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☆奈良仏教(「仏の力」で国を護りたい)
☆大化の改新が始まると即位した孝徳天皇
*「これからは天皇が仏教を保護・統制する」と宣言した
☆仏教は「国家鎮護」の要として重要視されていく
☆象徴ともいえるものが、聖武天皇による大仏の造立
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☆当時の国家予算の3倍もの費用をつぎ込む
*工事に関わった人数は7年間でのべ260万人
*財政を圧迫し、税ははね上がり、民は未曽有の貧窮にあえぐ
*聖武天皇は何度も遷都をくり返した
☆政治も経済も混乱をきわめ、メチャクチャな状態だったのだ
☆聖武天皇が大仏にこだわった理由
*大仏造立は「長屋王の崇り」から逃れるための事業だった
*遷都を何度もくり返したのも、長屋王の怨霊から逃げるためだった
☆長屋王を陥れた、藤原4兄弟は、次々と病死した
*天皇は、「長屋王の崇りなのではないか」という妄想にかられた
☆聖武天皇は崩御する
*聖武天皇の論号にも、非業の死を表す「聖」の字が入っている
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☆仏教の修行には3つの段階がある(「三学」)
*戒学……戒律(戒と律)を知り、これを守ること
*定学……禅定(瞑想)の実践法を修める事
*慧学……智慧を身につけ、真実を見きわめること
☆これらを修めるための仏典が3種「三蔵」がある
*律蔵……僧に必要な規則である、戒と律を説くもの
*経蔵……ブッダが説いたとされる言葉と教え(お経)
*論蔵……お経の注釈書や解説書(教義の論説)
☆三蔵(すべての経典)を全部修めた僧のことを、三蔵法師という
☆鑑真は東大寺大仏殿の前に戒壇を築くと
*孝謙天皇他440人に、日本で最初の授戒をほどこした
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☆戒を授かった孝謙女帝は、父・聖武天皇の悲願だった大仏の造立に関わった
☆皇位を譲っていた孝謙上皇が病に伏す
☆看病禅師として参内した道鏡
*宿曜(密教占星術)の秘法で上皇の病を治す
☆上皇に寵愛された道鏡は増長する
*見かねて、淳仁天皇と太政大臣の藤原仲麻呂が孝謙上皇に意見する
*孝謙上皇は烈火のごとく怒り、天皇と上皇は深く対立する
*危機感を抱いた仲麻呂が乱を起こした
*仲麻呂は、上皇の軍に誅殺され、淳仁天皇は皇位を剥奪
☆孝謙上皇は、称徳天皇として皇位に返り咲く
*女帝は道鏡に、前代未聞「法王」の地位にまでつかせた
*女帝が道鏡に与えられるものは天皇の位しかない
☆子どものいなかった女帝は、「禁断の領域」に手をつけた
*大仏の守護神、宇佐八幡宮から、神のお告げが出たことにした
*「道鏡を皇位につけよ」
☆策謀に気づいた和気清麻呂
*お告げはウソだったとの公式報告がなされた
☆女帝は怒り狂ったが、もはや打つ手はなかった
*称徳天皇は崩御し、後ろ盾を失った道鏡は下野国に流される
☆称徳天皇にも、非業の死を表す「徳」の字がついている
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☆奈良時代の仏教
*鎮護国家のスローガンのもとに国家の保護下に置かれて発展
*国を守るための法会や祈祷がさかんに行なわれた
*全国に国分寺や国分尼寺が建てられた
*『華厳経』の教えで、東大寺の毘慮遮那仏(大仏)が造立された
*僧侶は、南都六宗の宗派を形成した
*南都六宗は、宗派というよりも、教学を学び合う学派の色合いが強かった
☆奈良仏教ゆかりの宗派
*法相宗(興福寺、薬師寺)
*華厳宗(東大寺)
*律宗(唐招提寺)
*聖徳宗(法隆寺)……法相宗から独立
*真言律宗(西大寺)……鎌倉時代に律宗と真言宗が結びついて成立
*北法相宗(京都・清水寺)……法相宗から独立
*和宗(大阪・四天王寺)……単独で独立
*無宗派(長野・善光寺)……天台宗と浄土宗が共同で護持
☆桓武天皇の平安京への遷都
*処刑した皇太子・早良親王の怨霊を恐れてのことだったとも
☆奈良仏教は衰退の道をたどり、平安仏教の天台宗と真言宗の時代がくる
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☆奈良時代の謎めいた人物役小角
☆修験道(山岳で修行する宗派)の開祖
*不可思議な呪術を駆使し、日本各地に霊山を開いた
☆「優婆塞」(国家の管理からはずれて私的に出家した男性の行者)
*役小角も役優婆塞と呼ばれていた
*吉野の山で、金剛蔵王大権現という魔神のような姿の神を祈る
*役行者が感得したという秘仏本尊
☆時の権力者が鬼神を思うままに使役し、人々を惑わしたとの罪で役小角を流罪
*流罪後も、孔雀明王の秘法を用いて自在に飛行し、富士山に登っていたとか?
☆役小角が開いた修験道は、初期の密教(雑密)
*神道、道教、は陽遣が混ざつて成立しているハイブリッドな宗教で、修行者は山伏
☆修験道は、日本のあらゆる呪術や祈祷法の源流ともなっている
☆役小角は没後千年以上に光格天皇から「神変大菩薩」の読号を贈られた
*まさしく神仏に等しい存在にまでなった
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☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
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「長良王の祟り」を逃れる為建立されたの奈良大仏
(『日本の仏さま』記事より画像引用)