長年使ってきた三代目CDプレーヤー・DENON(デノン)DCD-1650AEが少し前から不調で、
保証書を確認すると2006年1月購入、すでに18年も使い続けていたことがわかり、
あまりためらわず買い替えを決意しました。
初代がSONY、二代目がDENON(デンオン)だったので、すると四代目はどうしようか
と思案する間もなく、メーカーはデノンに決定。一時期復活の気配もあったピュア・オーディオ
市場は再び冬の時代に逆戻り、メーカーを選べるような状況ではありません。型番から判断
すると、1650の後継モデルはDCD-1700NEとなるようですが、今回はワンランク上位グレード
のDCD-2500NEという機種にしました。2500は発表されたのがずいぶん前で、「旧モデル」
という位置づけなためか、1700と比べるとお買い得感があります。ちょうど今月、2500の
後継機にあたるらしいDCD-3000NEというモデルが新たに発売されたばかりですが、実勢価格
で20万円ほどの値段差があり手が出せそうになく、候補機種からは即除外されました。
どかんとデカい段ボール箱で届けられた2500、ウソかまことか日本製です。13.7㎏もあり、
ズシリと重いです。オーディオ好きの旧人類は、「重量は高品質、高音質に比例する」こと
を骨の髄まですり込まれているので、機種選定の際、目方のあるほうを選ぶ傾向にあります。
高品位のパーツはしっかりしたつくりなので、高級機、高性能機は重量が増すことが一般的
なのです。しかしこれから先老いゆく身、再セッティングで動かすときなど重いと難儀する
ことは目に見えていて、考えを改め、呪縛から早々に解き放たれたほうがいいと思いますわ。
リモコン、電源ケーブル、接続コードなどの付属品一式。ピンコードはお粗末で使う気に
なれないし、電源ケーブルもむしろ1650よりも品質が落ちているみたい見える。こういう
細かなところでクオリティの高さ、違いを競っていた時代が偲ばれます。もはや、競争相手
がほとんどいないので、細部で差をつける必用もないのでしょう。まあでもこの状況下、
デノンは淡々とよくやってくれているほうだとは思います。
すべてラックから出して掃除する…つもりでとりかかりましたが、やっぱり面倒になって
やめちゃって、MDプレーヤーと入れ替えに2500をセットするにとどめました。1650と
大きな違いのないデザインで、シンプルで飽きず、そこそこ高級感もあります。一番の
違いはトレイが薄くなったこと。正直信頼度が低くなりチャチっぽいし、すぐ壊れない
か心配になります。CDソフトをセットする溝が浅いので、慎重にトレイに乗せる必要も
ありそうです。酔っぱらって操作する機会が多いので、大丈夫かなあ、自信がありません。
あと、操作の反応がかなり鈍いのも気になります。1650の反応がけっして速かったわけ
でないのに、さらにワンテンポ動作が遅れます。CDプレーヤーが発売された頃、操作
フィーリングの軽さ、スピードで他を圧倒したのがソニー機でした。しかし時が流れ、
いつの間にか作動スピードを競うことはなくなり、むしろ適度な重さ、より安定した
操作感が重視される傾向となります。それにしても2500はちょっと遅すぎませんか?
自分の感覚よりも反応がワンクッション遅れるので、正直戸惑うんですよね。ゆったり
していることで高級感を出そうとする演出かもしれないけれど、これで成功している
のでしょうか? 慣れるしかないことはわかっているのですが…
少し前からSACD(スーパーオーディオCD)を読み込めなくなり、CDソフトのみ細々
と聞いていた1650、それすら動作が心許なくなってきたのであきらめることにしたのです。
ここまで一度も音飛びするなどの故障することなくがんばってくれ、感謝しかありません。
完全に壊れてしまったわけでないので、もうしばらく手元に残しておきます。
そしてさっそく2500を視聴してみました。悪くないですねえ、いい感じです。ただし私の
脆弱な耳では、1650から大幅に音質アップ、進化しているようにまでは聞き取れません。
もう少しエージングが進んで音質が安定したら、1650との聞き比べもしてみたいと思います。