WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

まつたけ人工栽培

2008年06月17日 | まつたけ

地掻き堆肥を入れチップマルチを施したトマト畑の途中経過
今のところ順調

 さて、今日の新聞報道によると、タカラバイオが人工培養でマツタケの子実体原基を発生させることに成功した。過去にも成功例はあったが再現性が無かった。今回の成功では、再現性があるらしくそこが最大のポイントだ。

 もっとも子実体原基の発生に成功したからといってすぐにマツタケができるわけではない。例えれば、人参の細胞をフラスコで培養し、ガンのような人参細胞の塊(カルス)を作りだすことができた、といったようなものだ。子実体原基からさらに子実体(キノコとしてのマツタケ)を形成させるまでには、まだまだ高いハードルが待っているだろう。

 さて、はたしてマツタケの人工栽培が成功し、エリンギ並みに1パック百円のマツタケがスーパーの店頭に並ぶことがほんとうにいいことなのだろうか?私も末席に加えていただいている「まつたけ十字軍」は、人工栽培ではなく林地、里山でのマツタケ復活にこだわっている。それは「マツタケを大量に人工栽培して一儲け」などといったケチな考えではなく、日本の風土が育んだ里山と暮らす文化と食文化としてのまつたけ復活を目指しているからだ。

 難病治療薬などバイオテクノロジーが人間にとって有用なものを作り出し、より生活の質を向上できる可能性は大いにあるだろう。しかし、この技術を利益や効率優先で安易に利用すると、無くてもよい(無い方がよい)ものやかえって有害なものを作り出したり、せっかく長い年月をかけて育んできた文化を壊してしまうことにもなりかねない。