ステキなカバーで、帯も「カラフル、パワフル、ストレスフル」と韻を踏んでいてなかなかいい。この本は、奈良教育大学にいた最後の15年間くらいのことを書いている。いろいろあったけど、奈良教育大学はとても僕にとってはいい大学だった。そこをはなれて、5年がたとうとしているけど、その現実はどんどん大学が息苦しくなっている。兵庫県の知事が「おれは知事だ!」と叫んでいると報道されているが、張子の虎のようなそんな「長」なんかなんぼのもんじゃい! いばりくさるリーダーなんかいらん。大学でも、以前には校長、学長には学識や見識というものがあった。
この本にこめたものの一つをプロローグのなかにいれた!
「子どもと向き合って、その願いに応える学校をつくっていきたいと実践してきた教師達の笑顔が、文部科学省や管理職から、重箱の底をつつくように学習指導要領の文言に忠実でないと非難され、いろいろ理屈をつけられて出向させられてしまう。そんな理不尽な教育現場では、無理矢理「笑顔」がつくらされている現実が有り、強制されるような「笑顔」の奥には押し殺された感情があるのではないでしょうか。子どもたちにそんな「笑顔」で向き合えないでしょう。教育は希望をともに語ることなのだから、教育の本質に立ち戻って、センセたちの創造性が生きる学校づくりで子どもたちが本当の笑顔になってほしい。母ちゃん・父ちゃん、そしてセンセたちが笑顔を取り戻し、笑いあって、で・あい(出会い)のある世界を創っていくエネルギーを蓄える糧となることを心より願っています」
「理不尽な処遇」にたいして、異議を唱えなければ、学校はもっともっと魅力を喪失していくだろう。教員を養成する大学も学問や科学の面白さ、人間の面白さを探究していくものでなければ、つまらんものになってしまうだろう。上ばっかりみて、忖度したり、饒舌になったりしている姿は見苦しい。筋道が通ったやりたいことができる大学に是非とも再生してほしい。理不尽な処遇を受けた人たちの異議申し立ての勇気をたたえたい。9月10日が笑顔を取り戻すスタートになることを願っている。
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