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てらまち・ねっと



 水俣病のこと。
 熊本県が水俣病の患者と認定しなかったことの是正を求め、
 大阪府と熊本県で処分の取り消しと認定義務付けを求めた2つの訴訟の弁論が最高裁であった。

 最高裁が弁論を開くときは高裁判決を見直すとき。
 ただ、この2つの訴訟は、全く逆の判断がされた事件なので、最高裁は当然、統一した判断をするばす。
 どちらかを認め、どちらかを認めないということ。

 私は、ほとんどの行政訴訟を本人訴訟で進めてきた。
 最高裁の小法廷にも何度も立った(座った)。
 こちらが上告人(つまり高裁で負けていた訴訟=最高裁で逆転勝訴ということ)のケースの方が多い。
 控室の雰囲気のことも思い出す。
 当事者の気持ちが伝わる気がする。

 ところで、今回の事件。
 経過や要点は産経の記事が分かりやすい。
 以下に要点抜粋。

 ★水俣病について、国は昭和52年、「認定には手足の感覚障害や運動失調など複数の症状の組み合わせが必要とする判断基準」(52年基準)を示した。
 
 ● 大阪府の訴訟では、H22年、1審大阪地裁が52年基準を否定し、県に水俣病と認定するよう命じる判決を言い渡した。
   昨年の2審大阪高裁は、県の判断が不合理かどうかを審査。「国の基準は医学的知見に適合し相当」とし、女性側の逆転敗訴とした。

 ◎ 熊本県の訴訟では、1審熊本地裁が平成20年、請求を全面的に退けた。
   昨年の2審福岡高裁判決は、52年基準を「十分であるとは言い難い」と指摘した上で、女性の生活環境などを独自に検討し、水俣病と認められると判断した。

   
 毎日新聞もまとめが分かりやすい。
 
◇救済制度今も混迷 異議申し立て、提訴の動きも 最高裁判断に注目
 水俣病認定を巡る訴訟を受けて作られた未認定患者の救済制度は今も混迷が続いており、最高裁の判断が注目される。
 国の基準を事実上否定した04年の水俣病関西訴訟最高裁判決で認定申請者が急増したため、09年に水俣病被害者救済特別措置法(特措法)が制定された。一定の感覚障害があれば一時金(1人210万円)や医療費が支給される。
 12年7月の締め切りまでに熊本、鹿児島、新潟の3県で6万5151人が申請。1995年の政治決着(一時金260万円などを支給)時の申請者約1万4700人を大きく上回った。

 しかし、特措法の救済対象から外れた申請者が、判定した3県に異議を申し立てるケースが相次いでいる。国の見解に従い、熊本、鹿児島両県は申し立てを却下するとしているが、新潟県は受理し判断が分かれている。対象外となった申請者側には提訴の動きもある。【澤本麻里子】


 ともかく、3月15日に行われた弁論で、4月16日の判決期日が指定された。

 報道では、面白い場面が記されている。
 法廷では、判決日が、約1か月後の4月16日に決まったことを原告側弁護士が「拙速」と批判したのに対し、
 裁判長は「それは判決を見てから判断してほしい」と応じた。佐藤会長は「(判決に)期待できる一言だ」と述べた。


 4月16日は注目しよう。

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●水俣病認定訴訟の控訴審が結審 来年4月に判決
           産経 2011.12.26 19:21
 関西水俣病訴訟の最高裁判決(平成16年)で勝訴したのに、その後も行政に水俣病と認められなかった大阪府豊中市の女性(86)が国と熊本県に患者認定を求めた訴訟の控訴審は26日、大阪高裁(坂本倫城裁判長)で結審した。判決は来年4月12日に言い渡される。

 昨年7月の1審大阪地裁判決は「現行の認定基準には医学的正当性がない」として県に認定を命じたが、県側は「十分な合理性・正当性がある」として控訴していた。



●異議申し立て却下へ 水俣病救済策で鹿児島知事
           産経 2012.11.14
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は14日の記者会見で、水俣病特別措置法の救済対象外となった人たちの異議申し立てについて「認めるのは難しい」と述べ、却下する方針を示した。

 環境省は「救済対象を判定する行為は異議申し立ての対象にならない」として却下すべきだとの見解を示したが、伊藤知事は「環境省の解釈には必ずしも賛成していない」と述べ、独自に申し立ての是非を検討していた。

 県は顧問弁護士と協議した結果、最高裁判決の判例などから異議申し立ての対象にならないと結論付けた。
環境省の見解を確認した上で、最終的に判断する。

●鹿児島で23人異議申し立て 水俣病救済
                産経 121219
 水俣病特別措置法の救済策の対象にならなかった23人が19日、鹿児島県に行政不服審査法に基づき異議を申し立てた。

 水俣病不知火患者会(熊本県水俣市)会員の40~80代の男女で、居住地が救済策の対象地域外などを理由に申請を退けられたという。患者会によると、申し立ては熊本、鹿児島両県で計191人になった。

 伊藤祐一郎鹿児島県知事は申し立てを却下する方針を示しているが、患者会の林田直樹事務局長は「知事から直接説明を受けていない。被害者がいる限り、申し立てを続ける」としている。

●新たに32人異議申し立て 水俣病特措法の救済策
         産経 2012.11.28
 水俣病特別措置法の救済策に申請し、一時金(210万円)などの支給対象にならなかった32人が28日、熊本県に行政不服審査法に基づき異議を申し立てた。
 水俣病不知火患者会(熊本県水俣市)の会員で40~80代の男女。特措法の対象地域外に住んでおり、支給対象と認められなかったという。

 環境省は、救済策の判定は国側と被害者側などの合意に基づく行為で、異議申し立ての対象となる「行政処分」に当たらないとしており、熊本県は申し立てを却下する見込み。

 不知火患者会によると、異議申し立ては熊本、鹿児島両県で計168人になった。

 熊本県天草市河浦町の田中憲男さん(63)は申し立て後に「県はヒアリングだけで非該当にしたが、せめて公的検診はしてほしい」と話した。

●水俣病訴訟、3月15日弁論 最高裁、判断枠組み統一か
         産経 2013.1.17 22:18
 熊本県が水俣病の患者と認定しなかったのは不当として、同県の女性の遺族と大阪府の女性が、県を相手に棄却処分の取り消しと認定の義務付けを求めた2訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(寺田逸郎裁判長)は17日、3月15日に弁論を開くと決めた。

 裁判での水俣病認定の在り方について、2訴訟の二審は判断が分かれている。
上告審判決では統一した枠組みが示される可能性があり、未認定患者の司法救済に影響を与えそうだ。


●水俣病認定基準の誤り判示を 最高裁に要請文
           熊本日日  2013年03月15日
 最高裁への要請文を提出する中央大の細谷孝講師(中央)=15日午前11時35分ごろ、最高裁前(小野宏明)

 水俣病の認定義務付けを求めた2件の訴訟上告審で口頭弁論が開かれるのを受け、両訴訟の支援団体は15日、国の認定基準の誤りを判示し、認定義務付けを命じる判決を求めた要請文を最高裁に提出した。

 訴訟は、申請を棄却された水俣市の女性遺族と大阪府豊中市の女性が、熊本県に認定を求めて提訴。複数症状の組み合わせを求める認定基準の妥当性をめぐり、2高裁の判決で判断が割れている。

 要請文は、「チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム実行委員会」と「東京・水俣病を告発する会」などが呼びかけ。文化人や学識者ら約330人が賛同し、作家の石牟礼道子さんや環境ジャーナリストのアイリーン・美緒子・スミスさんらが名前を連ねた。

 15日午前、賛同者代表の細谷孝・中央大講師が最高裁に要請文を提出した。両訴訟の口頭弁論は同日午後、最高裁第3小法廷で開かれる。(鎌倉尊信)

●水俣病認定手法、統一判断へ 4月16日に上告審判決
             産経 2013.3.15 23:07
 熊本県が水俣病の患者と認定しなかったのは不当として、大阪府と熊本県の女性の遺族が処分の取り消しと認定義務付けを求めた2訴訟の上告審弁論が15日、最高裁第3小法廷(寺田逸郎裁判長)で開かれ、結審した。判決期日はいずれも4月16日に指定された。

 2訴訟の2審判決は、水俣病患者かどうかを異なる手法で判断しており、最高裁が統一判断を示すとみられる。

 国は昭和52年、認定には手足の感覚障害や運動失調など複数の症状の組み合わせが必要とする判断基準(52年基準)を示した。弁論で原告側は「52年基準に医学的根拠はなく、個別の事情を考慮すべきだ」と主張。県側は「県の認定に不合理な点があるかどうかという観点から検討すべきだ」と述べた。

 大阪府豊中市の女性が認定を求めた訴訟では、平成22年、1審大阪地裁が52年基準を否定し、県に水俣病と認定するよう命じる判決を言い渡した。昨年の2審大阪高裁は、県の判断が不合理かどうかを審査。「国の基準は医学的知見に適合し相当」とし、女性側の逆転敗訴とした。女性は今月死去したため、遺族が訴訟を引き継いだ。

 熊本県水俣市の女性の遺族が起こした訴訟では、1審熊本地裁が平成20年、請求を全面的に退けた。昨年の2審福岡高裁判決は、52年基準を「十分であるとは言い難い」と指摘した上で、女性の生活環境などを独自に検討し、水俣病と認められると判断した。

●水俣病認定最高裁弁論 傍聴の関係者が評価
          (2013年3月16日 読売新聞)
 水俣病の患者認定を県に求めた二つの訴訟で、15日に行われた最高裁の口頭弁論。国の認定基準を巡る判断に注目が集まっており、熊本から訪れた多くの支援者が審理を見守った。

 熊本地裁で、国、県、チッソに損害賠償を求める訴訟を続けている水俣病被害者互助会(水俣市)の佐藤英樹会長(58)は、二つの訴訟を傍聴。「水俣病の被害者の声を最高裁に伝えた。いい弁論だった」と評価した。

 法廷では、判決日が、約1か月後の4月16日に決まったことを原告側弁護士が「拙速」と批判したのに対し、裁判長は「それは判決を見てから判断してほしい」と応じた。佐藤会長は「(判決に)期待できる一言だ」と述べた。

 同じく傍聴した熊本学園大水俣学研究センター長の花田昌宣教授は、「水俣病の認定制度を巡る国の施策を、司法が最終的に判断する裁判。重大な判断をするのに、判決まで1か月は短すぎる」と懸念した。

●水俣病:認定訴訟・最高裁弁論 原告、被告8人が意見 認定基準の是非争う /熊本
         毎日新聞 2013年03月16日
 水俣市の農業、溝口秋生さん(81)と、水俣市出身で大阪府豊中市の女性(今月3日、87歳で死去)がそれぞれ熊本県に水俣病認定を求めた訴訟の15日の最高裁口頭弁論。5人の裁判官を前に2件の訴訟で原告、被告側合わせて8人が意見を述べた。水俣などからも多くの患者や支援者らが最高裁を訪れ見守った。【西貴晴】

 口頭弁論は女性の裁判が午後1時半から、溝口さんが3時半からそれぞれ最高裁第3小法廷で約40分ずつあり、国が定めた水俣病認定基準などを巡ってやり取りが交わされた。

 女性の弁論では、代理人の田中泰雄弁護士(60)ら4人が国の水俣病認定基準を批判し「人権救済の最後のとりでたる最高裁がその名にふさわしい救済を図られるよう求める」と主張した。続いて被告の県側の代理人が認定基準を「現在の医学的知見に照らしても合理性を有している」などと訴えた。

 溝口さんの弁論では、原告の溝口さん自身が意見を述べた。今回の裁判で認定を求めた母チエさん(故人)が77年に亡くなった後、毎年命日前後に県に認定申請の結果を電話で問い合わせたが「検討中」の返事ばかりだったことや、棄却となったのがチエさんの死後18年もたってからだったことを挙げ、県の認定行政を批判した。

 溝口さんは「(溝口さんの勝訴となった)福岡高裁判決をそのまま認めて私の苦労を終わりにしてください。裁判が長すぎる。よろしくお願いします」と締めくくった。

 この後、溝口さんの代理人の山口紀洋弁護士(72)が「正義の判決をお願いします」などと述べた。4月16日の判決期日を決めて法廷を出ようとする裁判官に、山口弁護士が「あまりに拙速ではありませんか」と声を上げる場面もあった。

 溝口さんの意見陳述に先立ち、県側の代理人は認定基準の正当性を主張したほか、認定基準を満たさない被害者を対象に09年に施行された水俣病被害者救済特別措置法を引き合いに、行政が実施している「立法および行政施策全体の救済体系」の意義を強調した。

 最高裁には原告の支援者ら約100人が傍聴を目指して集まった。胎児性患者の一人で水俣市の永本賢二さん(53)は「僕たち患者はみんな溝口さんを応援している。最高裁は患者の立場に立った判決を出してほしい」と話した。熊本地裁で国や県、チッソに損害賠償を求めた裁判を争っている水俣病被害者互助会の佐藤英樹会長(58)は「国の誤った認定基準によって多くの患者が苦しめられてきた。最高裁はそれを分かってほしい」と語った。

 水俣病裁判で原告が最高裁で意見を述べるのは04年7月、水俣病関西訴訟の上告審で川上敏行原告団長(88)が意見陳述して以来。原告や弁護士らは弁論終了後、東京地裁で記者会見し、最高裁近くの砂防会館で報告集会を開いた。

   ◇
 原告支援者らは15日、最高裁に対し「水俣病について筋の通った最高裁判決を」と題した要請書を提出した。作家の石牟礼道子さんをはじめ、水俣や新潟の患者や支援者、各地の大学や市民団体の関係者ら300人余りが名を連ねている。

 要請書は今回の裁判について「(患者勝訴となった)2004年の最高裁判決の意義を踏まえぬ水俣病政策の誤りを断ち、歴史の審判に耐えうる判決を求める」としている。

 
◇救済制度今も混迷 異議申し立て、提訴の動きも 最高裁判断に注目
 水俣病認定を巡る訴訟を受けて作られた未認定患者の救済制度は今も混迷が続いており、最高裁の判断が注目される。

 国の基準を事実上否定した04年の水俣病関西訴訟最高裁判決で認定申請者が急増したため、09年に水俣病被害者救済特別措置法(特措法)が制定された。一定の感覚障害があれば一時金(1人210万円)や医療費が支給される。
 12年7月の締め切りまでに熊本、鹿児島、新潟の3県で6万5151人が申請。1995年の政治決着(一時金260万円などを支給)時の申請者約1万4700人を大きく上回った。

 しかし、特措法の救済対象から外れた申請者が、判定した3県に異議を申し立てるケースが相次いでいる。国の見解に従い、熊本、鹿児島両県は申し立てを却下するとしているが、新潟県は受理し判断が分かれている。対象外となった申請者側には提訴の動きもある。【澤本麻里子】



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