例年より長く咲きつづけた桜の花もようやく散って今日は4月15日、ところが寒波が流れ込み最高気温が7、8度という寒さ。仕舞いかけていたマフラーと厚手のコートをまたまた引っ張り出して出勤した。庭のハナミズキはいよいよきれいだが。
ニュースによれば野菜の高騰が続き、果物でも、柿の実を準備する芽が寒さで育たず、秋の実りに不安が出てきたという。現時点だけでなく先行きの不作まで用意されているのだ。サブプライムローンに始まる世界不況はまさに人為的なものであるが、自然の営為がそれに加わり、人類はこの先生きていけるのだろうかと不安が募る。いずれも経験したことの無いような季節の激変によるものらしい。どうして自然までがそのようなことになったのだろうか
そのような時に、日本経済新聞社編『200年企業』という本を買ってきた。2008年から新聞に連載してきたものをまとめたものだ。こちらは激変する世相の中で「永々と続いた企業」を追った記録だ。
日本には200年企業――つまり200年以上続いた企業が3113社あるという。(その後の調査では3500社に達するとも書かれている) これは世界で飛びぬけており、ドイツの1563社、フランスの331社、英国の315社などに比しダントツに多いらしい(同書6頁)。
もちろん、これらの企業が長く続いたのは「変わらない」ということを意味しない。伝統や歴史を守りながらも、その時々に柔軟に対応してきたことも大きな原因であろう。中には業種的にも見事に変身した企業もあるようだ。しかしそのほとんどは、社名を維持し、伝来の技を守ってきたようだ。この激変の時代にあって、何が彼らをそうさせてきたのか、興味を持って読むことにする。
実はこの書を買った理由は、社内の「後継者育成の勉強会」の教材にするためだ。ただ一つだけ不安がある。それは激変の世を生きる若者たちから、「どうせ200年も生きていないので200年企業など興味ありません。それより今役立つことを教えてください」と言われるのではないかということだ。