3日目に訪問したパムッカレとは、また不思議な景観を持つところであった。
ヒエラポリスの遺跡の一角に広がる石灰の棚田であるが、真っ白い広大な石灰の稜線が突き出ており、その谷間に美しい棚状のプールが100に及んで形成されている。
『ブルーガイドわがまま歩き』によれば、「石灰分を多量に含む湧き水が、台地からあふれ岩肌をつたった。長い年月のうちに沈殿し凝固した石灰華岩が斜面を覆いつくし、さらに幾重もの棚を形成した」とある。長い年月ってどのくらいの長さなのだろう。コバルトブルーの美しい棚田を眺めていると、人工のいかなる技を凝らしても自然の営みにはかなわない、とつくづく思った。
地元では「綿の城(パムック カレ)」と呼び、地名になったと言う。
ツアーメンバー松田様撮影
その前夜、宿泊した「パム サーマル ホテル」で、人工の棚田温泉風呂に入った。最上段から石灰を含む温泉水が吹き上げ、棚田状の風呂を次々と流れていく。上段ほど熱く、最下段はかなり冷たくなる。
入ってみて驚いたのは、棚底はくるぶしまでつかるぐらいにドロドロの石灰だ。足を踏み入れるとむくむくと水面まで石灰が浮かび上がる。それを体に塗りつけると健康に良いと言うので、人並みに何度も塗りつけた。この歳では今更手遅れかもしれないが・・・。
翌日本物に接して、その美しさ、雄大さに感じ入った。私たちはズボンをまくり上げ浅いところを歩いただけであったが、中には綺麗なおねえちゃんがビキニ姿の肢体さらして、紺碧の空とブルーの水面に映えていた。
この肢体の美しさは人工美か、それとも自然美というべきか・・・?