鹿児島本線 西鹿児島駅 (鹿児島県鹿児島市)
製紙工場を大きく迂回して八代10時43分着。博多から154.1キロ、西鹿児島までは163.0キロ。凡そ中間地点だが、ここまで1時間38分で到達しているのに対し、これから2時間10分を要するのだ。その訳はすぐ分かる。これまで筑後平野など快走してきた「つばめ」だが、鹿児島本線は複線から単線となり、左は山、右は海、よく線路を敷設したものだと感心するような箇所を走って行く。海の向こうは天草か。新幹線は新八代~鹿児島中央間を35分で結ぶそうだが、こんな景色は拝めない。この列車に乗りに来て本当によかったと思う。植生が変わったのか九州北部と違って南国的な感じがする。台湾に来たような気がした。ちなみに台湾へは香港への途中、航空機を乗り換えただけで入境しておらず、飛行場しか知らない。
後の席の客は車内販売のワゴンが来た時、飲み物は無料であるにも関わらず、「商売してくださいよ」と言って、金を払ってジュースを頼んでいる。グリーン車内でお行儀を良くしているのも限界である。私はそのワゴンを止め、ヱビスとミックスナッツを購入した。もう鹿児島でのお昼はどうでもよい。ちょっと贅沢なビールをちょっと贅沢な車内で飲む。実に美味い。列車はいよいよ鹿児島県へ。途中で開業前の新幹線と何度か交差する。トンネルが多いようである。この車窓を楽しむ時間は新幹線では持てないようだ。ちなみに今走っている鹿児島本線のうち、八代~川内間は新幹線開業後は廃止となり、第3セクターの肥薩おれんじ鉄道が路線を引き継ぐ。ここは電化されているのだが、同社は気動車を新造しており、川内でホームの向かいに停車しているのを見た。経営は大変厳しそうだ。それにしても景色が良い。東シナ海を見ながら列車は走る。
すっかり寂しくなったグリーン車内であったが、途中駅から一人乗車してきて、3名となった。近距離でも利用する人がいるものだと感心したが、100キロ以下ではグリーン車と普通車指定席との差額は700円。飲み物付きで30分くつろげるのなら、とか考えるあたりが貧乏性である。結局、グリーン車は最大4名(最小2名)の客を乗せ、薩摩鹿児島のターミナル駅、西鹿児島へ12時53分到着した。つばめレディはグリーン車の乗降口から下車する普通車の客にも丁寧に頭を下げて見送っている。好感が持てるが、グリーン車の客3名だけでは手持ち無沙汰であろう。ホームの上には以前なかった新幹線の高架線があった。
改札口へ行くと、なんと自動改札である。これには驚いた。有人の改札で「つばめ5号」の切符を手元に残す為に無効の印をもらう。実際には「乗車記念 使用済」の印であった。駅舎は新幹線ホームの下であり、真新しい。試運転中の車両は見られなかったが、駅は新幹線開業を心待ちにしているかのようである。コインロッカーに荷物を預け、身軽になって駅の外に出てみる。暖かい。天気もよいのだが、11月下旬とは思えない。春のようである。久しぶりの鹿児島であり、駅舎も変わっているので勝手が分からない。とりあえずは天文館を目指して歩き出した。 (つづく)
製紙工場を大きく迂回して八代10時43分着。博多から154.1キロ、西鹿児島までは163.0キロ。凡そ中間地点だが、ここまで1時間38分で到達しているのに対し、これから2時間10分を要するのだ。その訳はすぐ分かる。これまで筑後平野など快走してきた「つばめ」だが、鹿児島本線は複線から単線となり、左は山、右は海、よく線路を敷設したものだと感心するような箇所を走って行く。海の向こうは天草か。新幹線は新八代~鹿児島中央間を35分で結ぶそうだが、こんな景色は拝めない。この列車に乗りに来て本当によかったと思う。植生が変わったのか九州北部と違って南国的な感じがする。台湾に来たような気がした。ちなみに台湾へは香港への途中、航空機を乗り換えただけで入境しておらず、飛行場しか知らない。
後の席の客は車内販売のワゴンが来た時、飲み物は無料であるにも関わらず、「商売してくださいよ」と言って、金を払ってジュースを頼んでいる。グリーン車内でお行儀を良くしているのも限界である。私はそのワゴンを止め、ヱビスとミックスナッツを購入した。もう鹿児島でのお昼はどうでもよい。ちょっと贅沢なビールをちょっと贅沢な車内で飲む。実に美味い。列車はいよいよ鹿児島県へ。途中で開業前の新幹線と何度か交差する。トンネルが多いようである。この車窓を楽しむ時間は新幹線では持てないようだ。ちなみに今走っている鹿児島本線のうち、八代~川内間は新幹線開業後は廃止となり、第3セクターの肥薩おれんじ鉄道が路線を引き継ぐ。ここは電化されているのだが、同社は気動車を新造しており、川内でホームの向かいに停車しているのを見た。経営は大変厳しそうだ。それにしても景色が良い。東シナ海を見ながら列車は走る。
すっかり寂しくなったグリーン車内であったが、途中駅から一人乗車してきて、3名となった。近距離でも利用する人がいるものだと感心したが、100キロ以下ではグリーン車と普通車指定席との差額は700円。飲み物付きで30分くつろげるのなら、とか考えるあたりが貧乏性である。結局、グリーン車は最大4名(最小2名)の客を乗せ、薩摩鹿児島のターミナル駅、西鹿児島へ12時53分到着した。つばめレディはグリーン車の乗降口から下車する普通車の客にも丁寧に頭を下げて見送っている。好感が持てるが、グリーン車の客3名だけでは手持ち無沙汰であろう。ホームの上には以前なかった新幹線の高架線があった。
改札口へ行くと、なんと自動改札である。これには驚いた。有人の改札で「つばめ5号」の切符を手元に残す為に無効の印をもらう。実際には「乗車記念 使用済」の印であった。駅舎は新幹線ホームの下であり、真新しい。試運転中の車両は見られなかったが、駅は新幹線開業を心待ちにしているかのようである。コインロッカーに荷物を預け、身軽になって駅の外に出てみる。暖かい。天気もよいのだが、11月下旬とは思えない。春のようである。久しぶりの鹿児島であり、駅舎も変わっているので勝手が分からない。とりあえずは天文館を目指して歩き出した。 (つづく)