
前に「レイアウトモデリング」の話をしましたが、「モデリング」とくれば他の2冊も忘れる訳にはいきません。
私がTMSを読み始めたのは鉄道模型を始めてから2・3年位経ってからですが、その頃本誌のレイアウト記事を読んでいるとかなりの割合で「全書」「テクニック」の製作記事を参考にしたといったものが多く(「モデリング」でもあちこちで「全書」が取り上げられていました)そんな記事を読むにつれてどうしてもこの2冊を読みたい欲求にとらわれる様になりました。
結局改めて取り寄せる羽目になったのですが、当時ですら学生の身分では値段が高かった事と取り寄せに時間が掛かった記憶があります。それだけに大きな期待を持って到着を心待ちにしていたのが懐かしく感じられます。
到着した2冊は正に期待に違わぬものでした。
製作技法やプランニングなどは初版から十数年を経ているだけにラフな印象もありましたが(「テクニック」のNゲージレイアウトの製作などはその後の製品の充実度を考えると尤もギャップが激しかった記事のひとつと思います)掲載されていたレイアウトの一つ一つが作り手の楽しんでいる様が手に取るように感じられました。
どんなジャンルでもそうですが、後になって製品や作品の質が向上しレベルが均質化するにつれて素朴な意味での楽しさがスポイルされる傾向が出てくるものですが、ジャンルが発展期にあるものは技量こそ劣れども独特な勢いが感じられて時代を超えた魅力を発するものだと思います。この2冊から感じた事が正にそれでした。
以来実際の製作にかかるまでは大分時間を食いましたが(笑)その間レイアウトプランだけはああでもないこうでもないと随分と検討させていただきました。
その際に全書やテクニックのレイアウトが常に頭のどこかにあるようになったのは結構大きな影響だったと思います。