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☆平安時代は、奈良仏教と異なり、人々の救済を目的とした大乗仏教が登場した
☆大乗仏教のなかでも、新鮮だったのが「即身成仏」をうたった密教
☆お釈迦さまでなく、大日如来の仏が説いた秘密の教え
☆浄土系の教え「死んで極楽に生まれ変わりますように」と祈る
*極楽に行って、仏になった
☆密教の教えは、”今生きているこの身のままで”ブッダになることを目指す
*それを即身成仏という
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☆密教の悟りを開くための修行はたいへんなもの
☆普通の人があやまって行なうと非常に危険なことになる
☆師から弟子へと直接伝える以外は、秘密とした
☆三密(修行は、3つの要素に分かれている)
*身密……身体の所作(両手で「印」を結ぶこと)
*口密……口頭の所作(口で「真言」を唱えること)
*意密……心の所作(瞑想によって「仏」を想起すること)
☆真言宗を開いた空海の教え
*印を結び、真言を唱えて、その仏の姿を感得する
*たちまちその効能が現われる
☆空海自身が、その効能を目のあたりにしている
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☆空海は、記憶力を飛躍的に増大させる秘法を知り、これを実践した
*五穀断ちし、誰にも会わずにすべて唱えきる
*過酷きわまる行を完遂したとき、神秘が訪れた
☆「谷響きを惜まず、明星来影す」
*突然、洞窟全体に荘厳な音がとどろきわたる
*巨大なまばゆい光体が眼前に飛来したという
☆それ以来、空海は完全に人が変わったといわれている
☆密教が、奈良仏教と異なるのは、実践的な修行体系だった
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☆空海は、日本仏教史のなかでも、スケールが別格の存在
☆空海は、すべて自分のなかに呑み込みこむ
☆空海は、新しいシステムを構築し創造していく怪物的なタイプ
*虚空蔵求聞持法を成就した
*「三筆」と称される書の達人
*人を動かす経営の才もあった
(土木事業をいくつも指揮していた)
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☆田舎坊主空海が、遺唐使の留学僧となれたのも謎
*空海の魅力のひとつではある
☆長安青龍寺の恵果は、現地の高弟たちか止めるのも聞かず
*正統後継者に空海を選び、灌頂の儀式を受けさせた
*恵果阿閣梨は、「胎蔵界の教え」と「金剛界の教え」の両方を空海に伝える
☆空海は、2年で帰国したが、膨大な経典類や法具、曼茶羅などを持ち帰った
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☆最澄がもたらした密教は不完全なものだった
*最澄は自分の弟子たちを空海のもとに学びに行かせた
☆最澄と空海は、本の貸し借りと弟子の問題で絶好状態となる
*空海は、最澄が依頼した経典を貸さなかった
(最澄は真言密教の核心に迫る経典を借りるのを依頼してきた)
(空海は、密教は、本の知識だけで体得できるものではない答え拒絶した)
(空海は、最澄の姿勢を批判し訣別した)
*最澄の弟子が、空海についていった
☆最澄の仏教は、密教だけに限らない
*密教の対極にある、顕教の法華の教えを中心としたものだった
☆足りなかった密教の部分
*その後、円仁、円珍という2人の弟子により、唐からもたらされた
☆天台教学と結びついた独自の天台密教(台密という)を成立させた
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☆最澄が開いた比叡山延暦寺は、”皇城鎮護の寺”の場所にある
☆桓武天皇は、天台宗を京都の基軸の宗教にしようとした
☆天台宗は、天皇家との結びつきが強い
☆比叡山延暦寺の本尊は薬師如来
*法華中心ならば釈迦如来、密教ならば大日如来になるはず、
☆比叡山延暦寺の本尊が、なぜ薬師仏
*薬師如来は東方の王、東方浄土である
*東方の王、日本国の王である天皇に見立てたのである
☆天台密教の4つの大法のうちに「七仏薬師法」がある
*薬師如来を7体並べて行なう特殊な行法
*7は北斗七星を象徴するもの
*北極星は、古代中国では天帝とされ、皇帝の星とされていた
*北極星を守るように動くのが北斗七星
☆皇居の鬼門をおさえている比叡山
*天皇家(北極星)を北斗七星のように守っておりますとの意味
☆台密には道教の信仰も入っており、少し特殊な密教
*密教だけの真言宗と台密は異なる
☆比叡山は、法華、禅、戒律、密教、念仏等の多様な教えの総合道場となる
*のちの日本仏教のほとんどすべての要素と叡智が、比叡山で展開した
☆鎌倉時代には、比叡山から、
*浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗という新しい宗派が次々と巣立っていく
☆比叡山は「日本仏教の母山」ともいわれる
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☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
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空海の真髄「谷響きを惜(おし)まず、明星来影す」
(『日本の仏さま』記事より画像引用)