フラットさんは、長いバス旅行の中でたくさんのことをしゃべってくれた。いろいろ勉強して行ったつもりでいたが教わることが多かった。
・トルコには、歴史上38の文明が生じてきた、まさに文明の十字路だ。
・現在も少なくとも五つの顔――ヨーロッパの国、アジアの国、黒海の国、エーゲ海の国、地中海の国、の五つの顔を持つ多面的な国だ。
・国内には8000以上の遺跡があり、何万人が入れるギリシャ・ローマ劇場が115もある。
・食料自給率99%、輸入ゼロ、農産物の70%を輸出している。みかん1キロ30円。農業と観光に力を入れている。年間3500万人の観光客が訪れる。
・一日の勤務時間は9時から午後5時、昼休み1時間半、年次有給休暇は夏と冬に15日ずつで1ヶ月、みんなゆったりと生活している。
・教育、医療費は無料。ただし消費税は18%。
このような話をしながらフラット氏は日本についての感想も述べた。
・日本に行って一番驚いたことは、「8時3分発の電車が、8時3分に出発した」ことだ。トルコでは考えられない。(事実、初日イスタンブール乗り継ぎのイズミール行飛行機の出発が30分おくれてイライラしたが、これはトルコでは普通で、文句を言う人間など居ない、ということであった。)
(私はそれを聞いて、毎朝ラッシュ時の電車が5分遅れても、車内放送で「電車が遅れてご迷惑をおかけしています」と謝っている日本を想起した)
・日本の規律は素晴らしい。トルコはその点学ばなければならない。(ただしイタリアよりトルコの方がいい、と胸を張ったのが面白かった。)
・そのような立派な日本を、日本の若者はもっと大事にしなければいけない。20~30代の若者がこんなに外国旅行が出来るなどうらやましい。
・日本の消費税5%は想像を絶する。日本の経済力では、消費税を20%にでもすれば、全ての生活費が無料になるのではないか?
この最後の提起は面白いと思った。私は現状での(つまり無駄遣いの多い現状での)消費税上げは絶対反対であるが、フラットさんの提起は一考に値すると思った。