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てらまち・ねっと



 以前、フィリピンから騙(だま)されて連れて来られて、強制的に働かされていた女性をフォローした。
 その女性は、日本に連れて来られて、置かれた状況を知り、逃げ出した。
 その後、県内の男性と暮らし、2人目の子の出産の前に男性が不明に。

 認知がないと大変なことになると男を捜した・・
 職場(会社)の名称を聞いて、そこも行ってみたけど不明・・・
  ・・・その後、やっと、連絡がとれたけれど・・・

 結局、彼女は出産後、苦しい生活が分かっているフィリピンに送還された。
    そのあたりのことは、連れ合いのブログに
     ⇒ 【私の市民論 第10回】 アリシアさんとハルちゃんのこと
 
 日本の法律の無理・矛盾と「その男」の無情・無責任を痛感した。

 ところで、昨日の大ニュース、
  「最高裁が法律の規定そのものを憲法違反としたのは、これが8例目」

 「判決は裁判官15人中9人の多数意見だが、国籍法がもたらす婚外子差別の憲法判断では、「違憲」が12人で「合憲」が3人」

 「原告のような境遇の子供は、国内だけで数万人いるとの推計もあり、判決は大きな影響を与えそうだ。」

 「日本は血統主義を採用し、単純な「血のつながり」だけでなく家族の結びつきを重視してきた」

 「国籍法は父系優先主義で、出生時に日本人父と法律上の親子関係がある子は国籍を得るが、日本人母と外国人父の子には「帰化」しか認めていなかった」

【違憲判断の理由】
◎ 家族生活や親子関係に関する意識の変化やその実態の多様化を考慮すれば、両親の婚姻で日本との密接な結びつきを認められるというのは、現在の実態に合わない
◎ 諸外国は・・国籍を認めている
◎ 同じ婚外子でも、出生前に認知されていれば国籍が認められる

 最後に、「子どもの国籍を考える会」のWebページにリンク。

 結論は当然なんだけど・・・・

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●「婚外子」4日に大法廷判決 国籍法条項、初の憲法判断も  サンケイ 2008.6.2 18:11
 未婚の日本人父とフィリピン人母との間に生まれ、出生後に父から認知を受けた計10人の子供が、「生後認知に加え、父母の結婚がなければ日本国籍が取得できないと定めた国籍法は憲法違反」として、日本国籍の確認を求めた2件の訴訟の上告審判決が4日、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)で開かれる。争点は、「父母の結婚」を子供の国籍取得要件にしている国籍法の条項が合憲かどうか。判決は、この条項について初めての憲法判断をする可能性もある。

 原告のような境遇の子供は、国内だけで数万人いるとの推計もあり、判決は大きな影響を与えそうだ。

 国籍法上、原告のように未婚の日本人父、外国人母の間に生まれ、出生前に認知を受けなかった子供が国籍を取得するには、「生後認知」と「父母の結婚」が必要。「生後認知」だけで国籍を取得できるという規定はない。

 この結果、出生後に認知を受けても、父母の結婚の有無によって国籍取得が左右される。これが、法の下の平等を定めた憲法に違反するかが、最大の争点になっている。

 2件の訴訟とも、1審東京地裁判決は違う判断枠組みを取りながら、国籍法の条項を違憲無効と判断。一方、2審東京高裁は「『父母の結婚』の要件を違憲無効とすると、法にない国籍取得要件を司法がつくることになる。それは許されない」などとして、憲法判断をせずに、原告敗訴の判決を言い渡した。

違憲とされた 国籍法 第3条1項
 (この法律の目的)
第一条 日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。

(出生による国籍の取得)
第二条 子は、次の場合には、日本国民とする。
 一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
 二 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
 三 日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。
    
(準正による国籍の取得)
第三条 父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
 2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

(帰化)
第四条 日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によつて、日本の国籍を取得することができる。
 2 帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならない。

 ●国籍法の婚外子差別違憲 最高裁、日本国籍認める 
    中日 2008年6月5日 朝刊
 結婚していない日本人の父とフィリピン人の母から生まれ、出生後に父に認知された子どもたちが、日本国籍を取得できないのは違憲として国を訴えた2件の上告審で、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎(にろう)長官)は4日、「両親が結婚していないことを理由に日本国籍を認めない国籍法の規定は不合理な差別で、法の下の平等を定めた憲法14条に違反する」との判断を示し、2審判決を破棄、10人の原告全員に日本国籍を認めた。

 国籍法の規定を違憲とした最高裁判決は初めて。大法廷の違憲判決は、海外に住む日本人の選挙権を制限する公職選挙法を違憲とした2005年9月以来、戦後8件目。

 結婚していない日本人の父と外国人の母から生まれた子(婚外子)が日本国籍を取得するには、出生後認知の場合、父母の結婚が要件とされる。裁判では国籍法のこの要件が違憲かどうかが争点となり、大法廷は違憲無効と判断した。国会は法改正へ早急な対応を迫られる。

 15裁判官のうち9人の多数意見。ほかに3人が「適切な立法作業を怠った」と、立法不作為による違憲状態と判断したが、うち2人は立法措置での対応を求めて請求を退けるよう主張。合憲と判断したのは行政官出身の横尾和子裁判官ら3人だった。

 多数意見は、両親の結婚要件は1984年の法改正当時は合理的だったとしたが、家族生活や親子関係の意識が変わり、実態も多様化したことを踏まえ▽婚外子差別を禁じる条約を日本が批准▽諸外国は同様の要件を廃止-など社会的変化を指摘。原告らが国籍取得届を出した03年当時には、要件の合理性は失われていたと判断した。

 さらに「国籍取得は基本的人権の保障に重大な意味があり、子の不利益は見過ごせない」と言及。「同じ婚外子でも胎児認知や日本人の母から生まれた子には国籍が認められていることを考えれば、日本人の父の婚外子にだけ国籍を認めないのは不合理な差別で違憲」と結論付けた。

 上告していたのは、関東と東海地方に住んでいる8-14歳の子ども10人。法務局に国籍取得を届けたが、受理されず提訴した。

 1審の東京地裁はいずれも「国籍法の規定は違憲」として日本国籍を認め、原告側が勝訴。しかし2審の東京高裁は憲法判断をせず、原告側の逆転敗訴とした。

●婚外子国籍訴訟 最高裁判決   NHk 6.4
 結婚していない日本人の男性とフィリピン人の女性の間に生まれた子どもたちが日本国籍を求めた裁判で、最高裁判所は、両親の結婚を条件にしている国籍法の規定は憲法に違反するとして、子どもたちに日本国籍を認める判決を言い渡しました。

 訴えていたのは、結婚していない日本人の男性とフィリピン人の女性の間に生まれた首都圏などに住む8歳から14歳の子どもたち10人です。子どもたちは日本で生まれたあとそれぞれの父親から認知され、日本国籍を求めましたが、両親の結婚を条件とする国籍法の規定で認められなかったため不当な差別だと訴えていました。
 
 同じような境遇の子どもたちは国内だけで数万人いるとみられ、判決は大きな影響を与えそうです。最高裁が法律の規定そのものを憲法違反としたのは、これが8例目です。判決のあと、原告の子どもたちは記者会見し、マサミ・タピルさん(10)は「すごくうれしくて、ことばにできません。日本人でしかなることができない警察官になる夢をかなえたいです」と話していました。また、ジェイサさん(11)は「きのうはドキドキして眠れませんでした。勝ったので、きょうはよく眠れると思います。日本のパスポートでハワイ旅行に行きたいです」とうれしそうに話していました。

 原告たちの近藤博徳弁護士は「日本で暮らすにあたり国籍がないと致命的な影響があることを指摘した画期的な判決だ。同じ境遇の子どもたちは日本にも海外にもいるので、国が法律を見直す際は海外の子どもたちを排除しないよう願っている」と話していました。

 町村官房長官は午後の記者会見で、「憲法違反という、たいへん重い判決なので、政府としても厳粛に受け止めなければならない。政府として、よく判決の内容を精査して今後どう対応していくか考えたい」と述べました。そのうえで、町村官房長官は「司法のことに、あまり行政府があれこれ口を出すのはいかがかと思うが、判決をぱっと聞いた感じで言えば、もっともな判決かなという印象は持った。法の下の平等ということで、それは大切な見方だと思う」と述べました。

●判決要旨 婚外子国籍訴訟    2008/06/04 18:59 【共同通信】
 婚外子国籍訴訟で最高裁大法廷が4日言い渡した判決の要旨は以下の通り。

 【多数意見】
 国籍の得失に関する要件をどう定めるかは立法府の裁量に委ねられているが、国籍の取得に関する法律の要件により生じた区別については、立法目的に根拠がなかったり、その区別と立法目的に関連がなかったりする場合には合理的な理由のない差別として憲法14条1項に違反する。

 国籍法3条1項は日本国民の父と日本国民でない母の間に生まれ、父が出生後認知した子について、父母が結婚し、嫡出子の身分を得た場合にだけ日本国籍を認めており、そうでない婚外子との間に区別がある。

 この規定は血統主義を基調に日本と密接な結び付きを示す一定要件を満たす場合に限り出生後の日本国籍を認めるもので、立法目的に合理的な根拠がある。規定が設けられた1984年当時には父母の結婚をその結び付きとみることに相応の理由があったので、要件と立法目的の合理的関連もあった。

 しかし家族生活や親子関係に対するその後の意識の変化や実態の多様化を考えれば、この要件は今日の実態に適さない。諸外国でも法改正などで婚外子への法的差別を解消する方向にあり、もはやこの要件と立法目的との間に合理的関連を見いだすのは困難だ。

 日本人の両親から生まれた嫡出子らは生まれながらに日本国籍が得られるが、同じく日本人を血統上の親に持ち、法律上の親子関係があっても、父母が結婚していない婚外子だけは届け出によっても日本国籍を得ることができない。日本国籍の取得は基本的人権の保障を受ける上で重要な意味を持つことから、この差別で受ける不利益は看過しがたく、立法目的との関連性も見いだし難い。

 したがってこの規定は今日、立法目的と合理的関連が認められる範囲を著しく超える手段で、不合理な差別を生じさせているといわざるを得ない。遅くとも2003年に原告が法相あてに国籍取得届を提出した時点では、この区別は立法府の裁量権を考えても不合理な差別になっており、国籍法の規定は憲法14条1項に違反していた。

 国籍法の基本原則である父母両系血統主義を踏まえると、こうした婚外子の国籍取得の要件から父母の結婚を除けば、国籍法の規定を合理的、合憲的に解釈することが可能で、不合理な差別を解消し、違憲状態を是正することができる。

 この解釈は不合理な差別を生む過剰な要件だけを除いているだけで、裁判所が新たな要件を創設して立法作用をしていることにはならない。原告は法相に国籍取得届を提出したことで日本国籍を得たとするのが相当だ。

 【泉徳治裁判官の補足意見】
 「父母の婚姻」がない限り日本社会との結合関係が希薄とするのは、型にはまった画一的な見方だ。「父母の婚姻」の部分を除いて国籍法3条1項を適用し、日本国籍を付与することが、国際人権規約や児童の権利条約の趣旨に適合する。

 【今井功裁判官の補足意見】
 立法に対し裁判所が平等原則に反し違憲と判断した場合、本来ならば与えられるべき保護を受けることができない者に保護を与えることは、裁判所の責務であって、司法権の範囲を超えない。

 【田原睦夫裁判官の補足意見】
 国籍法3条1項自体を無効とし、生後認知子について、認知の効力を国籍取得にも及ぼす見解は多くの法的な問題を生じ、多数意見の通り、同項を限定的に解釈することが至当だ。

 【近藤崇晴裁判官の補足意見】
 国籍法改正でほかの要件を加えることは立法政策上の裁量権行使として許される。日本国民の父による出生後認知に加え、出生地が国内であることや国内に一定期間居住していることを要件とすることは選択肢になる。

 【藤田宙靖裁判官の意見】
 看過できない差別が生じているのは、条文が「不十分」だからだ。違憲状態の解消には不十分な部分を補充しなければならない。それには婚外子の場合も父母が結婚している子と同様に扱うことが自然だ。

 【横尾和子、津野修、古田佑紀裁判官の反対意見】
 家族の生活状況に顕著な変化があるとも思われない。西欧を中心に非婚でも国籍取得を認める例が多くなっているが、わが国とは社会状況が大きく違う。婚外子の場合は帰化制度が合理的で、条件も大幅に緩和されていることなどから、規定は合憲。仮に違憲としても、認知を受けた子全般に拡大するのは条文の用語や趣旨の解釈の域を超えている。

 【甲斐中辰夫、堀籠幸男裁判官の反対意見】
 国籍法が規定する要件を満たさない場合、国籍取得との関係では白紙の状態が存在するにすぎず、婚外子については、立法不存在、立法不作為の状態であるにすぎない。この状態は違憲だが、規定自体は合憲で、多数意見は法解釈の限界を超えている。違憲状態の是正は国会の立法措置によるのが憲法の原則だ。

●婚外子国籍訴訟判決:比在住母子「日本に連れて行きたい」  毎日新聞 2008年6月4日
 【マニラ矢野純一】フィリピンでも判決を歓迎する声が上がった。「すぐにでもこの子を日本に連れて行きたい」。マニラ近郊に住むエロイサ・スエリイラさん(37)はリュウタロウ君(6)の手を握りしめた。来日し国籍取得届を法務局に出すつもりだ。

 01年に興行ビザで日本に渡り、常連客の日本人男性(59)と知り合い、妊娠した。ビザの期限切れ前に帰国し、リュウタロウ君を出産した。しかし、男性の妻は離婚に同意せず、男性は子供の認知だけしかできなかった。

 「今の生活を抜け出したい」とエロイサさん。実家に居候する代わりに、両親や兄弟の子供ら計10人の食事や身の回りの世話をする生活だ。自由に使える金もなく、肩身の狭い暮らしをしている。「日本で勉強して、電車の運転士になるんだ」。リュウタロウ君がうれしそうに話す。

 エロイサさんが、日本行きを希望するもう一つの理由を話してくれた。今年1月電話で男性がガンを患い余命1年と知った。「子供の将来と男性のためにも早く日本行きが実現できれば」と話した。

 フィリピンのNPO「新日系人ネットワーク」の川平健一専務理事によると、同国内で確認できた日本人とフィリピン人の間に生まれた子供は約700人。うち約2割は父母が婚姻していないが、フィリピンの出生証明書には日本人父の名前があるという。

●婚外子国籍訴訟判決:日本は「家族の結びつき」重視  毎日新聞 2008年6月4日
 国籍制度には、親と同じ国籍を得る「血統主義」と、生まれた国の国籍を得る「生地主義」がある。日本は血統主義を採用し、単純な「血のつながり」だけでなく家族の結びつきを重視してきた

 1950年施行の国籍法は父系優先主義で、出生時に日本人父と法律上の親子関係がある子は国籍を得るが、日本人母と外国人父の子には「帰化」しか認めていなかった。女性差別撤廃条約への署名(80年)を機に84年に法改正され、現行の父母両系主義が採用された。外国人定住者や国際結婚の増加も背景にあり、日本人母と外国人父の子に常に国籍が認められるようになった。

 この際に設けられたのが3条1項で、両親の婚姻が出生の前か後かで日本人父の子の国籍に差が生じないようにするためだった。しかし、生後認知の子を婚姻の有無で区別することには、国会審議でも疑問が示され、国連の権利委員会や自由権規約委員会が懸念を表明した。


子どもの国籍を考える会 トップページ
 子どもの国籍を考える会は、日本人の父親から認知されていない、あるいは十分な養育を受けていない子どもたちとその外国籍の母親、とくにフィリピン人母親の抱える問題をともに考え、可能な支援をおこなうことを狙いとして発足しました。
 とくに、今年2004年には無国籍状態に置かれている子どもたちの実態を捉え、その就籍のためプロジェクトを立ち上げました。直接現場に出向いて調査を行い、就籍の可能性を探ります。みなさまのご支援をお願いいたします。
  ⇒ 子どもの国籍Q&A

   国籍に関する用語解説 から抜粋
【国籍】  ある国に所属するとして公的に登録された籍。基本的人権のひとつと考えることができる。
【無国籍】  いずれの国籍も持たない者。

【日本人】  日本国籍を持つ者。
【帰化】  自己の志望により他国の国籍を取得すること。

【父系主義】 父がその国民である場合、その子にその国の国籍を与える主義。
【両系主義】 父または母がその国の国民である場合、その子にその国の国籍を与える主義。

【血統主義】 その国の国民の血統を持つ子に、その国の国籍を与える主義。
【(出)生地主義】 子がその国に生まれれば、その国の国籍を与える主義。

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