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てらまち・ねっと



 昨夜、報道機関の記者から電話があった。
 「広島高裁で選挙無効の判決が出ました。
  判決は筏津裁判長で、どういう裁判長かと調べていたら、寺町さんの渡し船の(筏津裁判長の)判決が出てきました。
  2000万円を県に返せと訴えたことに1900万円を返せと判決されたんですよね。  
  筏津裁判長ってどんな人ですか?」
 という旨の問。

 私は、次の旨を答えた。
 「『選挙無効』の判決ですか! 筏津さんならわかるなぁ。
  きちっとこちらの訴えをとつずつ聞いてくれて、よく調べて、判断してくれます。
  渡し船の裁判の最後には、現場検証を認めてくれて、裁判官も現地にいって一緒に渡し船に乗り、(事務官が)ビデオも撮っていましたました。
  こちらの主張を論理的に判断し、証拠を一つずつ丁寧に見てくれました。
  (・・・以下略・・・)」

 以前、岐阜地裁にいた筏津(いかだつ)さんが広島高裁にいることは知っていたけど、今度の一票の格差訴訟の担当とは知らなかった。
 (読売新聞)  「選挙を無効とする」。筏津(いかだつ)順子裁判長が主文を読み上げた瞬間、法廷内は静まり返り、被告代理人ばかりか、原告の弁護士までが驚いた表情を浮かべた。
   「ここまで踏み込むとは思っていなかったので、『選挙無効』用のコメントは用意していなかった」

 
 判決の分かりやすい新聞記事を今日のブログに記録しておく。
 そして、同じ訴えの裁判の判決が、今日26日に全国7つの裁判所で言い渡される。
 注目度は極めて高い。
 
 ところで、渡し船の住民訴訟、岐阜地裁で6年以上かかったので裁判長も交代し3人にも。
 最初の裁判長は偏見に満ちて、こちらに対応していた。

 次の裁判長になって、そのころ『談合』に関する新しい最高裁判決が3つ続けて出たので、
 その判決を駆使して、こちら原告の「過去4年分のお金を返せ」の主張の正当性を展開した。
 その書面を読んだ裁判長は、
 「主張はよく分かりました。寺町さん、ご苦労様だったので、350万円で和解してはどうですか」と。
 
 もちろん、こちらは、その場で断った。
 「この事案の性質から、お金の返還は「過去1年分の支出を対象とするのが原則」の住民訴訟だけど、
  その例外として『過去4年分はダメだ」と判決に書いて欲しいからです」と申し上げた。

 この訴訟は、5年間ほどラウンドテーブル(会議室のような小さい法廷での話し合い形式)で続いた。
 ラウンドテーブルも渡し船訴訟は30分から1時間と長い日が多かった。
 それが、通常、1カ月から2カ月に一回開かれる。

 岐阜地裁に筏津裁判長がいた確か3年間は、筏津裁判長ともずいぶんといろいろと話し合った。
 被告らを外に出して、筏津裁判長ら裁判所関係者とこち原告との話し合いも何度もあった。
 「和解」を勧められたこともあった。
 もちろん、前記同様に、和解は拒否。

 その筏津裁判長が私たち県民の訴えの殆どを認めてくれた「渡し船」事件とは以下。

 岐阜県及び愛知県は、単独あるいは共同で県営(無料)渡船事業を行っている。
 しかし、この多く(岐阜市の「小紅の渡」を除く)は、殆ど利用のない実態。
 それにもかかわらず周年全日執務した、として多額の委託料等が支出され続けて来た。
 この“カラ”業務というしかないにもかかわらず、常時勤務したとして虚偽の業務報告をし、県もこれを黙認してきたというしかないので
 私たちが名付けていわく「カラ渡船」。

 業務報告が事実と異なるように故意、秘密裏に粉飾されていたから、極めて悪質であり、
 同時にこれらを県民が知ることは困難で、正当な理由があるので、
 1999年6月から過去4年分と1999年の予算分約2000万円について住民監査請求、住民訴訟とした。

 関連データは以下など。
2007年5月31日のブログ ⇒ ◆岐阜県海津のカラ渡船・委託料の住民訴訟、勝った!それも大部分が認められた。気持ちいい判決文の速報

2005年7月16日のブログ ⇒ ◆県営カラ渡船の住民訴訟。 裁判所による渡船の現地検証。世界ボート選手権の開催地。長良川河口堰近く

2007年6月1日ブログ ⇒ ◆海津の渡船の岐阜地裁の判決の報道から

2007年9月29日のブログ ⇒ ◆海津と県職員は控訴。県営カラ渡船の住民訴訟。控訴審が開かれた

2008年1月25日のぶろぐ ⇒ ◆カラ渡船の住民訴訟/こちらは控訴審でも和解を断り続けた/控訴審判決言渡し、3月14日

2010年7月2日のブログ⇒ ◆最高裁決定で勝訴判決の確定/県営渡船の委託料/カラ渡船事件

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●昨年衆院選は「違憲」無効 広島高裁、やり直しを命令
             スポニチ  2013年3月26日 
 最大2・43倍の「1票の格差」が是正されずに実施された昨年12月の衆院選をめぐる全国訴訟の判決で、
広島高裁(筏津順子裁判長)は25日、小選挙区の区割りを「違憲」と判断し、広島1、2区の選挙を無効とした。無効の効果は「今年11月26日の経過後に発生する」とした。

 同種訴訟の無効判決は初。直ちに無効とはならないが、格差の抜本的な是正に乗り出さなかった国会に、司法が選挙のやり直しを命じる異例の事態となった。一連の訴訟で小選挙区についての判決は8件目で、違憲判断は6件目。

●クローズアップ2013:衆院選、無効判決 政治の放置、限界
          毎日新聞 2013年03月26日
 
各高裁・支部の判決結果

12年衆院選を巡る25日の広島高裁判決は、「将来の選挙無効」を突きつける内容となった。「最高裁の違憲審査権も軽視されている」と述べ、「1票の格差」是正に向き合わない国会に対する不信が限界を超えたことの表れと言える。各地の高裁、高裁支部に提訴された計16件の訴訟のうち、今回の無効判決を含め8件が言い渡され、1票の最大格差2・43倍で行われた衆院選を「合憲」とした判断はまだない。広島高裁判決の「衝撃」が、永田町を揺さぶった。

 ◇是正期間を厳格化 最高裁判断に影響も
 昨年衆院選の「1票の格差」を巡っては、二つの弁護士グループが全国8高裁、6高裁支部に提訴していたが、「選挙無効」が出るか否かが最も注目されていた。政府関係者は「可能性はあると思っていたが、まさか本当に出してくるとは」とため息をついた。無効判断以外にも5件の「違憲」と2件の「違憲状態」判決が出ており、最高裁の統一判断に一定の影響を与える可能性が高い。

 「一定期間が経過した後に無効の効力が発生する判決も検討の対象」。計16件の訴訟で最初の判決となった6日の東京高裁判決も「将来の無効判決」の可能性に言及したが、「今後、投票価値の平等にかなう区割りに是正される」などとして、無効判断を回避した。

 選挙無効訴訟は(1)格差が憲法の求める選挙権の平等に反するか(2)是正のための合理的期間を過ぎたか−−の2段階で違憲性を判断する。格差が平等に反しても、まだ是正期間内と判断すれば「違憲状態」、期間を過ぎていれば「違憲」となる。

 最高裁が中選挙区制度下の衆院選で示した2度の違憲と2度の違憲状態判断は、いずれも最大格差3倍以上だった。ところが、小選挙区制に移行して初めての違憲状態判断(11年3月)は、09年衆院選の最大格差2・30倍を問題視した。厳格化の背景には、国会の遅い対応に従って、合憲ラインが次第に低くなっているとの見方が強い。

 こうした中、先の衆院選は、09年衆院選と同じ区割りで実施されたため、今回の16件の訴訟では(1)は主な争点ではなく、(2)を判断した上で、無効とすべきかどうかが焦点となっている。

 札幌高裁の違憲判決(7日)は(2)について「11年3月の最高裁判決から選挙まで1年9カ月もありながら、この間に国会が実現したことは必要最小限の(制度)改定にとどめようとするものに過ぎない」と批判。一方で名古屋高裁の違憲状態判決(14日)は「最高裁判決後、各党間の協議や法案審議がなされていた。ねじれ国会だったことを考慮すると、一概に国会の怠慢と非難することは相当でない」と、ある程度肯定的にとらえた。高裁の裁判官の間でも温度差が生じていると言えそうだ。

 今後、最高裁で無効判決が出るとどうなるのか。

 現実に国政選挙の無効が確定したケースはなく、失職対象や、失職議員の当選後の議員活動の扱いなどの法解釈はあいまいだ。広島高裁判決は2選挙区を対象とし、2議員だけが影響を受けるが、最高裁が統一判断するのは16件31選挙区。無効判決が確定すれば、失職議員が拡大する事態につながる。議決などの議員活動については失職前のものは有効とする学説が主流と言われるが、明確な法規定はない。【石川淳一】

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 ■ことば
 ◇1票の格差
 議員1人当たりの有権者数を選挙区ごとに計算し比較した倍率。選挙区の区割りによって、人口が集中する都市部より、地方の方が1票の価値は重くなる。昨年12月の衆院選では、有権者が最も多い千葉4区と最も少ない高知3区との格差は2.43倍だった。高知3区の有権者1人が1票を持つのに対し、千葉4区の有権者は2.43人で1票を持つ計算になる。

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 ◆訴訟対象の小選挙区と当選議員
 ・・・・・・(略)・・・

●画期的か非現実的か…1票格差、選挙無効に衝撃
           (2013年3月26日07時13分 読売新聞)
 「もはや憲法上、許されるべきではない」。衆院選の「1票の格差」を巡り、選挙の無効を言い渡した25日の広島高裁判決。
 「出るはずがない」と言われてきた初めての無効判決に、格差是正を求め続けてきた原告側は「画期的」と歓迎したが、地元の政党関係者は「非現実的だ」と反発、各方面に衝撃が広がっている。

 ◆原告団 
 「選挙を無効とする」。筏津(いかだつ)順子裁判長が主文を読み上げた瞬間、法廷内は静まり返り、被告代理人ばかりか、原告の弁護士までが驚いた表情を浮かべた。

 「ここまで踏み込むとは思っていなかったので、『選挙無効』用のコメントは用意していなかった」


 閉廷後、広島市内で記者会見した原告団の金尾哲也弁護士は満面の笑みを浮かべながら、「うれしい誤算」についてこう明かした。裁判所前で掲げる「勝訴」の紙も用意していなかったという。

 それでも、「本来の司法権の役割を明確に打ち出してくれた」と判決を高く評価。判決が、今年11月27日から選挙が無効となるとした点について、「我々の望み以上に短い期間。国会議員は襟を正して是正に取り組むべきだ」と訴えた。

 同席した石井誠一郎弁護士も、これまで区割りを是正してこなかった政治を批判し、「違憲状態とした2011年の最高裁判決から前回選まで、国会の会期は479日あった。考える期間を裁判所が与えていたのにできなかった」と指摘した。

 ◆当事者
 衆院広島1、2区で選挙戦を戦った当事者たちは、複雑な表情で受け止めた。

 「厳粛に受け止めなければならない」と言葉少なに語ったのは、広島1区選出の岸田文雄外相。同2区選出で自民党の平口洋衆院議員は「区割りのあり方を議論していかないといけない」とした一方で、「広島1、2区だけ(1票の格差が)突出しているわけではない。『司法は踏み込みすぎだ』という議論も出るのではないか」と苦言も忘れなかった。同党広島県連の宇田伸幹事長も、「内政や外交で課題が山積するなかで、再選挙を求めるのは非現実的」と批判した。

 落選者からは「やり直し」を求める声も上がった。
広島1区から民主党公認で立候補した野中幸市さんは「裁判の結果を軽んじることは、国民の意思を軽んじること。格差を正したうえで、選挙をやり直すべきだ」と強い口調で語った。


●1票の格差 きょう7か所で判決
       NHK 3月26日
去年の衆議院選挙で選挙区ごとの1票の価値に最大で2.43倍の格差があったことについて、広島高等裁判所は25日、国政選挙を無効とする戦後初めての判決を言い渡しました。
同じ訴えの裁判の判決が、26日は全国7つの裁判所で言い渡されることになっていて、国会に対し、格差是正を迫る判断が続くものとみられます。

1票の格差が最大で2.43倍あった去年12月の衆議院選挙について、弁護士などの2つのグループが全国14の裁判所で選挙の無効を求める訴えを起こしています。
このうち、広島高等裁判所は26日、「格差によるゆがみは重大で、もはや憲法上許されない」として憲法違反だと判断したうえで、選挙を無効とする判決を言い渡しました。
一方、選挙をただちに無効にすると弊害が大きすぎるとして、去年、小選挙区を5つ減らす「0増5減」の法律が成立し、区割りの改定作業が始まってから1年が経過することし11月27日に判決の効力が生じるという条件をつけました。

国政選挙が無効とされるのは戦後初めてで、これまでに言い渡された8件の判決は、「違憲で無効」が1件、「違憲」が5件、「違憲状態」が2件となりました。

一連の裁判では26日、東京、大阪、広島、岡山、松江、宮崎、那覇の7か所の高裁や高裁支部で判決が言い渡されることになっていて、これまでと同じように国会に対し格差是正を迫る判断が続くものとみられます。
再び、「選挙無効」の判断が示されるかどうかは、裁判所が格差是正に向けた国会の取り組みをどう評価するかが焦点になります。

判決について最高裁の元判事の泉徳治さんは、「今後も憲法違反の判断は各地で続くとみられる。国会は『0増5減』にとどまらず、都道府県別の定数を人口に完全に比例して配分するよう、速やかに法律を改正することが必要だ」と指摘しています。
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