光山鉄道管理局・アーカイブス

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偉大なる凡庸の系譜・番外編・「TOMIXの木造アパート」

2016-09-12 21:33:27 | ストラクチャー
 偉大なる凡庸・ストラクチャー編です。

 この間、行きつけの中古屋でジャンク品のストラクチャーが並んでいるのを見つけました。
 どれもそこそこの年代物、且つ定番商品でキットは素組みとはいえ組み立て済み、完成品もベース裏に接着剤の跡が残っている上にベースの端にパウダーが付いている部分があった事から一定期間はレイアウトで使われていた可能性が高い様です。

 その中から使えそうな2,3軒を購入させて頂きました。

 今回紹介するのはTOMIXの木造アパート。
 街角で見かける頻度こそ高いですが、あまりに当たり前にあり過ぎて見過ごされがちな「普通の建物」の典型です。
 ですが以前紹介した近郊住宅と同様に「その普通さ」こそがこの建物の最大の武器とも言えます。

 こうして背景もないシチュエーションにぽつんと置かれるとこれほど寒々しい雰囲気を感じさせる建物もありません。

 ですが、これがシーナリィ、とまでは行かずとも他の建物の中に紛れ込むと周囲の風景が一気にリアルに変わるという驚くべき特徴を持っています。
 たとえばそれが「商店街やビル街の裏」なんて場合であってもこれがあると街並みの厚みがまるで違います。
 特にその威力が発揮されるのが「線路の脇」
 地方都市以上のロケーションだと線路の沿線にこういう建物が必ずあると言っても良いほどですが「木造モルタル造りのアパート」の最大公約数的なデザインを巧みにモデル化している所が素晴らしいと思う所です。

 こういうストラクチャーを作るとTOMIXは実にうまい。
 恐らく製品化に当たっては事前にかなりの取材をしていたのではないでしょうか。

 ジオコレでも似た様なコンセプトの長屋がいくつか製品化されていますが微妙にデザインが外れているのかディフォルメのセンスが不足しているのか、このアパートほど「普通」に見えないのです。
 だからジオコレだけで下町を構成させるとレトロだけれど何か違う様な印象を感じさせる事があります。
 ところがそこにTOMIXのこのアパートが紛れ込むとジオコレ建造物の個性が薄められ街並みトータルでのリアリティが向上するのです。

 地味ですが本当に凄いアイテムではないでしょうか。


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