武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

楽天、仙台の伝説

2013年11月04日 | 人生の意味

巨人・楽天最終戦

昨日(11・3)の日本シリーズ最終戦をテレビ観戦した。
観ている者を最後まで惹きつけるゲームであったが、両者がっぷり四つという内容ではなかったと思う。
そのゲームを支配していたのは最初から最後まで、仙台市民の熱烈な、しかしどこか控え目の、目に優しさを灯した愛ではなかったか。
それをオーラと呼ぶのか、それとも地元楽天へのロイヤリティー(忠誠心)と言うのか、他の球場では見られない、静かなる熱気を感じた。

最終戦の序盤は、原監督の失敗から始まった。
このシリーズで前回、2回ノックアウトでマウンドを降りた杉本を最終戦に先発させたのは、原の温情であったろうが、キャッチャーの阿部は1回から焦り始めた様子が見え、明らかに杉本の不調を感じ取っていたと思う。そして杉本得意のスピリットが決まらず、同じ2回にノックアウトされたのは、まさにデジャブーのようであった。

対して楽天先発の美馬は巨人に1安打しか許さず、中継ぎの新人・則本は強力打線をピシャリと抑えたのは圧巻であった。
そしてヒーローは再び観衆の前に姿を現した。
9回のマウンドに登ったのは前日160球を投げ切った絶対エースの田中マー君。雨の中、仙台のファンは、母親が我が子を見守るように声援を送ったように見て取れた。そしてその中に新妻である里田まいの姿もテレビカメラに捉えられていた。

さて、9回の攻防、来季はアメリカのメジャーに移籍することが有力視されているマー君だが、昨晩のラストシーンは日本野球史に残るマー君の最後の晴れ姿ではなかったか。2本のヒットを打たれたものの、全く不安感がなかったマー君、仙台球場に雨がひとしきり強く降り始めた中、マー君の150キロを越える剛速球がうなりを立てて、嶋のミットに吸い込まれる。
そして、巨人最後のバッター、矢野のバットが大きく空を切った瞬間、楽天球場は歓喜の嵐に包まれた。そしてその歓喜は、どこまでもどこまでも漆黒の闇に吸い込まれて行くように見えたのは、私だけだったのか。

(じゅうめい)

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