40mオチ。しかも、酸素酔い。そして、そこからの生還。これに比べれば、tetujinの遭遇したトラブルは、トラブルとは言えない、ほんの些細な出来事だ。
初の海外ダイブ@モルジブ。当時のぼくにとって、モルディブはまさにダイビングの聖地だった。宿泊は「クラブメッド」のモルディブカニフィノール。クラブメッドの良いところは、“オールインクルーシブ"。朝・昼・晩の食事に加えて、イベントや、ほとんどのスポーツアクティビティが宿泊料金に含まれていた。
ダイビングの日の朝一番には、日本から持参した3mmのシーガル(ウェットスーツ)とフル装備を装着。入念なウェート調整が行われた。穏やかな入り江のビーチエントリーで、深さ1m程度の海中。現地駐在の日本人インストラクター2人がかりで抱えられ、ウェートを付けて、肺の空気の出し入れをする。
うまくウェートが合えば水底につけたフィンを支点にして、呼吸だけで体が水面から沈んでいったり、水面に戻ったりというフィンピボットができるようになる。これが、中性浮力が取れている状態。すなわち、浮きもせず、沈みもせずに、ちょうどよい浮力ということ。
この浮力調整時に、それぞれのダイバーのダイビングスキルも見ているらしい。
ウェートの調整が終われば、ボートに乗ってダイビングポイントへと移動。いよいよ、モルディブの真っ青な海へ。
ボートに積んだタンクが、ボートボーイの手によって、それぞれダイバーたちに渡される。ボートボーイは、まだ10代の若者だった。
黒檀のような輝く肌の色。インド系特有のほりの深い顔をしたボートボーイが、ぼくの顔を見て微笑む。親指を立てて、「Have fun!」とでも言いたいのだろうか。彼が、きれいな銀色の真新しいタンクをぼくに手渡してくれた。ぴかぴかのタンク。数ある古ぼけたタンクの中から、とっておきのきれいなタンクを選んでくれたんだ。(明日へ続く。)
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