これも1月中に買ったものですが…
ザ・ビートルズのCDが20年以上ぶりに再リマスタリングされ、昨年再発売、
世界的に大ヒットしたのはご承知の通りです。私も全作品再購入しました。
BOX(セット)も発売されていましたが、単品で購入、すべてステレオ仕様でした。
私が音楽に興味を持ち出した当時は、ほぼすべてのソフトが「ステレオ」でしたが、
ハード(再生機)は廉価品を中心にまだまだ「モノラル」が幅を利かせていました。
ご多分にもれず、私が最初手にしたカセットデッキもモノラル、これでラジオから
流行曲中心にエアチェックしていました。ようやく手に入れたステレオは、
高校生になって購入したラジカセが初めて、音の良さ(広がり)に感動した覚えが。
これをきっかけにオーディオに興味を持ったりしてね。
で、私にとってはステレオ>モノラルの意識が強く、ビートルズのCDも
ステレオ盤をそろえたので、これで十分だと思っていたのです。
なんでわざわざ「モノラル」のものがBOX仕様で限定発売されているのか
わけがわからず、当初は購入意思がなかったんですが…
我々よりもはるか彼方、ビートルズを同時体験していた時代はモノラルが当たり前。
当時ステレオは一部のお金持ち、マニアのもの、ほとんどのソフト&ハードが
モノラルだったようで、レコードの作製もモノラル優先、ステレオ・ミックスはおまけ程度
だったみたいです。その後もステレオへの移行期で混在していたのが最初のCD化
の際整理され、4枚目の『ビートルズ・フォーセール』までモノラル盤、5枚目以降は
ステレオ化されたものが発売され、私はこのバージョンに親しんでいたんですね。
ところが、ビートルズ自身も、プロデューサーのジョージ・マーティンも本当に力を
入れて製作したのはモノラル・ミックスだったと聞くと、これはもうこちらを聞いてみる
しかありません。しかも、モノラルとステレオ盤とではミックス内容、収録時間などに
かなりの違いがあるらしく、これを聞き比べられる醍醐味もあります。
しかし、ご本家がモノラル仕様のこちらだとすると、限定BOX版ではなく、ぜひ単品でも
半永久に並行販売してほしいですよねえ。初回限定版が「完売」してしまいましたが、
強い要望があったのか?それとも商売上手なのか?はわかりませんが、追加で
アンコールプレスされたものが現在でも手に入りますので、せっかくだしステレオ盤しか
持っていない方はこの機会を逃さずに手に入れておいたほうがいいのかなあ。
なお、私が買ったものはアンコールプレス盤ではなくて、店に在庫が残っていた
「完全初回生産限定盤」です。値段、内容は同じですが、帯のデザインなどが
一部違っているみたいです。すごいマニアの方は当然両方手に入れるんでしょうが。
13CD(11作品)で定価39,800円(税込)です。
買ってはみたもののまだあまり聞きこんではいないんですが、今のところは、
これまでステレオで聞きなじんでいた後期の作品群はやはりステレオ盤の方が
個人的には気に入っています。ジョージ・マーティンに「モノラルで聴いてこそ初めて
サージェント・ペパーズを聴いたことになる」なんて断言されるとぐらつくんですが、
やはり音の広がり感では圧倒的に優位なステレオ仕様の方が聞きごたえが
あるように思うんですよ。
今回リマスタリングされたステレオ盤は音質がかなり改善されていて、
オーディオ的な聞きごたえが増して新たな楽しみが。たとえば、『リボルバー』の
一曲目「タックスマン」のポール奏でるベースが目茶苦茶かっこいいことを
個人的には再認識したりして。いずれにせよ、モノラルとステレオ盤を聞き比べたり、
まだまだ楽しみが続くことは間違いありませんね。