この前の北海道旅行・春編で読んだ本は、「迷路荘の惨劇/横溝正史著」でした。
中学生以来の再読で、内容はほぼ100%忘れ去っていて覚えていませんでした。
たしか当時、テレビ「横溝正史シリーズ」で映像化され、それも見たはずなのです
がねえ。
ちょうど現地でこれを読み終えたタイミングで、NHKラジオ「ふんわり」内で
パーソナリティ・六角精児さんがおかけになられたのが、茶木みやこさんの
『まぼろしの人』。「金田一きた~」と叫んじゃいましたよ、テレビシリーズの
主題歌でしたので。今更ながらなかなか趣きある渋い楽曲なのです。サビの
「あの人は まぼろし だったのでしょうか~」の『あの人』って、金田一耕助の
ようにも思えるし、犯人を指しているようでもあり、また、宙吊りになるなどして
殺められる被害者ととらえることもできそうです。今改めて聞いても、なんだか
意味深なんですよね。茶木さんの個性的な独特の歌声に引き込まれてしまいます。
この作品は、長い休筆期間を経て、再び創作活動を再開された横溝さんが晩年に
発表されたものです。元々短編だったものを全集収録時に中編に書き換えられ、
さらに時を経て長編へと改められた作品です。最晩年に発表された作品に共通する
特徴として、全般お話が長く、やや回りくどくなる傾向で、これは、ひとつには、
物語の進行や推理の組み立てをより論理的で隙のないものにしたかったあらわれだと
思われます。それがかえって真理への道のりが遠回りになって、筋書きが中だるみ
するような印象を受けてしまいがちです。しかしこの頃横溝作品のブームが過熱し、
すでに既存の金田一ものの多くが発表されつくしていたようで、そのタイミングで
待ち望まれた新作登場(改作ではあったが)は、多数のファンに熱烈な歓迎をもって
迎えられたことでしょう。
最近になって、またも金田一ものの未発表作が発見されたとのニュースを見ました。
映画のシナリオ用として書かれたものだそうで、いずれどんな形ででも、それを
読めることを楽しみにしています。
ここ数年、手持ちの横溝作品を読み返すなど、マイブーム(再ブーム)が続いている
私です。まだもう少し蔵書はありますし、いましばらく横溝沼にハマってみます。
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