旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

今年一番長かった列車の旅 徳山→博多

2004-11-10 09:56:48 | 列車の旅
鹿児島本線 博多駅 (福岡市博多区)

次の「ひかり341号」(列車番号341A)を利用しても時間に余裕があるのだが、「こだま543号」にこだわった。それは、使用される車両が「700系ひかりレールスター」のものであること、8両編成のうち8号車以外は自由席となることの2点。新幹線の普通車は2列・3列のシートが標準で、0系や100系はリニューアルした時に2列・2列のシートにして居住性を高めているけれども、「700系ひかりレールスター」は新車の時から指定席となる4~8号車は2列・2列でゆったりしたつくりである。私は新大阪以西でしか運転されていないレールスターに乗るため、東京~広島間の利用であっても新大阪で乗換えをするほどである。それが「こだま」として運転しているのである。そして「ひかり」なら指定席の4~7号車も「こだま」は自由席。同じ自由席特急料金を払って1~3号車の2列・3列の窮屈なシートに座る客は、この事情を知っているのだろうか。グリーン車並のゆったりとしたシートでくつろぐ。この車両が東京まで行けば素晴らしいが、定員の少ないレールスターをJR東海が乗り入れさせるのは難しいだろう。新山口でかなりの客が下車。広島から出張か単身赴任であろうか。伝統ある小郡の駅名を新山口としたのは、どうも納得がゆかない。

山口県内で最も新しい厚狭を発車すると次は新下関。私が営業運転で昭和50年(1975)に初めて新幹線に乗ったのが新岩国からこの新下関までである。試乗では同年2月に広島~岡山間で乗っている。当時と比べて、今の新幹線の方が速いのだが、景色は逆にゆっくりと見える。当時の時速200キロは驚くというより想像も及ばなかった。

通勤客で混んでくる。駅を出ると新関門トンネル。毎日、新幹線で海底トンネルを抜けて通勤しているのだろう。九州へ入って小倉。もう空席はない。8時23分に終着の博多に着いた。あっという間で、九州に来た実感がない。

JR西日本の改札(有人)から途中下車をしたものの博多に用もないので、JR九州の自動改札に途中下車した乗車券、特急券・グリーン券を投入して再入場する。JR九州の自動改札は途中下車した乗車券で再入場できるのだ(JR西日本は不可)。自動改札で途中下車も可能か試せばよかった(JR東海は不可)。ちなみにJR東日本は途中下車も再入場も可能なのでよく利用している。グリーン車に乗るのかと思われたかも知れない。グリーン車か普通車かで迷ったのだが、JR九州のグリーン車のサービスには定評があること、本州内より安い料金設定であることから利用を決めた。何しろ列車に乗るのが目的で、鹿児島に用はない。少し贅沢をする。

ホームに出て列車を待つ。一段高いところに新幹線ホームが見える。九州新幹線は部分開業(新八代-鹿児島中央)となるが、ここ博多にはつながっていない。それでも東京から博多を経て更に南へ向かう新幹線も手に届くところまできた。今日は在来線特急の走りを楽しもう。ダイヤの乱れで少し遅れて入線した列車の客室乗務員「つばめレディ」にうやうやしく迎えられグリーン車内へ乗りこむ。1列・2列のシート。もちろん1人掛けの席で海側である。個室を除くグリーン車の20席のうち4席が客でうまって、L特急「つばめ5号」(列車番号5M)は9時05分の定刻より5分程度の遅れで西鹿児島に向けて発車した。 (つづく)