最近、やけに山が黄色いなあと思っていたら、一昨日の京都新聞に東山などでシイが増えていると報じていた。黄色のモコモコはシイの開花のようだ。シイにはツブラジイ、スダジイの実のように渋みが無く食べてもウマイものはあるのだが。
松枯れで松が減り、ナラの仲間などの落葉樹もナラ枯れで減少し、シイやカシも燃料などに利用しなくなった結果、シイやカシといった常緑広葉樹がどんどん勢力を拡大しているのだろう。常緑広葉樹が増えると、山は針葉樹林のように年中緑が濃くなり、四季の変化が見られなくなる。四季の景観の移り変わりを観光の一つの売りにしている京都にとっては困ったことではあるのだろう。年毎に葉っぱが入れ替わる落葉樹の方が二酸化炭素固定の量は常緑樹より大きいかもしれない。また落葉樹の多い山では、夏は繁った葉が日陰を作ってくれ、冬には葉が落ちて森に日が差しこんで暖められるという利点もあるかもしれない。
ただし、これが全国的な傾向かというとそうでもないようだ。
週末、姪の結婚式に参列するため名神~中央高速道を利用したのだが、沿線の里山で目立つのは京都のようなシイ等の常緑広葉樹の勢力増加ではなかった。先日、花を天ぷらにした北米原産の帰化植物ニセアカシアの白い花がやけに目立つのだ。ニセアカシアは、痩せ地でも繁殖力旺盛で、成長も早く数年で20mを越えるほどにもなるという。実際結構な大木が目立った。ただ、ミツバチがニセアカシアの花を好むといい、ハチミツ増産にはよいのかもしれない。環境への影響は不明である。このままニセアカシアが増え続けるとどうなるのだろう。今後、どのような森や山を作り残していくべきなのか、よくよく考えねばならない。