●第33回 原子力規制委員会
第33回 原子力規制委員会
日時:平成25年3月19日(火)9:30~ 11:30場所:原子力規制委員会庁舎 会議室A
●資料8-1 / 原子力発電所の新規制施行に向けた基本的な方針(私案)
基本的な考え方
○総論
安全の追及には終わりはなく継続的な安全向上が重要である、というのが原
子力規制委員会の姿勢である。
事業者は、原子力発電所の安全確保の一義的責任を負う。規制当局が、原子
力発電所の安全性に関する証明責任や説明責任を負っていると履き違えると、
安全神話に逆戻りしてしまう。
原子力規制委員会は、原子力発電所が規制の基準を満たしているか否かを確
認し、その結果により達成される安全レベルの説明を行うことを役割とする。
また、原子力規制委員会は、その時点での最新の科学的知見を反映し、かつ、
実現しうるものとして規制を定める必要がある。他方、事業者は、常に規制以
上の安全レベルの達成を目指す必要がある。この両者が相まって継続的な安全
向上が達成されることとなる。
なお、原子力発電所の再稼働を行うか否かは、原子力規制委員会の判断や事
業者の説明を基に、エネルギー政策当局や地元関係者が判断すべきことである。
○新規制の考え方
新規制については、施行と同時に混乱なく運用できるものでなければならな
い。また、バックフィットは、施行時の一度だけではなく、今後も繰り返して
実施していくものである。したがって、この新しい制度を定着させるため、明
瞭かつ普遍的なシステムであることが必要である。
資料8-1
新たな規制の導入の際には、基準への適合を求めるまでに一定の施行期間を
置くのを基本とする。ただし、規制の基準の内容が決まってから施行までが短
期間である場合は、規制の基準を満たしているかどうかの判断を、事業者が次
に施設の運転を開始するまでに行うこととする。
(施設が継続的に運転を行っている場合は、定期点検に入った段階で求める。)
それぞれの節目の時点以降、規制の基準を満たしていない原子力発電所は、
運転の再開の前提条件を満たさないものと判断する。
今回の新たな規制導入に当たっての取扱い
① 今年7月の新規制の施行段階で、設計基準事故対策及びシビアアクシデント
対策(大規模自然災害やテロに起因するものを含む)として必要な機能をす
べて備えていることを求める。
② シビアアクシデント対策やテロ対策の信頼性向上のためのバックアップ対
策については、施行後5年までに実現を求める。
今回は「新規制の考え方」でいうところの「規制の基準の内容が決まってか
ら施行までが短期間である場合」にあたるので、原子力規制委員会は、規制の
基準を満たしているかどうかの判断を、事業者が施設の運転を再開するまでに
行うこととする。
○ 7 月の新規制導入時点で稼働中のプラントの扱い
「新規制の考え方」と齟齬のない対応が必要である。また、安全性の確
認において例外はありえず、運転するに足るだけ十分に危険性が低いかど
うか、しっかりと確認することが必要である。
原子力規制委員会は、導入直後の定期点検終了時点で、事業者が施設の
運転を再開しようとするまでに規制の基準を満たしているかどうかを判
断し、満たしていない場合は、運転の再開の前提条件を満たさないものと
判断する。
ただし、今回は大幅な規制の基準の引き上げであり、通常のバックフィ
ット以上に丁寧な対応をする必要があると考える。
そこで、運転中のプラントが新基準をどのくらい満たしているのか把握
するための確認作業を、新基準の内容が固まった段階で速やかに開始す
る。この確認作業は、今後他の炉に対して審査をするためにも有効であ
ると考える。
そのうえで、安全上重大な問題があると認める場合には、原子力規制委
員会として停止を求める可能性がある。
新たな規制に合致した規制方法への移行
新たに要求するシビアアクシデント対策については、施設や機材の備えだけ
でなく、それらを使用して事故の進展を有効に防止するための事業者の運用や
体制、教育訓練なども重要な要素である。
従来の規制においては、基本設計、詳細設計、運転管理などの審査を段階的
に、言い換えれば細切れに実施してきた。しかし、シビアアクシデント対策を
新たに要求する以上、この手法は適切でない。
このため、事業者の負担にはなるが、設置変更許可、工事計画認可、保安規
定認可といった関連する申請を同時期に提出させ、ハード・ソフト両面から一
体的に審査することとする。
各種の検査は、これらの一体的な審査手続後に行うこととする。
※ 資料8-1については、原子力規制委員会での議論を踏まえて、修正されております。
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