先日の帰省の折にはスケジュールの隙間を縫って市内の古本屋さんを何軒か覗いてきました。
所用で立ち寄った場所の周囲に古本屋さんが当たる事が多かったのですが、改めて盛岡の古本屋の多さ(というか現住地の古本屋の少なさ)を感じさせられます。
今回はそこでの戦利品から。
盛岡で回った古本屋のひとつに地元の郷土書に強いといわれる老舗があるのですが、そこで何冊か物色している時に見つけた一冊。
ケイブンシャの大百科シリーズの一冊「最新鉄道大百科」です。
このシリーズについては鉄道模型関連のものは何冊か読んだ事はあるのですが、鉄道系のシリーズの方にはあまり馴染みがなく、たまに弟が持っていた何冊かを見る程度でした。
また、このシリーズは古本でも結構なお値段の事が多く、殊に中野のマニア館あたりだと一冊が千円単位のプレミア価格なので手を出しにくいという面もあります。
今回の店はメインが郷土書や専門書らしく、この手の本は雑本扱いで100円均一の棚に収まっていたのでさっそく飛びついた次第です。
本書の初版は平成3年、国鉄が民営化し、JR各社がそろそろ自前の新型車を投入し始めたタイミングの一冊。
300系のぞみやRSEあさぎり、スーパービュー踊り子などがバリバリの新型車だった時代、と言えば大体の見当がつくでしょうか。
本書の前半はそれらの最新車両を解説付きの見開き写真で次々に紹介しています。JRはもとより私鉄や第3セクターまで網羅しているので本書の前半3分の2くらいまでが新車紹介に費やされている構成という事になります。
で、最初はわたしも何の気なしに読み流していたのですが、後半の3分の1に来るとこの雰囲気が一変。
「むかしむかしのことじゃ。ケイブンシャの鉄道大百科には 同乗記というハナシがあったそうな」
と日本昔話みたいな出だしから始まったのが
「南正時の復活同乗記 伊豆パノラマの旅(スーパービュー踊り子とリゾート21EX)」という紀行マンガ、さらに続くのが「同乗取材!タンゴエクスプローラー」という写真紀行の頁でした。
いきなりの展開に面食らいましたが、この紀行まんがを中心にしたコーナーはかつてケイブンシャの鉄道系大百科の名物企画だったそうで、当時の少年ファンにはよく知られている存在だったそうです。
本書の出ていた時期がわたし自身の鉄道模型趣味の中断期と重なっていた事もあって大百科へのなじみが薄かったので、このまんがの事も知らなかったのでこの急展開には驚いたのなんのって(笑)
後で調べてみたら本書での同乗記が出たのは昭和の末頃から丸3年ぶりだったのだそうで(初読なのに)なんとなく南氏はじめ同乗者の気合の入り方の違いを感じとったりします(爆笑)
大百科シリーズの鉄道ネタについては「鉄道大百科の時代」という南氏自身の書いた回顧本も出ていますが、盛岡からの帰宅後にそこで書かれていた舞台裏や思い出と対照しながら本書を改めて見直すと、SLブームやブルトレブーム以後の鉄道ファンのムーブメントが対象をスペシャルトレインや新型車全般にまで拡大しながら「撮る趣味」と「乗る趣味」(或いは「鉄道模型趣味」も?)の融合へつながってきた過程を感じます。
平成のはじめ頃に「大百科を見て育った子供たち」が長じて21世紀のマルチな鉄道趣味の拡大の原動力になったのは間違いないところでしょう。
その原点のひとつである本書に巡り合えたのは(わたし的に)幸運だったと思います。
(上記の事情で他所ではなかなか古本が買えませんから)
所用で立ち寄った場所の周囲に古本屋さんが当たる事が多かったのですが、改めて盛岡の古本屋の多さ(というか現住地の古本屋の少なさ)を感じさせられます。
今回はそこでの戦利品から。
盛岡で回った古本屋のひとつに地元の郷土書に強いといわれる老舗があるのですが、そこで何冊か物色している時に見つけた一冊。
ケイブンシャの大百科シリーズの一冊「最新鉄道大百科」です。
このシリーズについては鉄道模型関連のものは何冊か読んだ事はあるのですが、鉄道系のシリーズの方にはあまり馴染みがなく、たまに弟が持っていた何冊かを見る程度でした。
また、このシリーズは古本でも結構なお値段の事が多く、殊に中野のマニア館あたりだと一冊が千円単位のプレミア価格なので手を出しにくいという面もあります。
今回の店はメインが郷土書や専門書らしく、この手の本は雑本扱いで100円均一の棚に収まっていたのでさっそく飛びついた次第です。
本書の初版は平成3年、国鉄が民営化し、JR各社がそろそろ自前の新型車を投入し始めたタイミングの一冊。
300系のぞみやRSEあさぎり、スーパービュー踊り子などがバリバリの新型車だった時代、と言えば大体の見当がつくでしょうか。
本書の前半はそれらの最新車両を解説付きの見開き写真で次々に紹介しています。JRはもとより私鉄や第3セクターまで網羅しているので本書の前半3分の2くらいまでが新車紹介に費やされている構成という事になります。
で、最初はわたしも何の気なしに読み流していたのですが、後半の3分の1に来るとこの雰囲気が一変。
「むかしむかしのことじゃ。ケイブンシャの鉄道大百科には 同乗記というハナシがあったそうな」
と日本昔話みたいな出だしから始まったのが
「南正時の復活同乗記 伊豆パノラマの旅(スーパービュー踊り子とリゾート21EX)」という紀行マンガ、さらに続くのが「同乗取材!タンゴエクスプローラー」という写真紀行の頁でした。
いきなりの展開に面食らいましたが、この紀行まんがを中心にしたコーナーはかつてケイブンシャの鉄道系大百科の名物企画だったそうで、当時の少年ファンにはよく知られている存在だったそうです。
本書の出ていた時期がわたし自身の鉄道模型趣味の中断期と重なっていた事もあって大百科へのなじみが薄かったので、このまんがの事も知らなかったのでこの急展開には驚いたのなんのって(笑)
後で調べてみたら本書での同乗記が出たのは昭和の末頃から丸3年ぶりだったのだそうで(初読なのに)なんとなく南氏はじめ同乗者の気合の入り方の違いを感じとったりします(爆笑)
大百科シリーズの鉄道ネタについては「鉄道大百科の時代」という南氏自身の書いた回顧本も出ていますが、盛岡からの帰宅後にそこで書かれていた舞台裏や思い出と対照しながら本書を改めて見直すと、SLブームやブルトレブーム以後の鉄道ファンのムーブメントが対象をスペシャルトレインや新型車全般にまで拡大しながら「撮る趣味」と「乗る趣味」(或いは「鉄道模型趣味」も?)の融合へつながってきた過程を感じます。
平成のはじめ頃に「大百科を見て育った子供たち」が長じて21世紀のマルチな鉄道趣味の拡大の原動力になったのは間違いないところでしょう。
その原点のひとつである本書に巡り合えたのは(わたし的に)幸運だったと思います。
(上記の事情で他所ではなかなか古本が買えませんから)