タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

あの頃の山メシ~4

2019年02月14日 | 山歩きから
ホエーブス

ホエーブスと聞いて何のことかすぐに分かる人は、昭和のころから登山をしていた人だと思います。というのはタカ長の独断ですが、平成になって登山を始められた人はおそらくホエーブスを使っておられないのでは、というような気がしています。

ホエーブスはオーストリア製のキャンプ用ストーブです。以下の画像はネット(元山岳部部長の登山講座)から借用させて頂いています。
タカ長も若いころ使っていましたが、タカ長のもは角型の箱に入っていました。その他はこの画像と同じです。

    

元山岳部部長によると、ホエーブスは大正期から平成3年まで製造されていたそうです。ということは、平成の初めころ登山を始められた人も使われたかも分かりません。

ホエーブスはヘッドを交換することで灯油でもガソリンでも使えますが、タカ長はガソリンを使っていました。何より火力を優先していたからです。

灯油を使うものは「マナスル」とか「ラジウス」とか言っていました。これらも懐かしい名前です。

これらのストーブにしても、ホエーブスにしても正常に燃えている時はゴーゴーというを出します。その音は心強くてソロキャンプの時などは強い味方のように思えました。

    

調理を終わり、ストーブを止めると、ストーブの音で押しのけられていた渓流の音や風の音などが一気に襲ってくるような気がしました。あの感覚は好きで、今でもその時の様子が頭の底に残っています。

ホエーブスは信頼のおけるストーブでした。特に冬山などでストーブが燃えなくて、調理が出来ないと大変なことになりかねません。そこで信頼性の高いものを使用していました。

先輩からは「ホエーブスは絶対だ。もし、誤作動を起こすとしたら、それはお前の扱いが悪いからだ」と言われていました。

    

余熱に失敗すると火炎放射器になりかねません。実際に火炎放射器になり、テントを燃やしてしまった事例が報告されたような記憶もあります。燃料がガソリンなので失敗すれば大変ですが、あの火力は魅力でした。

タカ長はこの画像程度のことは経験しましたが、幸い大きな事故は起こしていません。
当時はガスストーブが出始めたころで、火力はホエーブスのほうが圧倒的に強力だったように記憶しています。

山でのキャンプなどしなくなって長い時間が流れました。そのためホエーブスは物置の奥で眠っています。

パッキンなど交換すれば立派に現役復帰してくれるはずですが、何かとドジをすることが多くなったので、ガソリンを扱うことには腰が引けます。無理をしないほうが無難、ということでしょう。

多くの山行きを共にしてくれたホエーブスは捨てることができなくて、ピッケルとともに物置の奥で眠っています。

    

今ではガスストーブが主流で、先日の山メシでは2個のガスストーブが活躍しました。

そのようなわけでタカ長のホエーブスが現役復帰することは無いでしょうが、あの名前は昔の登山者には忘れられないものなのです。