横溝正史さんが書いた膨大な推理小説のうち、探偵・金田一耕助が活躍するいわゆる
「金田一もの」を、当てずっぽうながら、たぶん七割程度は読んでいる私です。
横溝ブームの頃、私が買い漁って読んだ角川文庫版は、一部を除き、ほぼすべて
金田一耕助が登場するものを選んだからですね。
最近になって、図書館で借りるなどし続けざま読んだ「横溝正史ミステリ短編コレクション」と
「由利・三津木探偵小説集成」のおかげで、これまで未読だった、金田一が登場しないそれら
推理小説群も、その多くを読むことができたのは、すでにこの欄でご紹介したとおりです。
金田一もので読めていない小説がいくつかあることがわかっていて、そのうち気になっていた
作品のひとつが、この「仮面舞踏会」でした。今回図書館でお借りたのは、横溝正史自選集・
第7巻として発売されたものです。未完のまま捨て置かれた仮面~は長い中断を経て、
横溝ブームの頃、奇跡的(と言っていいでしょうかね、氏は長い間絶筆状態だったようなので)
に執筆活動を再開させた横溝さんの手によって完成にこぎ着けました。なので、舞台設定は
昭和35年頃としながら、再び執筆を開始し完結したのは昭和50年頃とのことで、金田一耕助が
活躍する作品では、最も新しいもののひとつです。
舞台が軽井沢とされていることもあり、横溝作品で特徴的な怪奇色やおどろおどろしい雰囲気は
ほぼ影を潜めるとともに、作品全般がそうであるように、金田一や等々力警部ら登場人物の描写も、
これまでのシリーズと比べると、いくぶん違った印象を受けました。スマートで、アーバンな
イメージがより強調されているといいますかね。時代は遡って設定されたものの、中断されて
いた間にも、確実に社会及び横溝さんの周囲では月日は流れていたわけで、その諸々の事情が
加味された結果だと見ていいでしょう。作風が微妙に変化したと言えるかもしれません。
全体的な完成度としては、脂の乗り切っていた全盛期に発表された氏の様々な傑作作品群と
比べることは少々酷な気はしますが、未読のまま残していたこのような本格長編推理小説を
今回読む機会を得たことには、大満足、大いに堪能させていただきました。
水管橋落下のニュースでインフラ整備の脆弱さが露呈した和歌山市です。このところは、
新型コロナウィルスの感染者周辺を広く調査するPCR検査での「和歌山方式」が名を轟かせたり、
ワクチン接種が比較的早く進んだり、東京オリンピックでは金メダリストを輩出したり、高校野球
甲子園大会で優勝するなど、和歌山としては珍しくいい話題で全国的ニュースとなることが
多かったのですが元の木阿弥、このお粗末さが本来の姿なのでしょうかねえ。今日ようやく仮の
水道が開通し、ひとまず断水は解消されました。本格的な復旧は、いつになることやら。
収穫までこぎ着けたチンゲンサイにアブラムシが大量発生していました。洗い流せば食べられない
こともないでしょうけど…もったいないですがすべて破棄しました。それを防ぐ目的で虫よけの
寒冷紗を掛けてあるのですが、古いものを使い回しているので穴が開いていたり、隙間があったりで
完全でなく、その隙をつかれた感じで悔しいです。
カゴ×2で育ててきたフダンソウ(うまい菜)の片方は、生育不良で残念ながら途中放棄します。
残ったもう一方も万全ではなく、よさそうな苗だけ4本のみ残し、これを最終形態として
様子を見てみることにしました。
虫食いのあとが見られるのは、オンブバッタの侵入を許したからです。理由は上記と同じくで、
まったく油断も隙もありません。いや、せっかくの寒冷紗は隙間だらけで、セキュリティが
甘すぎなんですよね、水道の管理体制をなじれる立場ではないのかも。
マユハケオモトが咲き始めました。
台風の遠い影響で、北寄りの風がやや強くなった和歌山市です。曇りがちでしたが、
午後徐々に晴れ間が多くなりました。
コマツナ(小松菜)の収穫第一弾です。ひとつのプランターでボウル二杯分の収穫量ですから、
まずは納得できる成果でした。もうひとつのプランター分も、あと数日で同程度とれるでしょう。
コマツナはどうにかこうにか挽回できたものの、チンゲンサイは不出来で、特に片方の
プランター分は収穫までこぎ着けられそうにありません。
さらに深刻なのがフダンソウ(うまい菜)で、もしかしたら、種を蒔き直す必要が出てきました。
写真は今日2回目の間引きと追肥をした苗で、一見それなりに見えるかもですが、新芽が
硬化するなど生育がかんばしくなく、今後正常に育っては行かない可能性が高そうです。
原因としては、1、種が古いこと 2、種まき時期が早すぎて暑すぎたこと 3、今春まで
同じフダンソウを育てていたカゴ(土)をそのまま使い回したことによる障害 などが
挙げられましょうか。
花をたくさん咲かせたギボウシ。