マスククリアは、ぼくを含めた初心者ダイバーにとって、苦手なスキルのひとつかもしれない。
マスククリアとは、水がはいってしまったマスクの中を鼻からの息でいっぱいにして、水を追い出すことだ。そのやり方はいたって簡単。
息がマスクの上側から漏れないように、マスクの上部を額に軽くおさえつけて、ゆっくりと鼻から息を吐く。
これで、マスク内に息が充満し、やがて行き場のなくなった水がマスクの下側から外に押し出される。たったこれだけ。
この時、鼻から息を吐きながら顔を徐々に水面に向けるようにすると、マスク内の水を 完全に押し出すことができる。
ダイビングの教習で最初の方でやらされる基礎的な実技課題でもある。この教習の時、マスクに水を入れるためにマスクの下側を顔から浮かすのだが、いざ、マスククリアの時にテンパっちゃうと、水を追い出しているのか、マスクに水を入れているのか・・・・・・。
水を追い出しやすくするようにとマスクの下側を顔から浮かし強く鼻から勢いよく息を出すと、水圧のかかった水中では逆に水がマスクの中に入ってくる。また、勢いよく息を出しても無駄に呼気がマスクから逃げるだけとなり、何回マスククリアをやっても、マスクの中に水が残ったままになってしまう。
このように、初心者ダイバーにとっては苦手なスキルだから、水の入ったぼくのマスクを見て、イントラが条件反射のようにマスククリアしろとハンドシグナルを送ってくるのも無理はないかもしれない。
このマスククリアの教習。イントラたちは、起こり得るあらゆる事態に備えて心の準備をするらしい。それにもかかわらず、人間の想像の限界を超えるツワモノはいる。
”マスククリアとは、水がはいってしまったマスクの中を鼻からの呼気でいっぱいにして・・・・・・”
何を思ったのか、口から息を出してマスククリアする人。しかも、完璧にクリアするらしい。でも、どうやって？レギュは口からはずすの？
”マスククリアとは、水がはいってしまったマスクの中を鼻からの呼気でいっぱいにして・・・・・・”
マスクから泡が漏れることなしにマスククリアできる人がいるらしい。じっくりと見ていると、マスクの中の水がすうっと無くなっていくらしいのだが・・・・・・。
そりゃ、どうにも変だろう。なので、一応、確認。
「マスクの中の水を吸ってません？」
聞かれた当人は、＜絶対吸ってません＞との返事らしい。
映画「ウォーター・ワールド」でケビン・コスナーが、耳の後ろにエラがあるミュータントを演じていた。きっと、そんな能力がある人がいるのかもしれない。でも、そうすると、わざわざタンクを背負う必要があるか？どうなんだろう。
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