政府が「震災に関連する自殺」を初めて分類したという。
それによれば、先の6月は、「震災関連が1割」「50歳以上が8割」だという。
そして、「内定取り消し:震災理由は427人」厚労省まとめも報道されている。
「被災地での若者の雇用 深刻さを増す」とも。
辛い数字や現実。
政争にくれる国会がうらまれる。
(関連) 2011年7月12日ブログ⇒ ◆全国の自殺者2割増加(警察庁) /どう評価するか/ 「被災した」事実を どう考えるか
ところで、今日は広島原爆の日。
改めて、原発事故を受け止め、反省し、社会のスタイルをかえるべきだと思う。
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●6月の震災3県自殺 震災関連が1割 内閣府調査
産経 2011.8.5 21:31
東日本大震災に関連した6月の自殺者数(暫定値)が16人だったことが5日、内閣府の調査で分かった。このうち被災地の岩手、宮城、福島3県は13人で、3県の6月の自殺者(131人)の1割が震災関連自殺だったことも判明。震災関連自殺の調査は今回が初めてで、内閣府は「被災地での自殺者の傾向分析を行うとともに、相談体制を強化し、自殺防止対策を進めたい」としている。
調査は、警察庁のデータを基に内閣府が遺体発見地、発見日ベースで集計。(1)遺体の発見地が避難所や仮設住宅など(2)避難所や仮設住宅に居住していた(3)被災地から避難してきた(4)住居や職場が地震や津波で甚大な被害を受けた(5)原因や動機が震災の影響だと遺書などで判明-のいずれかで震災関連自殺と定義した。
それによると、男女別では男性11人、女性5人。都道府県別の最多は宮城の8人で、6月の宮城の自殺者(45人)の17・8%を占めた。次いで岩手3人、福島2人、茨城、埼玉、東京がそれぞれ1人。年齢別では60代が最も多く6人で、50代5人、20代2人が続いた。70代、80歳以上、20歳未満はそれぞれ1人だった。
一方、警察庁が同日発表した自殺者の月別統計(速報値)によると、7月の自殺者は2769人で、前年同月比3・6%(104人)減となった。被災地は岩手37人(前年同月比15人減)▽宮城46人(同13人減)▽福島48人(同1人減)だった。
●震災関連自殺:6月だけで16人、50歳以上8割 内閣府
毎日 2011年8月5日 19時21分
内閣府は5日、東日本大震災が直接の原因となった自殺者が6月だけで16人に上ると発表した。うち8割超を50歳以上が占め、生活環境の激変が年長者に深刻な影響を与えていることがうかがえる。国が震災関連自殺の統計を公表するのは初めてで、7月以降も調査を進め対策を検討する。
調査にあたり、内閣府は、(1)避難所か仮設住宅、遺体安置所で遺体が見つかった(2)避難所か仮設住宅に住んでいた(3)被災地から避難してきた(4)自宅や職場が地震や津波で大きな被害を受けた(5)震災の影響とする証言や遺書などがある--の5項目について警察庁に情報提供を求め、1項目でも該当すれば震災関連自殺と判断した。
内訳は男性11人、女性5人。年代では20歳未満1人▽20代2人▽30~40代0人▽50代5人▽60代6人▽70代1人▽80代以上1人。発見された都道府県は、宮城8人▽岩手3人▽福島2人▽茨城1人▽埼玉1人▽東京1人。
職業は、サラリーマン7人▽無職6人▽自営業・家族従業者2人▽学生・生徒1人の順。原因・動機別(複数選択)では、「健康問題(精神疾患を含む)」が5人と最多で、▽親子や夫婦関係の不和など「家庭問題」と「経済・生活問題」が共に4人▽「仕事上の問題」1人▽「その他」5人。
6月の自殺者全体に占める震災関連自殺の割合は、宮城県が45人中8人で18%、岩手県が36人中3人で8%、福島県が50人中2人で4%だった。震災が発生した3~5月までの集計はできていないという。
内閣府は、初めての集計のため多いか少ないかの判断は難しいとした上で、「仮設住宅の入居が進むにつれ被災者がこもりがちになり、孤立化が心配される。自治体が行っている保健師らの訪問事業や心の健康相談の強化など対策を検討する」としている。【鈴木梢、佐々木洋】
●「震災自殺」6月に16人=宮城は2割弱、政府が初公表
時事。(2011/08/05-19:38)
内閣府は5日、東日本大震災に関連した6月の自殺者は16人だったと発表した。震災関連の自殺者数を政府が調査・公表するのは初めて。当面、毎月公表する。
調査は、自殺者に関する警察庁の情報に基づいて実施。(1)避難所、仮設住宅で遺体が発見された(2)避難所、仮設住宅に居住していた(3)被災地から避難していた(4)遺書や遺族への発言で震災との関連が判明した-などのいずれかに該当すれば震災が原因と定義している。このため、実際の震災関連自殺は公表人数より多い可能性がある。
6月の全国の自殺者数は2985人で、震災関連は全体の0.5%に相当。内訳は男性11人、女性5人で、年齢別では60歳代が6人で最も多かった。原因・動機(警察による複数選択)は多い順に、健康問題5件、家庭問題と経済・生活問題が各4件となった。
地域別では宮城県が8人で最も多く、県内の自殺者(45人)の2割弱。岩手県は3人、福島県2人で、茨城、埼玉両県と東京都がそれぞれ1人だった。
●「震災に関連する自殺」初めて分類
TBS 8月05日
内閣府は今年6月の自殺者についての調査で、初めて東日本大震災との関連について分析し、震災に関連して自殺した人は16人だったことを明らかにしました。
内閣府は今年6月の調査から自殺者が避難所や仮設住宅に住んでいたり、自殺の原因・動機が原発を含めて、震災の直接の影響によるものであることが遺書などによって明らかになった人などを「東日本大震災に関連する自殺」と定義づけて分類しました。
その結果、今年6月に全国で自殺した2985人のうち、東日本大震災に関連する自殺者数は岩手(3人)、宮城(8人)、福島(2人)県など6都県で発見された16人でした。
内閣府では災害を経験した人の心のケアを目指した「安心手帳」を作成し、全国に配布するとともに、近くの自治体の相談窓口に気軽に相談してほしいとしています
●内定取り消し:震災理由は427人…厚労省まとめ
毎日 2011年8月5日 21時3分 更新:8月5日 21時44分
内定取り消しの人数の推移
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/91/edaf2a0131bee7091c6476a753b7cf9d.jpg)
この春(10年度)の高校や大学などの卒業者で、就職予定の企業から東日本大震災の影響を理由に内定を取り消されたのが427人(126社)だったことが5日、厚生労働省のまとめで分かった。震災以外の理由も含めると556人(179社)で、前年度163人から3倍増。阪神大震災があった94年度の512人も上回り、同省若年者雇用対策室は「震災の影響の大きさを物語る数字」としている。【井上英介】
職業安定法は内定を取り消した事業所に報告を義務づけており、同省がその数字をまとめた。
震災を理由とする427人を地域別にみると、被災3県では、岩手87人▽宮城58人▽福島99人。関東甲信(139人)や東海(9人)、九州(5人)にもおり、震災の影響が各地の採用に波及したことがうかがえる。事業所の規模別では、社員300人未満での内定取り消しは354人(103社)。一方、300人以上では37人(10社)で、中小企業が影響をもろにかぶった実態が浮かんだ。
また、取り消されなかったが入社を先送りされた人数は2472人(287社)で、すべて震災が理由。前年度はゼロだった。
過去の推移をみるとリーマン・ショックの08年度には内定切りが2143人に上ったが、それ以前は毎年100人未満で推移。同省によると、この春内定を取り消された計556人のうち280人が6月末までに別の就職先を確保した。
●東日本大震災:被災地での若者の雇用 深刻さを増す
毎日新聞 2011年7月27日 21時02分(最終更新 7月27日 23時42分)
市街地が津波で流された東日本大震災の被災地では、もともと受け皿が少ない若者の雇用状況が深刻さを増している。古里に残って復興に尽くしたい思いと、街を離れなければ就職が難しい現実。「どうしたらいいのかさえも分からない」。地方中小企業でも就職活動が本格化し始めた来春新卒の大学4年生は深い悩みの中にいる。
岩手県陸前高田市の戸羽佳孝さん(22)は、富士大(同県花巻市)4年生。若者の地元離れが進む中、自分だけはスーパーを営む父昇司さん(当時55歳)のように、故郷で働いて家庭を築こうと考えてきた。「(4年の)春になったら動き出そう」。そう思っていた矢先に津波が襲った。
昇司さんと祖母(同74歳)を津波で亡くした。仮設住宅で暮らす母と祖父のそばにいたいと願うが、企業や店舗が集中していた市街地の壊滅状態を見ると、絶望的な気持ちになる。就職活動では市外や県外にも目を向けざるを得ない。
陸前高田の青い海と山、人々の温和な人柄が大好きだ。それに加え、父の後ろ姿も地元で働きたい思いを強くした。
戸羽さんが高校生のころ、昇司さんの勤めていた食料品スーパーが倒産。借金を背負い、仲間と新たなスーパーを開いた。軌道に乗り始めたその店までも津波は奪った。父の無念を思うとやりきれない。足の不自由な客を背負っている間に逃げ遅れたと知り、「責任感の強い父だから仕方ない」と自分を納得させるしかなかった。
だが、戸羽さんが就職を望む岩手県沿岸部では5人に1人が離職。岩手労働局担当者も「事業再開にこぎ着けた企業も、従業員を呼び戻したり、亡くなった従業員を経験者で補充するので精いっぱい。新人を雇い入れる余力はない」とみる。
一方、陸前高田市によると、もともと微減傾向だった市の人口は震災後6月末時点で2万1979人。転出届の出ている分だけで580人減った。復興が遅れて働く場がなければ、故郷に残ることを希望する戸羽さんのような若者も流出してしまう懸念が広がる。
街の行く末に不安を感じるという戸羽さん。「社会人として力をつけて、いずれ高田の街の再建に協力したい」。心に誓うのだが、具体的な道筋は見えない。【市川明代】
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