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てらまち・ねっと



 先日、名古屋市民オンブズマンらが、珍しい組み立ての住民監査請求をしたとして大きく報道された。

 「政調費の支出をめぐり、議長の責任を問う住民監査請求は全国で初めて」という。
 その際に、民法の「時効は20年」を用いたという。

 後で引用しておく、全国オンブズ 事務局の内田さんのメモでは
 「・・なんとか市の損害を回復できないか市民オンブズマンの弁護士が考えたところ、平成13年度分については、時効にかけた議長に責任があり、民法上の損害賠償請求権(時効は20年)に基づいて歴代議長が連帯して名古屋市に賠償する義務があるという理屈を立てました。 ・・」
 
 役所の公金や財産の扱いの問題などを是正しようというのが住民監査請求や住民訴訟。そのいろんな裁判資料を見ていても、支出から1年経ったら却下するという1年ルール、職員の賠償責任は短い、事案によっては個別に存在する時効までは大丈夫、そういう判例ばかりだった。

 岐阜県庁の裏金が発覚した2年前、少なくとも昭和30年代から続いていた認定された。しかし、今まで、全国で裏金を返させたのはせいぜい数年程度。
 このとき、今の岐阜県知事は十余年を返還させた。
 しかし、納得しない私たち県民は、素朴に「民法の時効の20年分は利息をつけて返せ! 80億円!」と住民監査請求した。

 みんな、「いくらなんでもそんな理屈はないだろう?!」、公務員や法曹関係者の多くがそう思ったろう。
 でも、前例がないとはいえ、結構、裁判所では通りそうな理屈だと私は思っている。なぜ、もっと早く気付かなかったのだろう・・・というくらい。

 今、岐阜の弁護士の皆さんが住民訴訟を進めてくれていて、弁論は8回目が済んだ。(ただ岐阜県庁裏金事件は、資料が残っていないという別の問題を抱えている)

2006.9.12  ◆岐阜県裏金・過去20年分返還の住民監査請求運動

2006.12.12  ◆(1)過去20年分の80億円の裏金返還請求の住民訴訟データ
       ◆(2) 岐阜県庁、20年分の裏金や退職金の返還を求める訴訟
 (新聞記事⇒)「・・訴状によると、返還を求めるのは梶原前知事と歴代の副知事、出納長、監査委員の計約50人。これらの役職者は予算執行の適正確保に注意、監督義務があったとして、民法に基づき過去20年分の裏金の返還を求めている。
 裏金の損害額は、県のプール資金問題検討委員会の算定に基づき、1986(昭和61)年度から2005年度を約45億円と試算。さらに県公安委員会と県警にも裏金計約7500万円があるとし、遅延損害金も加え約80億円とした。・・」

 今年、名古屋のオンブズ の皆さんの理屈の一部を見て、独り ニタリ とした私。
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2008年4月28日 2時30分 毎日新聞
印刷用 PDF 1ページ 291KB
政調費:名古屋市オンブズマン、議長に賠償求め監査請求へ
  ⇒  
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

毎日新聞 2008年4月30日

●政調費:不適正な支出で返還請求 市長が市議団に 名古屋
 自民党名古屋市議団の政務調査費の一部に不適正な支出があったとして、市監査委員が松原武久市長に692万円を市議団から返還させるよう勧告していた問題で、松原市長は30日、勧告通りに来月14日までに市に返還するよう市議団に請求した。市議団は返還する意向を示している。

 この問題は、名古屋市民オンブズマンが今年1月、02年当時の市議団の24人分の政調費の共通経費総額1440万円のうち1203万円が目的外に支出されたとして、返還を求める住民監査請求を実施。市監査委員は3月、懇親会や会合に伴う食糧費など692万円について目的外と認め、返還させるよう市長に勧告した。市議団の渡辺義郎団長は「内容を真摯(しんし)に受け止め、的確な対応をして参りたい」とコメントした。【影山哲也】

●政務調査費:「不適切使用の調査を」 名古屋市民オンブズ、県議会議長に要請 /愛知  毎日新聞 2008年4月28日 中部朝刊
 名古屋市民オンブズマン(倉橋克実代表)は22日、県議会の青山秋男議長に対し、県議団に支給されている政務調査費の不適切な利用の有無を調べるよう、調査権限を行使することを求める要望書を提出した。オンブズマンは「政調費の会計帳簿や領収書などを職務上調査できるのは議長しかなく、議長は調査権限を行使してほしい」と話している。

 名古屋市監査委員が先月28日付で、自民党名古屋市議団の02年度の政調費のうち約692万円を不正使用と認定し、返還勧告をしたことを受けて要望した。監査委員が懇親会や会合に伴う食事代の一部を目的外使用と認定したことを受け、オンブズマンは「県議団の各会派の収支報告書にも『茶菓代、弁当代』などの記述があり、自民党市議団と同様、不適正な支出の可能性がある」と指摘している。
 オンブズマンの新海聡弁護士は「当の議長が自身に調査権限があることに気付いていない可能性がある。議長が監視することが適正な政調費の使用の第一段階だ」と主張する。オンブズマンは28日までに調査を実施する意思の有無を回答するよう求めた。【月足寛樹】

●政調費調べず名古屋市損害 住民監査請求、歴代議長が賠償を  中日 2008年5月9日 朝刊
 目的外に支出された政務調査費を調査せず、名古屋市に損害を与えたとして、名古屋市民オンブズマンは8日、歴代の市議会議長6人が1358万円を賠償するよう松原武久市長に勧告を求める住民監査請求をした。
 政調費の支出をめぐり、議長の責任を問う住民監査請求は全国で初めてという。

 請求の対象は、自民党名古屋市議団が2001年度に支出した政調費のうち、使途不明金や、本会議のある日の昼食代などに充てた分。
 この支出について市が返還を請求できる権利は、会計法などの時効により07年4月30日に消滅。この間、議長を務めた6人のだれかが、議長に与えられた権限で会計帳簿などを調べていれば、市に損害を与えることはなかったとしている。

 06年度に議長を務めた岡本善博市議は「請求の内容をまだ見てないのでコメントできないが、議長としての責務は全うしたと思っている」としている。



 以下、全国オンブズ 事務局の内田さんのブログなどから抜粋・引用。詳しくはリンク先を
   2008年 04月 22日  愛知県議会議長に政務調査費調査の申し入れ
 平成13年度の自民党名古屋市議団の政務調査費の「共通経費」のうち13,584,541円が違法・不当に支出されたとして、名古屋市民オンブズマンのメンバー6名は、歴代議長に返還を求める住民監査請求を08/5/8に行いました。
政務調査費の違法・不当な支出につき、議長の責任を追及する住民監査請求は全国初です。
   http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/seimutyousahi/080508.pdf

なお、名古屋市民オンブズマンが行った政務調査費に関する
住民監査請求は今回で4回目です。
 ・平成15-16年度政務調査費(共通経費分) 08/4/24高裁判決 08/5/7上告
 ・平成16年度政務調査費(個人経費分) 現在名古屋地裁係属中
 ・平成14年度政務調査費(共通経費分) 08/4/17提訴 名古屋地裁係属中

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・08/3/28 名古屋市監査委員 H14年度政務調査費6,923,885円の返還勧告
http://www.city.nagoya.jp/_res/usr/45857/seimuc3.pdf

・名古屋市民オンブズマン 政務調査費特設ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/seimutyousahi/index.htm

全国市民オンブズマン連絡会議 政務調査費特設ページ
http://www.ombudsman.jp/seimu.html

●議長責任追及の住民監査請求 名古屋市政務調査費で   エキサイトモバイル 5月8日
 自民党名古屋市議団に対する政務調査費1人当たり月額55万円のうち、1人当たり月額5万円が「共通経費分」として配分されています。
ところで、西村元市議VS自民党名古屋市議団の名誉毀損の裁判の中で提出された平成9-14年度の「共通経費分」帳簿を名古屋市民オンブズマンが入手・分析したところ、会派内部の会議で昼食代を政務調査費から支給されていたことや、「使途不明金」などが判明しました。

これら支出は政務調査費条例・規則・使途基準規程に違反するのですが、平成13年度以前についてはすでに会計法上の時効(5年)にかかっています。
なんとか市の損害を回復できないか市民オンブズマンの弁護士が考えたところ、平成13年度分については、時効にかけた議長に責任があり、民法上の損害賠償請求権(時効は20年)に基づいて歴代議長が連帯して名古屋市に賠償する義務があるという理屈を立てました。
(平成9-12年度は「調査研究費」時代なので、当方の理屈が使えません。)

平成14年度の自民党名古屋市議団の政務調査費共通経費については、名古屋市監査委員が、08/3/28づけで6,923,885円の返還勧告を出しました。[外部リンク]
平成13年度も同様の支出をしています。
監査委員がどう判断するか注目したいと思います。

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