実は一昨日の23日は、75歳の誕生日であった。ちょうどその夜は山形県新酒鑑評会へ参加の予定があったので、ワイフは気を配って昼食に赤飯を用意して誕生を祝ってくれた。その夜は、鑑評会で一緒になった純米酒普及推進委員会のT氏とN氏が祝ってくれて夜中まで飲んだ。昨日は娘が来て、昼から手巻き寿司などやりながら「誕生日流れの会」となった。
しかし、この75歳の誕生日は何だかしまりが無かった。だいたい本人に一番やる気が無い。この齢になれば、最早誕生日などおめでたくもなんとも無いことは当然であるが、それにしてもこの誕生日はピンと来ないものがあった。
その原因の大半は「後期高齢者制度」の発足にある。年寄りを一定の年限で区別して、あえて「後期」と名称づけるなんてとんでもないことだと思う。そのような齢を迎えて歓ぶ人間がいるだろうか? しかも役所からは分厚い『高齢者のしおり』なるものが送られてきて、病気になったらどこへ行け、介護を要するときはここへ電話せよ、と死ぬ準備ばかり書いてある。『しおり』には、さすがに人気の悪い「後期」という言葉は使っていないが、受ける方は「お前は今日から“後期”だぞ」と言われてように見える。
もちろん、役所としては善意で送ってくれているのであるが、前自民党政権の残した悪政の典型に思えて、つい余分な愚痴を叩きたくなるのだ。民主党はこれを改廃する政策を掲げて登場したが、一向にその気配が見えないので、これも同じ穴のむじなかと思えていっそう暗くなるのだ。
まあしかし、年寄りの悪態は何よりも嫌がられるので、すべて目をつむって自分の道を生きよう。「後期2日目」の今日も快晴。庭のハナミズキは最盛期を誇る。これからワイフと出かけて美味しいものでも食べる計画だ。75年を振り返りながら・・・。