符を買う。岩倉駅まで260円。駅から実相院までは徒歩15分とある。バスの便もあるようだが、とりあえず歩く。本格的なカメラを抱えた人とすれ違う。紅葉の撮影だろう。五百円紙幣肖像の岩倉具視幽棲旧宅も岩倉にある。五百円硬貨になったのは昭和57年(1982)だったかと思う。やがて小さな金福寺とは趣の違う、実相院の前まで来た。
「おけいはん」ポスターも掲げてあった。枯れ山水の石庭と縁側に座る「おけいはん」である。靴を脱いで建物へ入る。タクシーで来たお客さんが運転手から観光案内をされているので、盗み聞きしている訳ではないけれど、私の耳にも自然と入ってくる。どのようなお寺か全く知らずに来たが、門跡ということで特別な寺格だという事だ。展示されているケースの中に、ここを訪問された東宮殿下の御写真もある。寛喜元年(1229)に小川通今出川に創建され、応永18年(1411)に今の寺地に移されたとの事。文化遺産が数多くあり、背負った荷物は手で持つよう注意書きがしてあるのは、襖絵を何かの拍子に破いてしまっては取りかえしがつかないからだろう。廊下から薄暗い板の間を挟んで庭の紅葉が見える。板の間に入る訳ではなく、紅葉が黒光りする床に写っているのを見るのだと、先ほどの運転手は説明している。三脚は使用禁止である。高感度フィルムを使うべきところだが、カメラの中には感度100のネガフィルムが入っている。プロのカメラマンも苦心しながら撮影している。それに比べて観光客の女性は Digital Camera で簡単に撮影している。弱い光でも奇麗に撮影出来るから便利ではある。
石庭ともうひとつの庭の両方を拝見する。眺めは良かったが、訪れた時間が遅かったなと思う。お昼の光線で写真を撮りたい。もう夕方も近いのだ。「おけいはん」の腰掛けていた縁側に自分も腰掛ける。線引きされた白い庭と紅葉が美しい。ポスターに偽り無し。これで「おけいはんの紅葉巡り。」を巡る旅は終わった。帰りは京都バスに乗って出町柳へ。準急で地下駅の出町柳発16時14分、丸太町、三条、四条、五条と各駅に停車する。七条、やがて地上へ、そして東福寺で下車、16時29分発。駅名の元となった東福寺は紅葉の名所で、以前に余りの人の多さに参ってしまった事がある。それでもここの紅葉は良かった。今日も東福寺は多くの人が訪れたことだろう。JR奈良線に乗り換える。ICOCAを初めて使ってみる。Suicaと同じで余り面白くない。次の京都行普通(列車番号1644M)は16時48分で随分と間がある。京阪特急が向こうの線路を何本も走りぬけていく。全く面白くない。ICOCAなぞ使わず、七条で降りて京都駅まで鴨川を渡って歩いた方が早かった。大分待って乗った列車は2分で京都に到着した。 (つづく)
京都岩倉実相院 http://www.jissoin.com/