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てらまち・ねっと



 料理することも食べることも好きなので、より気になる「船場吉兆」の残品の使いまわし事件。
 ダメ押しは、女性社長の「手つかずと食べ残しは違う」との抗弁。

 新聞から拾うと、
 ◎「食品衛生法は、腐敗などで健康を損なう恐れがある食品を販売することを禁じているが、使い回しに関する規定はない」

 ◎「1人数万円の料金を取っていた高級料亭」
 ◎「接待の宴席などでは、比較的食事に手をつけない接待側の客に使い回しの料理を出していた」
 ◎「翌日に持ち越して使い回したりしたことはなかった」
 ◎「客が急に増え、食材が足りなくなった時に使い回しをした」

 店で頼んで出たものは、必ずすべて食べきるようにしている私。
 ともかく、どこであっても、商品として客に出した以上は、食べきろうと残そうと客のものであって、客の勝手。
 
 残した客は、「捨てた」のだから、その拾った料理を、店の調理場や従業員の「まかない料理」(いわゆる自分たちのご飯)に流用することは、その店の品格はともかく、他人が非難することではないだろう。

 でも、誰がみても、使いまわしは、「買った客がゴミ箱に捨てたものを、店員が拾ってきて、新品に見せかけて、再度お金をもらう」ことなのだから、許されるはずは無い。

 それに一時あった、毒入りジュースなどの事件、店で出して手付かずの料理に毒が入れられていたら、一体どうなるのか。
 考えただけでも、コワイ話。
 料理を出す側は、「一切手付かずで残された」料理に、仮に客の悪意でなくても不純物が付着して「調理場に戻ってくる」可能性もあるのだから慎重になるのは当然。
 実はこのことは、外食時の料理を食べながら考えることがずっと以前からあった。だから、船場吉兆の事件はあまりに生々しく映ってショックだった。
 
 どこかであることは、よそでもあることだから・・・

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●せこい!船場吉兆 食べ残しの天ぷら、アユ塩焼きを別の客に  サンケイ 2008.5.2 21:21
 牛肉の産地を偽装表示していた高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)が、本店の料亭部門で客が残した天ぷらやアユの塩焼きなどの料理をいったん回収し、別の客に提供していたことが2日、分かった。料亭経営を取り仕切っていた当時の湯木正徳前社長(74)の指示で昨年11月の営業休止前まで常態化していたという。

 大阪市保健所も同日、「モラル上あってはならないこと」として食品衛生法に基づき、本店の立ち入り調査を行った。事実関係を確認したうえで行政指導する方針という。

 一方、九州産牛肉を但馬牛などと偽って販売した偽装事件について、府警は、表示変更のコストを節約するために偽装を継続したとみて、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で湯木前社長と長男の喜久郎前取締役(45)らの書類送検に向け、詰めの捜査を急いでいる。

 関係者の証言によると、使い回しは、本店の調理場で、仲居が客席から下げてきた器を回収。客がはしを付けた料理は調理人が廃棄するが、はしを付けずに残った料理の一部はいったんトレーなどに移し替え、器に盛り付け直して別の客に提供していたという。

 使い回されていたのは、アユの塩焼き、ゴボウをうなぎで包んだ「八幡巻き」、エビに魚のすり身を塗って蒸した「えびきす」など。天ぷらは揚げ直して出すこともあった。さらに手付かずの刺し身のつまも出し直していた。

 接待の宴席などでは、比較的食事に手をつけない接待側の客に使い回しの料理を出していたといい、元従業員は「先輩の調理人から『使えるものはすべて使う』と指示され、残った料理をえり分けていた。1人数万円の料金を取っていた高級料亭として恥ずかしい」と話している。

 これらの使い回しについては、府警も一連の捜査の過程で事情を把握しているという。
 船場吉兆の代理人弁護士は、使い回しを認めたうえで「お客さまに大変申し訳ない」と謝罪。「(1月の)営業再開後は一切やっていない」と説明している。

 食品衛生法は、腐敗などで健康を損なう恐れがある食品を販売することを禁じているが、使い回しに関する規定はないという。市保健所は「健康被害がなければ法的な責任は問えないが、食に携わる事業者としてあってはならない」と話しており、同社の関係者から詳しく事情を聴いている。


●「恥ずかしくて言えなかった」料理長謝罪 醜態どこまで船場吉兆  サンケイ 2008.5.2 23:38
 「恥ずかしくて言えなかった…」
 一連の偽装表示事件で民事再生手続き中の船場吉兆(大阪市中央区)で、客の食べ残しを別の客に使い回していた問題が発覚した2日夜、同社本店の山中啓司料理長が沈痛な表情で深く頭を下げた。

 「一から再出発したい」と今年1月に本店の営業を再開したが、使い回しの事実は公表していなかった。不正との決別を誓ったはずの女将の湯木佐知子社長(71)は「不在」として姿を見せず。

 モラルを無視した老舗料亭の度重なる背信行為に、顧客らは「誇りはないのか」とあきれた。
 「できるだけ自分たちで食べたり、廃棄するようにしていたが、いつも(湯木正徳)前社長が調理場にいたため、指示に従うしかなった」
 本店前で取材に応じた山中料理長は「今後一切いたしません」と釈明したが、報道陣からは農水省に提出した改善報告書や記者会見などでも公表してこなかったことに批判が集中した。

 これまでも不正が明らかになるたび、取引業者や現場に責任を転嫁し、隠蔽を繰り返してきた船場吉兆。

 この日佐知子社長は「外出中」で、山中料理長は「私のかい性もなかったのかもしれない。お客さまに申し訳なく、恥ずかしくて言えなかった」とうなだれた。
 午後5時から通常通り開店したが、予約客は1組のみ。

 食事を終えた女性は報道陣の問いかけにも足早に車で立ち去った。
 使い回しの事実に、関西財界や顧客らからは厳しい意見が相次いだ。

 大阪商工会議所の小池俊二副会頭(サンリット産業社長)は「真実だとしたら許し難い」と語気を強め、「(一連の不祥事で)お客さまに対して、果たして本当の意味での社会的責任を認識していたか疑問。(再建に向け)経済界でも応援しようという声もあったのに残念」と話した。

 店の前を通りかかった兵庫県西宮市の会社社長(51)は「昔食べた料理も使い回しだったのか。論外でしょう」と怒りをあらわに。
 地元の商店主(64)は驚きのあまり絶句した後、「落ちるところまで落ちていたということか。もう、立ち直れないかもしれないな」と寂しそうにつぶやいた。

●「今はいっさいない」使い回し疑惑で船場吉兆料理長 一問一答  サンケイ 2008.5.2 23:46
 「船場吉兆」の山中啓司料理長(47)と報道陣の一問一答は次のとおり。

--なぜ使い回したのか
 湯木正徳前社長が「見た目がきれいなまま捨てるのはもったいない。使えそうなものは食べるなり、再度利用できる」と指示した

--具体的には
 アユなどが1本か2本足りないときに、下がってきた料理の状態を見て、きれいなものを再度焼いたり揚げたりして温めた。5~7年前に始まり、週に1度とか、2、3週間に1度くらいのペースで続いた

--知っていたのは
 前社長と私。調理場の従業員は全員。佐知子社長についてはわからない

--反対しなかったのか
 モラルに反すると思ったが、社員の立場では社長の指示に従うしかなかった。情けない話だが私のかい性がなかった

--隠していたのか
 やっちゃいけないことをやっているという意識があった。お客さまに申し訳ないし、料理人として恥ずかしかった。昨年来の問題があり、今後は一切ないということで営業を再開したので出せなかった

--今はしていないのか
 一切ない。営業再開後は食材の仕入れ状況などをすべてノートで記録している。当時も翌日に持ち越して使い回したりしたことはなかった

●船場吉兆、食べ残しを「焼き直し」「揚げ直し」…再利用?  2008年5月2日22時09分 読売新聞
 牛肉の産地などを偽装したとして大阪府警が前役員らを不正競争防止法違反容疑で捜査している大阪市中央区の料亭・船場吉兆本店が、客が食べ残したアユの塩焼きなどの料理を別の客に使い回していたことがわかった。

 湯木正徳・前社長(74)の指示で行われ、一連の偽装が発覚して休業した昨年11月まで続けられていたという。市保健所は2日、本店を立ち入り調査し、再発防止を指導した。

 市保健所によると、使い回しをしていたのはアユの塩焼きのほか、ゴボウをウナギで包んだ八幡巻き、エビに魚のすり身を塗って蒸した「えびきす」、サケの焼き物、稚アユの素揚げ、刺し身の付け合わせに出していたゼラチン加工品など、少なくとも計6品。

 客が手をつけなかった料理を焼き直したり、揚げ直したりして再利用しており、アユの塩焼きの場合は身をほぐし、白飯にまぜて提供。市の調査に対し、山中啓司料理長(取締役)は「客が急に増え、食材が足りなくなった時に使い回しをした」と説明したという。

 前社長の「きれいな料理を捨てるのはもったいない」という指示で、5、6年前ぐらいから2週間に1回程度、再利用していたといい、2日夜、取材に応じた山中料理長は「深くおわびしたい。(1月22日の)営業再開後はやっていない。体調不良を訴えた客はいないと思う」と話した。

 食品の再利用は、品質が保たれ、健康被害を及ぼす恐れがなければ、食品衛生法違反にはならないが、市保健所は「食品を扱う業者としてモラルに反する行為」としている。

●「手つかずと食べ残し、違う」船場吉兆の湯木社長  朝日 2008年05月08日02時35分
 本店だけでなく、博多店などすべての料亭で食べ残しの使い回しが明らかになった船場吉兆(大阪市)。「ほかにはない」の説明から一転、社長は「手つかずの料理は食べ残しとは違う」と強弁した。高級料亭の不祥事はどこまで広がるのか。

 「前社長の『もったいない』という指導の流れが今回のことにつながり、悔やまれてなりません」

 湯木佐知子社長(71)は7日夜、大阪市の本店前で、まず2日に発覚した本店での使い回しについて頭を下げた。報道陣が「佐知子社長は使い回しを知らなかったのか」「なぜ公表を控えたのか」と質問すると、「下げた料理は私の認知する領域ではない」「営業を再開し、こういうことのないようにするのが大事だとの一念で、発表すべきだとは思わなかった」などと答えた。

 博多店での使い回しが明らかになったのは、約30分の会見が終わり、佐知子社長が店内に入った直後。代理人弁護士が「博多店では使い回しがないと言っていたが、一部あったことが判明した」と切り出した。

 報道陣の要求を受け、佐知子社長は数分後に再び現れた。「ほかの店で使い回しはないのか」との質問に、「ないと思う」と答え、「手つかずの料理を食べ残しと表現するのはニュアンスが違うと思う」と釈明した。

 その約1時間後、福岡市の博多店で河合元子店長と前村政紀料理長が記者会見をした。前村料理長が心斎橋店(大阪市)で勤務していた当時、刺し身の添え物を使い回していたと述べ、さらに河合店長が天神店(福岡市)でもあったと説明した。前村料理長は「雲の上の人のような前社長が言うことがすべて。洗脳状態だった」と、使い回しに異議を唱えられなかった雰囲気を強調した。

 博多店の会見後、船場吉兆の代理人弁護士は朝日新聞の取材に対し、「全店舗の全従業員から今後聞き取りをする」と述べた。


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