旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

シャーロック・ホームズ全集第8巻

2025-01-24 17:10:00 | 図書館はどこですか




シャーロック・ホームズ読書シリーズ第八弾、「シャーロック・ホームズ全集8・
シャーロック・ホームズ 最後の挨拶/アーサー・コナン・ドイル著」を図書館で
お借りしました。全集も残すところこれを含めあと2冊、いよいよラストスパート
です。

短編集としては四作目にあたるこの本には7編収録されていて、これまでと
異なるのは、7作すべて書きそろえられるまで9年もの月日がかかっていること。
ドイル自身裕福になり、そこまで一心不乱に筆をとらなくてよくなったり、
途中第一次世界大戦が勃発し、執筆に手が回らなかった事情などもあるようです。

そのせいか、よく言えばバラエティーに富んだ内容、悪く言えば出来不出来に
バラツキがあり、総じての評価は他の短編集に比べると劣るのかもしれません。
『ブルース・パーティントン設計書』など本格推理色の濃い作品もある一方で、
『瀕死の探偵』『最後の挨拶』などはスパイ小説といったほうがいい内容です。

瀕死~ 最後の~とタイトルだけみると、ホームズもいよいよなのかと
思わせておいて、逆手をとるように内容的には肩透かしなのもドイルらしいで
しょうか。『最後の事件』ですでに一度やられてますしねえ。なんだかんだと
ホームズものを書き続けたドイルは、当初の予想以上にホームズやワトスン先生
に愛着があったのでしょう、おかげでホームズは無事生き永らえて、探偵業を
たたんだあと、養蜂を営みながら読書三昧の隠居生活に入れました。『最後の
挨拶』はそんな世捨て人のような生活を送るホームズが、大戦勃発前夜、火中の
栗を拾う事態に引っ張り出され、ワトスンと旧交を温めるお話です。

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