旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

山形県新酒鑑評会に参加して

2010-04-24 15:45:44 | 

 

 21日の栃木県に続き、昨夜は山形県の新酒鑑評会に参加した。こちらは、山形県の43蔵だけでなく、東北各県と新潟の58蔵、その他全国の友情蔵63蔵の、全国新酒鑑評会への出品酒を中心とした酒が並ぶ鑑評会である。
 豪華絢爛であるが、あまりに多すぎて目移りするくらいで、一堂で全国が飲める楽しみはあるが山形の酒だけに絞ってやった方がいいのではないかと思った。山形は名酒が多く、各蔵が様々な酒を持ち寄れば、それだけで日本最高級の鑑評会に十分なれる。
 昨年までとは違って今年から「座席、料理つき歓評会パーティ」となり、立派な料理に歓びながら美味しい酒を楽しんだ。先月、「十四代」、「出羽桜」、「米鶴」、「東光」の四つの蔵を見学させていただいた直後でもあり、改めて山形県の酒のよさを感じた夜であった。もっとも、「十四代」はアッという間に品切れとなったようで、私がブースに立ち寄ったときには既に無かった。人気の凄さは驚きと言うほかない。

 「歓評会パーティ」に先立ち、山形県米沢出身の漫画家ラズウェル細木氏の「日本酒と肴 美味しい関係」と題する講演があった。内容としては、日本酒の話というより「酒全般と料理の相性」を、自らの晩酌を紹介しながら披露したものであった。
 氏の晩酌は、仕事を終えた夜の10時から明ける1時まで3時間に及ぶそうで、まずビールに始まり日本酒(冷や)、日本酒(燗)、料理によってはワインと続き、食後のデザート時には焼酎、グラッパ、ウィスキーなどで終わるという。しかもその間、それぞれにあわせた酒肴は自ら作るというから立派なものだ。昼間にスーパーで買い集めた食材を材料に、それぞれの酒に合わせた料理を作り晩酌を続けるわけで、3時間かかるわけだ。
 私などには考えられないことだ。氏は現在、お嬢さんと二人暮らしというが、今年大学に入ったお嬢さんは一切料理を作らず、小学生のときから氏の作る料理で育てたそうだ。朝6時起床、8時まで家事、そこら仕事にかかり昼食、昼寝をはさみ午後10時まで仕事、その間はもちろん一滴も飲まずひたすら10時からの晩酌に思いをかけて仕事を続けるという。
 ご自慢の酒肴のレシピなどもいろいろ紹介されたが、それらは氏の漫画『酒のほそ道』などにお任せするとして、何よりも氏の「一日の生活」自体が面白かった。


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