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てらまち・ねっと



 昨年末の政権交代のあった衆議院選挙について、
 「1票に格差」がある、と憲法違反、選挙無効を訴えた裁判、
 各地の高等裁判所が申し合せたように、異例のスピード審理。
 今日は、最初の判決が東京高裁で言い渡される。

   (月刊FACTA)
    第一弾の東京高裁判決は、理論派の難波孝一裁判長だけに、違憲状態で行った12月総選挙は「違憲」との判決を下す可能性が高い。
     違憲違法とするか、違憲無効とするかのどちらかだろうが、安倍政権は総選挙やり直しを免れそうな「違憲違法」判決を期待している。


 そんなことで、各高裁の判決日程を調べた。 毎日新聞によれば、

 ◇各高裁・支部の判決期日◇
3月 6日 東京高裁
   7日 札幌高裁
  14日 仙台高裁
      名古屋高裁
  18日 福岡高裁
      名古屋高裁金沢支部
  22日 高松高裁
  25日 広島高裁
  26日 東京高裁


 注目したい。

 ところで、今日午後は、こちらの岐阜地裁で、選挙ポスター代の水増しの住民訴訟の判決がある。
 まず、選挙カー代については、1月30日の岐阜地裁民事1部の裁判長が言い渡してくたれ判決。
 訴訟開始までに19件の返還、
 訴訟中の「原告の証拠申請など」から明らかになった事実に基づいて原告が問題を指摘したことでの訴訟中の返還が10件、
 さらにこの1月30日の判決で4件の命令。
 この選挙カー代の訴訟は、業者に書類を出させたり、証言を求めたり、こちら原告の申し立てを聞いてくれて、きろきろと事実が判明した結果の判決。

 ところが、今日は、民事2部。裁判長が違う。
 業者に書類を出させたり、証言を求めたりのこちら原告の申し立てを一切認めずに結審してしまった。
 業者の持っている会計書類などの文書提出命令も「必要性なし」として棄却。
 だから、判決でこちらの言い分を認める余地はないのだろうと思わざるを得ない。

 なお、来週13日(水)16時半は名古屋高裁で控訴審の判決 (※)。
 ひょっとして、先の選挙無効裁判の判決日と重なったらイヤ、そう思って、判決日程を調べてみたもの。
 幸い、日にちがズレていてよかった。

 ※ 前岐阜県知事個人秘書業務費返還請求事件
 2006年夏の岐阜県庁の裏金事件の発覚をきっかけに、前岐阜県知事梶原拓氏の知事退任後にも、梶原氏の約300件の出張の個人秘書業務を県の職員が行っていたことが明らかとなった。
 私たちは、2006年10月2日に県の監査委員に住民監査請求。
 これについて、監査委員は同年11月30日に、一部却下、一部棄却の決定。
 そこで、県政の公正・適正な執行の確保という観点から、このような公私混同を放置することは許されないと考え、住民訴訟を提訴。2006年12月21日のこと。

 「H18年(行ウ)第29号前知事個人秘書業務費返還請求事件(原告寺町外11名、被告県知事)」
 判決は2010年12月1日、「支出は違法だが却下、棄却」の判決。

 当然、控訴。
 名古屋高裁では民事2部で審理。
 最近の高裁審理の傾向は、第一審判決と同方向の場合、1回か2回で結審が通常。
 が、当該訴訟は、2012年11月まで2年近く続いた。
 昨年11月26日の結審の際、裁判長は「この事件は大きいので判決は来年3月13日16時半とする」とした。
 控訴人(こちら)の訴えを認めないなら、簡単な判決で済むのに、長期の審理時間をかけたことや審理経過、結審後の日数などから相当の見込みを感じる。


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●異例のスピード審理 各地の高裁、「100日裁判」意識
       2013/1/26付 日本経済新聞
 「1票の格差」を巡る司法の警告にもかかわらず国会の対応が遅れるなか、昨年末の衆院選を巡る一連の訴訟で各地の高裁は異例のスピード審理で判断を急ぐ姿勢を見せている。
 選挙無効を求める訴訟は、裁判が長期化し当選者の任期中に判決が確定しないと意味が失われる。このため公職選挙法は、提訴から100日以内の判決を努力義務として規定している。

ただ、これまで必ずしも努力義務は守られておらず、09年の衆院選を巡る訴

●「1票の格差」衆院選違憲訴訟、福岡で即日結審
         2013年2月4日14時26分 読売新聞
 最高裁が「違憲状態」と指摘した選挙区割りのまま行われた昨年12月の衆院選は違憲だとして、福岡県内の有権者が福岡1区と同2区の選挙無効を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、福岡高裁(西謙二裁判長)であった。

 同県選挙管理委員会側は「選挙区割りを見直すには期間的に不十分だった」として請求棄却を求め、即日結審した。判決は3月18日に言い渡される。

 訴状では、議員1人当たりの有権者数の格差が、福岡1区で1・95倍、福岡2区で2・17倍に上ると指摘。意見陳述で、原告側の代理人弁護士は「違憲状態で国会議員の多数が選出されるような国は民主主義国家ではない」と述べた。

 同選挙を巡る「1票の格差」訴訟は全国14高裁・支部で一斉に起こされており、これで9高裁・支部で結審した。うち東京高裁では3月6日に判決が言い渡される。

●衆院選「1票の格差」、スピード判決 高裁3月一斉に 国会に是正促す
            2013/2/26 0:54 日本経済新聞 
 「1票の格差」を是正せずに実施された昨年12月の衆院選は違憲として、2つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に選挙のやり直しを求めた訴訟は、25日までに全ての判決期日が決まった。
異例の迅速審理で、国会に早期是正を促す司法の狙いも垣間見える。
 各地の判決は3月6日の東京高裁を皮切りに同月中に出そろい最高裁判決が今夏に出る可能性もある。

●衆院選「一票の格差」最大2・43倍「違憲」も 月内に16訴訟で判決
                産経 2013.3.3
 人口比例に基づかない区割りで「一票の格差」が是正されないまま行われた昨年12月の衆院選は憲法違反として、2つの弁護士グループが選挙無効を求めて全国14の高裁・支部に起こした16訴訟で、初の判決が6日、東京高裁(難波孝一裁判長)で言い渡される。16訴訟の判決は月内に出そろう見通しで、最高裁が「違憲状態」と断じた区割りのまま選挙に至った国会の姿勢に対し、厳しい判決が予想される。

 各地で訴訟を起こしているのは、山口邦明弁護士と升永英俊弁護士のグループ。このうち升永弁護士グループが東京1区の選挙無効を求めた訴訟について、6日に判断が示される。

 現行制度は、47都道府県に1議席ずつを割り振った上で残りを人口に比例して配分する「1人別枠方式」を採用しており、この結果、平成21年衆院選は最大2・30倍の格差が生じた。

 21年選挙の区割りについて最高裁は23年3月、「違憲状態」と判断。格差の要因である1人別枠方式を「できるだけ速やかに廃止すべきだ」と求めた。
国会では、小選挙区の定数を「0増5減」とする選挙制度改革関連法が成立したが、区割り作業が間に合わないまま実施された昨年の選挙では、最大格差が2・43倍まで広がった。


 最高裁はこれまで、一票の格差について(1)著しい不平等状態にあるか(2)その状態が相当期間継続しているか-という判断基準を用い、(1)と(2)を満たせば「違憲」、(1)のみ満たす場合は「違憲状態」としてきた。

 ただ、今回の選挙は最高裁が「違憲状態」とした21年選挙と全く同じ区割りで行われている上に、最高裁判決から選挙までには約1年9カ月の期間があった。このため、高裁がより厳しい「違憲」判決を出すことも予想され、「選挙無効」判決に踏み込む可能性もある。関連法を成立させたことが国会の是正努力として評価されるかどうかが主な焦点となりそうだ。

●「選挙無効判決の可能性も」 慶大大学院の曽根教授 「一票の格差」訴訟
           産経 2013.3.3
 これから出される一連の高裁判決では、最高裁が平成21年衆院選について示した「違憲状態」判決よりも厳しい「違憲」判決が出るとみている。

 23年3月の最高裁判決から昨年12月の選挙までには時間があったにもかかわらず、格差が存在するまま選挙に至ったのは立法府の不作為だ。「0増5減」を盛り込んだ関連法を成立させたとはいえ、結果としては同じ区割りで選挙が行われている。

 「一票の格差」訴訟ではこれまでも司法が立法府の怠慢に対してたびたび警告を発しながら、十分に応えてこなかったという経緯があり、高裁で「選挙無効」判決が出る可能性もあるだろう。立法府には、「無効判決が出ることはあり得ない」ととらえている向きもあるが、それは甘い考えだ。

 高裁判決を経て最高裁が「違憲」判決を出せば、立法府も今までのような時間稼ぎの対応はできなくなるだろう。

●国会に厳しい判断も=昨年衆院選の無効訴訟、6日初判決-東京高裁
        時事。(2013/03/04-15:49)
 「1票の格差」を是正せずに実施された昨年12月16日の衆院選は違憲として、二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に選挙無効を求めて起こした16件の訴訟で、初の判決が6日、東京高裁(難波孝一裁判長)で言い渡される。2009年衆院選を「違憲状態」とした最高裁判決から約1年9カ月で格差を是正できなかった国会に対し、厳しい判断が予想される。

 6日に言い渡されるのは東京1区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、27日までに一連の訴訟の判決が出そろう予定。前例のない選挙無効の判断が示されるかどうかも注目される。
 
公選法は提訴後100日以内の判決を求めており、今回は全ての判決が100日以内に指定された。09年衆院選をめぐる訴訟では高裁判決が出そろうまで約8カ月かかるなど、これまでは規定が厳密に守られてきたとは言えなかった。今回の異例のスピード審理は、国会に速やかな格差是正を促す裁判所の姿勢の表れとも受け取れ、最高裁の判断も早期に示される可能性がある。

 最高裁は11年3月、最大格差2.30倍だった09年衆院選について、各都道府県に1議席を割り振る「1人別枠方式」は投票価値の平等に反するとして、違憲状態と判断。国会で小選挙区を「0増5減」する格差是正関連法が成立したが、区割りの見直し作業が間に合わず、違憲状態のまま選挙が実施された結果、今回の最大格差は2.43倍に拡大した。
 原告側は、人口比例配分になっていない区割りで実施された選挙で違憲と主張。被告の都選挙管理委員会側は、区割りを見直すための期間が不十分だったとして請求棄却を求めている。

●1票の格差訴訟 きょう最初の判決
           NHK 3月6日
 去年の衆議院選挙で1票の価値に最大で2.43倍の格差があったことについて、弁護士らのグループが全国で選挙の無効を求めた裁判の最初の判決が、6日、東京高等裁判所で言い渡されます。
去年の選挙は最高裁判所が「違憲状態」とした区割りのままで行われたうえ、格差がさらに広がっていることから、裁判所の判断が注目されます。

去年12月の衆議院選挙は、選挙区ごとの1票の価値に最大で2.43倍の格差があり、弁護士らの2つのグループが「国民の意思を反映した正当な選挙とは言えず、憲法違反だ」などと主張して、全国14の裁判所に選挙の無効を求める裁判を起こしています。

この裁判で、最初の判決が、6日午後、東京高等裁判所で言い渡されます。
去年の選挙は、最高裁判所が「憲法違反の状態」とした前回=4年前の選挙と同じ区割りで行われたうえ、1票の格差は2.30倍からさらに広がりました。

このため、判決が「憲法違反」や「選挙の無効」といった踏み込んだ判断をするかどうかが注目されます。
一連の裁判は、7日も札幌高等裁判所で判決が言い渡されるほか、今月中に全国14の裁判所すべてで判決が出されます。

●1票の格差:衆院選訴訟 全国16件、厳しい判断も 高裁判決6日皮切り
            毎日新聞 2013年02月26日
 「1票の格差」が違憲状態のまま実施された12年12月の衆院選は違憲として、全国の有権者が選挙の無効を求めて8高裁・6高裁支部に起こした計16件の訴訟は25日、広島高裁で最後の口頭弁論があり、即日結審した。同高裁は判決期日を3月25日に指定し、16件の訴訟全てが提訴から100日以内の3月6〜27日に言い渡されることになった。最高裁が11年3月に示した「違憲状態」判断から1年9カ月間、是正に至らなかった国会の姿勢をどうとらえるか。国会に厳しい判決を予想する識者が多い。【石川淳一】

 16件の訴訟は、1票の格差是正を求める二つの弁護士グループが原告となって起こした。3月6日の東京高裁を皮切りに、判決は順次言い渡される。各地の弁論で原告側は「最高裁判決の警告を無視しており、選挙は無効だ」と主張。被告の選管側は「1年9カ月は区割り全体を見直す期間としては不十分」と反論した。

 最高裁は11年3月、最大格差が2・30倍だった09年衆院選を違憲状態と判断し、「1人別枠方式」の廃止を迫った。しかし、国会論議は停滞。小選挙区を0増5減するなどの関連法は成立したが、区割りの見直しは間に合わずに、衆院選に突入した。格差は有権者数が最多の千葉4区と最少の高知3区の間で2・43倍に広がった。

 今回、原告側は公選法の「100日裁判」規定に基づき早期の判決を裁判所に要請。結果として16件全てが提訴から100日以内に期日が指定された。衆院選を巡っては過去、最高裁で2度の違憲判決と2度の違憲状態判決が出ているが、選挙を無効とする判決が出れば、高裁、最高裁を通じ初めてとなる。

 元最高裁判事の福田博弁護士は「最高裁から違憲状態判決を受けながら何もせずにきたのは国会の怠慢だ。有権者が主権者であるという視点を欠いており、国会議員に自浄能力がないことが明らかになった。昨年の衆院の小選挙区選挙を全て有効と判断することの方が、むしろ勇気が必要だ。選挙区選挙全部が無効だとは言わないが、投票価値の不均衡を生んでいる選挙区については無効判決が出ても驚かない」と話す。
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 ◇各高裁・支部の判決期日◇
3月 6日 東京高裁
   7日 札幌高裁
  14日 仙台高裁
      名古屋高裁
  18日 福岡高裁
      名古屋高裁金沢支部
  22日 高松高裁
  25日 広島高裁
  26日 東京高裁


●1票の格差 夏の参院選差し止めを求め提訴
            NHK 3月4日
 いわゆる1票の格差を理由に衆議院選挙の無効を求めている弁護士のグループが、ことし夏の参議院選挙についても、「制度の抜本的な見直しが行われていない」と主張し、選挙の差し止めを求める新たな訴えを4日、東京地方裁判所に起こしました。

選挙区ごとの1票の価値に最大で2.43倍の格差があった去年12月の衆議院選挙では、2つの弁護士らのグループが全国14の裁判所で選挙の無効を求める裁判を起こしています。
このグループの1つが、ことし夏の参議院選挙についても、選挙の差し止めを求める新たな訴えを4日、東京地方裁判所に起こしました。

最高裁判所は去年、最大で5倍の格差があった3年前の参議院選挙を憲法違反の状態と判断したうえで、選挙制度の仕組みの見直しを求める判決を言い渡し、その後、選挙区の定員を「4増4減」する法律が成立しています。

しかし、弁護士のグループは「『4増4減』でも格差は解消されず、最高裁が求めた制度の抜本的な見直しが行われていない」などと主張しています。
山口邦明弁護士は、会見で「民主主義や憲法は人口に比例した選挙制度を求めており、速やかに是正すべきだ」と話しました。

●2票やっぱり無効、当落逆転取り消し…高裁判決
           (2013年2月27日07時26分 読売新聞
 昨年5月に行われた山口県周南市議選で最下位当選した田村勇一氏(71)が、同県選管を相手取り、田村氏を当選無効とした裁決の取り消しを求めた訴訟の判決が26日、広島高裁であった。

 小林正明裁判長は、県選管が次点で落選した候補の得票とした2票を無効と判断し、「裁決は違法」として取り消した。県選管は「上告するかどうか検討する」としている。

 市議選では、田村氏が案分票を含めて次点の福田秀夫氏(58)を2・5票上回って当選した。しかし、投票用紙を再点検した県選管が、市選管に無効とされた2票と、誤って別の福田姓候補の票に数えられていた2票の計4票を福田氏の得票と裁決。福田氏が田村氏を1・5票上回り、裁決が取り消されなければ、当落が逆転する事態になっていた。

 判決では、福田氏の氏名の左下に傍線が引かれた1票と、福田氏の姓と当選した友田秀明氏の氏名が混じって書かれたとみられる「福田ひであき」の1票の計2票について、それぞれ「他事記載に当たる」「福田氏と友田氏のどちらを記載したか確認し難い」と認定。2票とも市選管の判断を支持して無効票とし、県選管の裁決を覆した。

 一方、投票用紙の裏に福田氏の氏名が書かれ、市選管が誤って別の福田姓候補の票に数えていた1票については有効と判断し、福田氏の得票と認めた。

 福田氏は田村氏の当選無効を求めて市選管に異議を申し出たが、棄却されたため、県選管に審査を申し立て主張が認められた。このため、田村氏が昨年10月、裁決の取り消しを求めて広島高裁に提訴していた。(長田泰弘、津江秀晃)

   ●【「一票の格差」訴訟】首相官邸「聞いてなかったことにしよう」
             月刊FACTA 2013/3/4
3月6日、つまり来週の水曜日にホラーが起きる。

この日、東京高裁でいわゆる「一票の格差」訴訟の判決がある。またか、と思うなかれ。昨年暮れに安倍自民党が圧勝し、野田民主党がボロ負けした総選挙を対象に、合憲かどうかを問う裁判が全国高裁・支部で14訴訟が提起されていて、第一弾の判決が言い渡されるのだ。審理迅速化の原則100日ルールにより、3月27日までに次々判決が下される。

さて、思い出してほしい。野田前首相は衆院小選挙区の「0増5減」を実行する法案を速やかに成立させることを条件に、自民・公明党と「3党合意」して解散に応じたのだ。つまり、最高裁大法廷で昨年、前総選挙を「違憲状態」とする判決が出たにもかかわらず、「0増5減」を“予約”する形で、旧区割りのまま総選挙を実施した。

ところが、勝って兜の緒がゆるみ、安倍政権は320議席の絶対多数を維持したいから、区割り改定の熱意を失って、野党に転落した民主党に対し「今国会での合意は難しい」(2月12日、石破幹事長会見)として改正を急がなくなってしまった。

ところがどっこい、である。第一弾の東京高裁判決は、理論派の難波孝一裁判長だけに、違憲状態で行った12月総選挙は「違憲」との判決を下す可能性が高い。違憲違法とするか、違憲無効とするかのどちらかだろうが、安倍政権は総選挙やり直しを免れそうな「違憲違法」判決を期待している。時間稼ぎができると踏んでいるのだ。しかし最高裁に国が上告しても、昨年の大法廷判決を踏まえて、最高裁も「違憲」とする公算が大きい。

違憲判決が出た途端、升永・久保利弁護士ら原告団は、国家賠償訴訟に出ることを考えている。違憲判決だけで、衆院議員に対し賠償請求する条件が整い、しかも度重なる「違憲状態」判決にもかかわらず党利党略で先延ばししてきた国会へのフラストレーションを溜まらせている最高裁が、ここでも国賠を認める可能性が大きいと踏んでいるからだ。

国賠と言ってもいくらか。これは判例がある。海外在留邦人が小選挙区での投票権がなかった時期に起こした訴訟で、その精神的苦痛に一人5000円とされたのだ。「一票の格差」訴訟の弁護団は、これをもとに日本初の巨大な集団訴訟を起こそうとしている。訴訟の原告になってくださいと大キャンペーンを張り、1000万人規模の原告を集めるつもりだ。

そんなことが可能か。可能かもしれない。

勝てば一人5000円がいただけるからだ。必要なのは住民票の謄本代(200~500円)だけ。1000万人だと、賠償額は500億円。誰が払う? 国のカネは税金=国民のカネだから充当されない。国会議員一人一人が現金1億円を徴収される。

仮に有権者全員(1億451万人)に5000円支払いだと、5225億円となり、国会議員のほぼ全員が破産する。党が原資を銀行から融資してもらって立て替えようにも、そんな資金を貸す銀行があるだろうか。

政党助成金と、あの豪華な議員会館と議員宿舎……いたれり尽くせりの国会議員を裸にすることができるわけだ。これって「政治不信」の無党派層には、永田町への懲罰としては最適だろう。しかも小遣い4500円以上が入るのだから、願ったりかなったり。12月総選挙で投票率を前回より10%下げた無党派の棄権票が、この「マツリ」に燃えるのではないか。

・・・・・・・(略)・・・


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