漫画家・土田よしこさん死去のニュースを、旅行中の9月現地で知りました。
遅ればせながら、心よりお悔やみ申し上げます。
土田さんの代表作としては、「つる姫じゃ~っ!」がまず挙げられるでしょう。
しかし私としては、どちらかというとほぼ同時期りぼん誌上で連載されていた
「わたしはしじみ!」のほうを推していました。つる姫のどぎついギャグよりも、
ややソフィスティケートされた(…ように記憶する、細かいところ忘れちゃって
いるなあ、なにせ半世紀前に読んだのが最後)しじみのほうが肌に合ったので
しょう。いずれにせよ、当時かなり熱心なファンだったのは間違いありません。
ところが、どちらの著書も手元にはなく、私が所有しているのは、少し溯り
りぼんで掲載されていた「きみどりみどろあおみどろ」一冊のみです。当時
しじみらは、毎回オンタイムに読むことができたので(友達に借りるなどし)、
あえてコミックスを買い求める必要がなかったのでしょう。ずいぶん後で、
もう一度読んでみたいと思い立ち、文庫本化などの復刻版ブームが起こった
ときに探してはみたものの、残念ながらしじみは再発売されることなく終わり、
手に入れることができなかったのです(ところが調べてみると、その当時
愛蔵版が出ていたことがわかりました。再読する機会を逃したみたいですね、
悔しいです)。
さて、このきみどり~に関して、なぜ当時これを買ったのかは、今となっては
正確には思い出せません。おそらく、しじみやつる姫のコミックス版ならいつでも
友達に借りられるし、それ以外のものをラインナップに加えたいと考えたのではと推察
されます。しじみ、つる姫よりも少し前に発表されたこの作品は、若干粗削りながら、
しじみらの原型はこの頃すでにほぼ出来上がっていると思われ、ギャグの厳しさが
つる姫に、ラブコメ的要素がしじみに受け継がれたとするのは、ちょっと強引すぎる
暴論でしょうか。
今回ものすごく久しぶりに読み返し、泣き笑いしながら読んじゃいましたよ。
私のギャグ的な感性の一部は、間違いなく土田よしこ作品から影響を受けたのに
違いないことを再確認しました。土田さん、笑わせてくれてありがとうございました、
安らかにお眠りください。