旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

みどり鮨を尋ねて

2014-09-26 19:57:48 | 素晴らしき紅マグロの世界



上士幌にある「みどり鮨」さんに初めて行ってきました。そのご報告。


私はミシュランには興味がないし、わざわざそこに掲載されているお店に出かけるってことも
まずないことなんです。でもきっかけはなんだったか、けっして港町ではない北海道の内陸にある、
しかも私がよく訪れる町のお寿司屋さんがミシュランに取り上げられていると知って興味がわいて、
一度行ってみたいと思っていたんですね。ところがこれまで行けずじまい、最大のネックが
「夜しか営業していないこと」でした。

上士幌は糠平から一番近い市街地ですし、ガソリンスタンドや小さいながらスーパーやコンビニもあり、
しばしば訪れる場所です。その先の帯広はさらに大きな町で、グルメツアーなどでも頻繁に訪れるので、
その際に上士幌は通過地点になってしまうこともありますけどね。もしみどり鮨が昼間も営業していたなら
とっくの昔に行っていたでしょうが、たとえばぬかびらユースに宿泊すると、ここの夕食はおいしいくて、
まず素泊まりすることはありえないので、その機会を逸していたのでした。

9月17日(水)この日は天気が悪く、愛山渓からの登山を中止したので、さてどうしようかと思い、
思い切ってみどり鮨へ初挑戦することにしたのです。今までならぬかびらユースに夕食付で泊まる
タイミングなんですがね。今回訳あって車中泊を多用したので、その機会が生まれたともいえます。

お店が17:00~ですから、それまでの時間を潰すのが大変です。しほろの道の駅にある「しほろ温泉・
プラザ緑風」で日帰り入浴、ここの休憩所でたっぷり昼寝しました。ここはぬかびらの塩崎さんおすすめの
温泉で、モール泉の温泉がかけ流し、500円で施設もまずまず充実していていいところでした。
温泉好きの方なら、こんな愚図ついた天気の日には何軒も温泉をはしごしたらいいのでしょうけど、
私の場合、一回汗を流したら十分満足ですからねえ。

もうひとつこの店のネックは、定休日が「不定休」なこと。行って休みだったらがっかりですよね。
地元民ならともかく、遠距離からの旅行者はタイミングを外すと大変なことになります。
ですからその前に「かみしほろ情報館(観光案内所)」で本日の営業を確認しておきました。
水曜日でしたからかなり危険ですよね。その際お姉さんにこの店の探りを入れておきます。
「車なのでお酒が飲めない」と嘆くと、「生ちらしお持ち帰りも出来ますよ」とのいいアドバイスを
受けました。そうだ、その手があった! さらに「二人きりで切り盛りしていて、忙しいとかなり待たされるので、
先に持ち帰り分も注文したらいいですよ」との指示もいただきました。なるほど、的確なご忠告、
本当に助かりました。


そして17:00ジャスト、店の前の電灯も灯っていなくて、一見やっているのかどうかもわかりにくかったけど
一番で飛び込みました。バーのようなおしゃれな雰囲気ながらとてもシックで落ち着いた店内です。
6人ほどが座れるカウンターの端へ陣取りました。いきなりお茶が出てきて、飲み物のことを聞かれないので
ちょっと拍子抜け、どうせお酒飲めないけどね。メニューにも「日本酒色々あります」としか記載されていなくて、
どうもお酒にはこだわりのない店のようです。寿司の特上・1700円とお持ち帰りの生ちらし(上・1200円)を
頼みます。ちなみに寿司の上が1200円、生ちらしの特上が1700円でした。

寿司は次々出てきたので不覚にも正確な数を数えていないのですが、10貫+αあってあら汁付、
ネタはノドグロ、ホッキ、大トロ、などなど高級どころがそろっておいしくて、しかもこの値段だとCPもかなり
高いと思いました。お持ち帰りの生ちらしは容器代もとられず、たぶん本来つくあら汁がその分ないからだと
思われます。こちらも海鮮ネタが10種類以上?たっぷり乗っているので食べ応え十分、大満足です。
これだけ食べて2900円(税込み)ですから、安いと思いますよ。たとえば小樽・魚真の「魚真にぎり」は
15貫2700円、回転寿司のトリトンでおなかいっぱい食べて2000円前後ですからね。トリトンは
飛び抜けてレベルが高いけれど、それでも回転寿司には出せない味ってありますからね。


ここの欠点はやはりお二人(大将と若い従業員?)で切り盛りしていること。間口の狭さに比べ奥行きが長く、
店は結構大きくて、せめてもうひとり接客専門の方がいてほしいところ。私の入店直後三人連れが奥の座敷
(あるいはテーブル席か?)へ、さらに続けて二人連れがカウンターに。しばらくして4人連れがやはり奥へ。
その間、電話での注文が入ったりでてんてこ舞い!! 店内の落ち着いた不雰囲気にそぐわないあわただしさが
非常に残念です。私が調査員だと星外しちゃうよ!? 案内所のお姉さんに「お寿司食べてちょっと
物足りなかったら、あとお勧めを数貫追加で握ってもらったら?」とのいいアドバイスもいただいていたのですが、
とても大将と会話を楽しんで地元ネタのいいのを頼むって雰囲気でなくなったのが残念でした。


それはともかく、食事の内容は非常にいいと思いましたので、ぜひまた機会を作って行ってみたいですわ。
なお、写真は小冊子「かみしほろ旅図鑑」に掲載されているものです。









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失われた10年?

2014-09-26 19:43:31 | 老人のつぶやき


あまり時間がたたないうちに、今年の大雪山の紅葉を振り返ります。


現地でも「10年に一度のきれいな紅葉」という言葉がしばしば飛び交っていましたが、
はたしてその言葉に見合った紅葉だったのかどうか… 私としてはちょっと疑問符がつきました。
以下私個人の感想を述べますが、残念ながらあれだけ長く滞在しながら、天候不安定で、
すべての紅葉を見ることが出来なかったんですよ。やや出遅れたものの、黒岳山上から
高原温泉沼がほぼベストな状態になるまでいたにもかかわらずです。「雨」「雨」のあと「晴」なら
計画が立てられるのに、気圧の谷が居座り連日「曇り(+小さな傘マーク)」ですからたちが悪い。
一日中雨が降りっぱなしでなく、思わせぶりに晴れ間も広がるので、それに誘われ出かけて
雷雨、雹、雪などにあわれた方も多いと思います。ただし逆にそれを我慢すれば時々晴れ間が広がり
うまくいけば絶景に遭遇するわけですから、これはもうバクチですね。

私は予報が悪かったり、実際に悪天だったらすぐにやめちゃう方なので、幸いひどい目には
あいませんでしたが、それでも黒岳ではテントからなかなか出られなかったり、沼めぐりのあと
下山時に小雨に降られたりしました。それだけ不安定だったんですね。愛山渓から歩き始めて
15分くらいで小雨が降り出して中止とか、18日(木)も沼の下調べに出かけたものの、
歩き出して100メートル行ったところで雨が降り出して引き返したりしました。結果的にはこのあと
ひどい降りになったので正解だった可能性は高いけど、場合によっては急激に晴れてくる時もあるので、
無理してでも本来はできるだけ現地に足を運んだほうがいいのかもしれません。


・黒岳山頂(雲の平~北海沢) 7(日)~9(火)
山上付近にこれだけ赤い帯が広がっているのを久々に見ました。やはり「10年」の可能性は
この時点ではあったんです。ただし天気は不安定で雲が多く、いつ降られてもおかしくない状況。
なので遠出が出来ず、Max 北鎮岳下と北海岳下まで行ったにとどまりました。このところ
山上ではナナカマドの葉はチリチリに枯れて橙色にしかならず、ほとんど写真も撮れなかったので、
もう二度と赤い筋状に広がる紅葉を見ることはないのかもとあきらめてもいました。

9日の早朝も雲が多めで撃沈寸前でしたが、その後急速に晴れ間が広がり、表大雪の山容も
すべて姿を現しました。テントに戻り朝食&小休止、さてこれからと思いきやにわかに掻き曇り、
この晴れ間は小一時間ほどで収束、あわててテントを撤収、下山中には小雨まで降り出しました。


・赤岳~緑岳~高根が原 13(土)~15(月)
晴天と三連休が重なり連日テン場は30張前後と込み合い、小屋は14(日)はメチャ込みだったようです。
山頂部は上旬に見頃を向かえたようで、訪れた頃はピークを過ぎてはいたものの、きれいだったんだろうなという
名残はそこかしこに見受けられました。14、15日と連日で緑岳で早朝撮影に挑みましたが、
緑岳から見下ろす紅葉の状態があまり良くなくてがっかりでした。先に色づいたナナカマドがピークを過ぎ、
そのくせダケカンバなどの黄色の色づきが遅れ、精彩を欠きました。悪天続きで冷え込みが弱く、
中だるみしたのが原因かもしれません。これは全般に言えることで、赤岳も15日下山時には
第三雪渓はきれいだっだものの先に色づいたナナカマドは葉を落とし写真撮影は難しい状況。
銀泉台は見頃を向かえていたもののナナカマドの一部の色づきが遅れ、ダケカンバの黄色も
先行した赤に追いつかず、やはり全体としてはボリュームに乏しくて、これで「10年に一度」というには
少し物足りない気がします。


ただし、まばらな色づきが功を奏した面もあり、その後荒れた天気が多かった割には、21(日)早朝
緑岳に上った時も第二花畑付近のナナカマドは意外に赤い葉が残り、それにチングルマの草紅葉が
追いついていたので、これはこれで予想以上にきれいでしたし、その後の銀泉台もそんなひどくなかったと
聞きました。中だるみしたおかげで、紅葉が長く楽しめた年であったかもしれません。

下山直後の16~17日にかけての降雪で、山頂部の紅葉はほぼジエンド、雪景色となりました。


・高原温泉沼めぐり 19(金) 20(土) 21(日)
当初はこのタイミングでもう一度山に入るつもりでしたが、雪と台風接近のおかげで中止となりました。
ここ数年紅葉の進み方が遅め、沼のピークは9月下旬にずれ込むことが多かったので、
沼めぐりをするのは何年かぶりでした。しかも三連チャンとは…
21日はいわゆるピーカンでしかも微風、沼めぐりには最適の天候でした。しかしそれまでに積もっていた
高根が原斜面の雪がこの時点ではほとんど解けてしまっていて、アクセントのある写真が
撮れなかったのが残念でなりません。もう少し早くこの晴天があったら…

日増しに遅れ気味だった黄色が深みを増し、21日には「滝見沼」「緑沼」などはかなりいい状態に
なりました。緑沼に映りこむ真っ白な白雲岳がきれいでした。ただし状態がいいのはここまでで、
この先の「エゾ沼」「式部沼」などは強風と雪の影響で葉がかなり落ちていて精彩を欠きました。
不思議なのはその上のヤンベタップ源頭付近(緑岳の下部)の紅葉が意外にいい状態で
残っていたこと。なので高原沼や空沼などでは写真を写しましたが、やはりここでも残念なのが
緑岳の雪がほぼ消失していたことで、もう数日早くこの晴天があったら…と何度も思いました。



これだけ長く滞在したのに、愛山渓や裾合平に一度も行けなかったのが残念です。

以上、大雑把に振り返ったにもかかわらず長くなってしまいました。「山頂部の紅葉はきれいだったものの、
中腹から下はけっしていい状態ではなかった、つまり10年に一度のきれいな紅葉ではなかった」
というのが私の結論なのですが、皆さんはどういう感想を持たれたでしょうか?


はや来年の紅葉を心待ちにしている私です。









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