tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

NOと言える勇気(1)

2008-12-17 20:35:12 | プチ放浪 海沿い編

 

先の下田ダイバーズのクリスマスパーティ。顔を合わせたダイバーたちの話題は、やはり、ダイビングの話に行き着く。海の中へエントリー早々、他のダイバーにレギュレータを蹴られて、レギュが外れて口にはマウスピースだけになってしまったヒヤリ・ハットとか、南アフリカで潜って、スチールタンクを背負ってガイドに8kgのウェートを着けさせられて死にそうになった話とか・・・・・・。

1kgのウェートをベルトに8個。ベルトにズラ~とならんだ鉛のブロック。ベルトを腰に巻きつけるのも困難な状況でボートからエントリー。普段、日本で2kg程度のウェートの彼は、当然のことながら、水深40mの水底まで急潜降。一人だけ他のメンバーよりも10mも下層でジタバタ。強いカレントがあり、水深40mに落下した彼は、みんなとはぐれてとうとうロストに。一緒に潜った日本人バディは、彼の落下とそれに続くロストに対してなすすべがなく、考えていたのはただひとつ。彼の家族に彼の人生をどう伝えるのかだったらしい。というのも、現地ガイドは英語しか話せないので、なにかあれば、日本人のバディが状況を説明することになる。

40m落下の彼。必死でキックして浮上。ガイドを含めた他のメンバーたちは、この非常事態に対応して、30mぐらいの水深から徐々に浮上して、安全停止せずに、水面へ。緊急事態なのだ。ところが、やってきたボートをふと見ると、40mまで急落下したそのダイバーがすでに乗船してたとのこと。

エンリッチドエア(酸素分圧が高い)タンクだった。彼はその40mの水深で、酸素酔いから幻覚(美女が水中で踊っていたそうな)を見たらしい。自分の異常に気がついて呼吸を止めたところ、意識が正常に戻ったとのことだ。そして、浮上速度を守って浮上。ただし、ほかのダイバーたちがボートに上がった時に、彼はすでにボートの中だったというから、どういう浮上だったのだろう。

彼が言うように、彼に8kgものウェートを背負わせた現地ガイドは、彼を亡き者にしようとする意図があったのだろうか。当の現地ガイドは、ボートに現在の位置を知らせるためのブイにつないだロープを持っていたので、それ以上の潜降は無理。落下した彼を見放して、チームを引き連れて浮上するしかなかったらしい。
酸素酔いになれば幻覚を生じて、思わずレギュを口から離してしまう。
紙一重で、彼はなんとか生還した。ボート上で、彼の無事を確認し、泣き出したチームメンバーもいたらしい。
いまでこそ、笑顔で話しているのだが、笑うよりも前に、なぜこんな事態になったのかと唖然とするしかない。
実際、外人のダイバーは、オーバーウェート気味で潜る。ウェートが多い分は、BCという浮力を調整するジャケットで浮力を確保すればよいという考え。一方、日本のイントラは、ドロップオフでの急落下に備え、オーバーウェートを徹底的に嫌う。文化の違いなのだろうか?
いずれにせよ、オーバーウェートを平気で要求する強気の現地人ガイドに対し、「ノー!」と言える勇気を持つ必要がある。
でも、酸素酔いで美女が舞う幻覚が見れるなら、一度ぐらいなら・・・・・・以下、自粛。
40mオチ。しかも、酸素酔い。そして、そこからの生還。もう、ネタが大きすぎて、これ以上のオチは・・・書けない。


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