◇救済制度今も混迷 異議申し立て、提訴の動きも 最高裁判断に注目
水俣病認定を巡る訴訟を受けて作られた未認定患者の救済制度は今も混迷が続いており、最高裁の判断が注目される。
国の基準を事実上否定した04年の水俣病関西訴訟最高裁判決で認定申請者が急増したため、09年に水俣病被害者救済特別措置法(特措法)が制定された。一定の感覚障害があれば一時金(1人210万円)や医療費が支給される。
12年7月の締め切りまでに熊本、鹿児島、新潟の3県で6万5151人が申請。1995年の政治決着(一時金260万円などを支給)時の申請者約1万4700人を大きく上回った。
しかし、特措法の救済対象から外れた申請者が、判定した3県に異議を申し立てるケースが相次いでいる。国の見解に従い、熊本、鹿児島両県は申し立てを却下するとしているが、新潟県は受理し判断が分かれている。対象外となった申請者側には提訴の動きもある。【澤本麻里子】 |