鹿児島から望む桜島 (鹿児島県鹿児島市)
12時53分に西鹿児島にL特急「つばめ5号」で到着。鹿児島市には鹿児島という駅もある。港に近く、かつてはそちらが鹿児島の玄関口であったが、戦後の都市計画により西鹿児島付近が整備され、昭和40年代には全ての優等列車が西鹿児島始発・終着となったという。ブルートレイン・ブームの頃、日本一長い運転区間(東京-下関-小倉-大分-宮崎-西鹿児島)・日本一長い所要時間(24時間超)だった寝台特急「富士」と、同じく寝台特急「はやぶさ」(熊本経由、24時間は超えず)の終着が、この西鹿児島である。早朝に実家の近くの山陽本線を走行する「富士」のサインボードにある「西鹿児島」の文字を目で追っていたものである。いまでは「富士」も「はやぶさ」も鹿児島県には来ない。
すっかり新しくなった駅舎を出ると、市電が街を走っている。これに乗っても良いが、昼食にラーメンを食べたい。平成元年(1989)に初めての鹿児島でラーメンを食べたのが和田屋という店である。天文館にあった記憶がある。そこまで電車通りを歩いて行こうと思う。途中、家電量販店に「歳末セール」とある。まだ歳末ではないと思うが、11月下旬とは思えない暖かさである。「歳末」の文字に似つかわしくない。道ゆく人には半袖の人もいる。1月下旬の Los Angeles, CA も暖かかったので思い出す。LA ではバスには軽く冷房が入っていた。南カリフォルニア恐るべし。しかし、ここ鹿児島には襟巻きをしたのや、毛糸の帽子をかぶったのもいる。ファッションなのだろうが、ご苦労な事である。南九州恐るべし。和田屋ではなくはなまるうどんを見つける。冷たいうどんが美味そうだが、薩摩まで来て讃岐うどんもどうかと思い、先を急いで天文館に着いた。
天文館とは鹿児島の繁華街で、安永8年(1779)に薩摩藩が天文観測所「明時館」を設置した事に由来する。天文館のアーケードを歩き回る。15年前のことなので「和田屋」の場所がわからない。場所を示した地図も持っていない。やむなく、他のラーメン店に入る。カウンターに座ると、食券制の店だったので、席を立ち、自動販売機で食券を購入して再び席に着いた。すかさず店員が急須とプラスチック容器に漬物が入ったものを持ってくる。そうだった。和田屋でも注文するとお茶と漬物が供される。出来あがるまでそれを頂戴する。鹿児島のラーメン店では当たり前なのだろう。よいサービスである。蕎麦屋等、他の飲食店は入った事がないので知らない。このラーメン店は胡瓜の浅漬け等だった。味は格別ではない。急須からいれるお茶は嬉しい。給茶器?の作り置きのお茶よりおいしい。ライス(なぜご飯といわない?)を注文している人もいる。ラーメンライスに漬物はよかろう。ラーメンの味は格別でない。ここではビールを飲まなかった。車中で一盞したから、今飲んでみてもビールの味は格別ではないだろう。
山形屋という百貨店のショーウィンドーに Evergreen Christmas の文字がある。南国にふさわしいではないか。実際、 White Christmas になる街は日本では北の方だけだろう。電車通りに別れを告げ、海の方へ歩く。目の前に桜島が迫ってくる。天気は快晴である。申し分ない。海に面した公園では写真屋がこれから結婚を控えたと思われるカップルを桜島背景で撮影している。鹿児島では定番なのか。この天気なら写真の出来もよかろうと思う。 (つづく)
12時53分に西鹿児島にL特急「つばめ5号」で到着。鹿児島市には鹿児島という駅もある。港に近く、かつてはそちらが鹿児島の玄関口であったが、戦後の都市計画により西鹿児島付近が整備され、昭和40年代には全ての優等列車が西鹿児島始発・終着となったという。ブルートレイン・ブームの頃、日本一長い運転区間(東京-下関-小倉-大分-宮崎-西鹿児島)・日本一長い所要時間(24時間超)だった寝台特急「富士」と、同じく寝台特急「はやぶさ」(熊本経由、24時間は超えず)の終着が、この西鹿児島である。早朝に実家の近くの山陽本線を走行する「富士」のサインボードにある「西鹿児島」の文字を目で追っていたものである。いまでは「富士」も「はやぶさ」も鹿児島県には来ない。
すっかり新しくなった駅舎を出ると、市電が街を走っている。これに乗っても良いが、昼食にラーメンを食べたい。平成元年(1989)に初めての鹿児島でラーメンを食べたのが和田屋という店である。天文館にあった記憶がある。そこまで電車通りを歩いて行こうと思う。途中、家電量販店に「歳末セール」とある。まだ歳末ではないと思うが、11月下旬とは思えない暖かさである。「歳末」の文字に似つかわしくない。道ゆく人には半袖の人もいる。1月下旬の Los Angeles, CA も暖かかったので思い出す。LA ではバスには軽く冷房が入っていた。南カリフォルニア恐るべし。しかし、ここ鹿児島には襟巻きをしたのや、毛糸の帽子をかぶったのもいる。ファッションなのだろうが、ご苦労な事である。南九州恐るべし。和田屋ではなくはなまるうどんを見つける。冷たいうどんが美味そうだが、薩摩まで来て讃岐うどんもどうかと思い、先を急いで天文館に着いた。
天文館とは鹿児島の繁華街で、安永8年(1779)に薩摩藩が天文観測所「明時館」を設置した事に由来する。天文館のアーケードを歩き回る。15年前のことなので「和田屋」の場所がわからない。場所を示した地図も持っていない。やむなく、他のラーメン店に入る。カウンターに座ると、食券制の店だったので、席を立ち、自動販売機で食券を購入して再び席に着いた。すかさず店員が急須とプラスチック容器に漬物が入ったものを持ってくる。そうだった。和田屋でも注文するとお茶と漬物が供される。出来あがるまでそれを頂戴する。鹿児島のラーメン店では当たり前なのだろう。よいサービスである。蕎麦屋等、他の飲食店は入った事がないので知らない。このラーメン店は胡瓜の浅漬け等だった。味は格別ではない。急須からいれるお茶は嬉しい。給茶器?の作り置きのお茶よりおいしい。ライス(なぜご飯といわない?)を注文している人もいる。ラーメンライスに漬物はよかろう。ラーメンの味は格別でない。ここではビールを飲まなかった。車中で一盞したから、今飲んでみてもビールの味は格別ではないだろう。
山形屋という百貨店のショーウィンドーに Evergreen Christmas の文字がある。南国にふさわしいではないか。実際、 White Christmas になる街は日本では北の方だけだろう。電車通りに別れを告げ、海の方へ歩く。目の前に桜島が迫ってくる。天気は快晴である。申し分ない。海に面した公園では写真屋がこれから結婚を控えたと思われるカップルを桜島背景で撮影している。鹿児島では定番なのか。この天気なら写真の出来もよかろうと思う。 (つづく)