今年は、民主党内閣の力不足とその末路を示唆する一年であった。
小沢政治資金問題や鳩山内閣の迷走で支持を落とした民主党内閣は、管直人内閣で復活するかに見えたが、管直人にその器量はかった。3月11日の東日本大震災による国難は、政治家が活躍しなければならない重大な局面を与えた。被災者の方々には誠に申し訳ないが、この災いを転じて福となせるかどうかは、ひとえに時の為政者の肩にかかった。
ここで、政治家として命を懸けて国難に立ち向かったならば、管直人は歴史に名を残す首相となったであろうし、民主党に対する期待と支持は高まったであろう。関東大震災の後藤新一は、器が違いすぎるので引き合いに出しては管が可哀そうだが、後藤の十分の一の働きでもしていたら…と、民主党にとっては惜しまれる。
しかし管は何もしなかった。それどころか、この国難をこともあろうに自分の地位を延命するための政局に使ったのである。民主党の末路は定まった。続いて出てきた野田佳彦は、定型政治家を速成する松下政経塾の出身である。官僚の政治家版である。賢そうに政治事務は執るかもしれないが、この未曽有の国難を乗り越え復旧復興を果たし、日本の21世紀の進むべき道を指し示すことはできないだろう。
国民もよくわかっており、日経新聞の今月23~25日の世論調査によれば、内閣支持率は36%(前回比15%の急落)、不支持率53%、民主党の支持率も前回比4%下落して28%と3割を切った。だからと言って自民党を支持するわけではなく、揚げ足取りに終始している自民党支持率も前回比4%下がって26%と、当然のことながら低迷している。
同時に、かつての革新勢力の支持率も社民党は1%、共産党は4%と低迷しており、民主や自民よりも不甲斐ない。日本は一番重要な時に信頼すべき政治勢力を欠いているのである。
日本国民はどこに行けばいいのだろうか?