今朝の読売新聞で『「円仁の石板」偽物の可能性』とのタイトルで、先月に公表された法王寺(河南省登封市)新発見の石板は、寺側が所有している拓本とは別物であるが分かったと報じている。指摘したのは書道史研究者の飯島太千雄さん。
①公表された石板の写真(文字面縦約40cm、横約59cm)と ②栃木県大慈寺に法王寺から贈られた拓本(文字面縦38cm、58cm)では、文字面の大きさに差がみられること、そして、外枠の文様と文字の間隔が異なるとしている。
①は、法王寺の門の右横の塀にほかの石板とともに嵌め込まれており、入り口から右側2番目、上段に「円仁の石板」がある。
②は、出版されたほうの拓本としているので、香港延仏国際慈善基金会発行『大法王寺国宝仏骨舎利』の中にもある拓本と推定される。
①は、中国网络电视台からインターネットで動画配信されている「法王寺古刹秘史」から、その石板の映像が得られた。
②は、7月16日(金)に國學院大學にて行われた、「第11回入唐求法巡礼行記研究会」(注1)の報告会にて配布されたA3資料と同じ推定される。
①、②を比較すると、確かに前述のとおりであるし、一番初めの文字『釋』と外枠の文様との位置関係が大きく違っていることがわかる。
飯島さんは、「石板は捏造品を作るための試作品とその完成品なのではないかと」と推測している、とする。
「円仁の石板」は舎利物の発掘調査で見つかったものでなく、十数年前前後に寺の人間によって出土し、価値がわからずしばらくそのままになっていたとし、さらに、出土時に担当していた僧侶が亡くなっていて追跡が難しいようだが…。
[参考:読売新聞、(注1)での配布資料、中国网络电视台・動画「法王寺古刹秘史」]
「円仁の石板」偽物か、寺出版の拓本と別物(読売新聞) - goo ニュース
過去の関連ユース・情報
2010.7.16法王寺/釈迦舎利蔵誌と円仁、迦陵頻伽盒
①公表された石板の写真(文字面縦約40cm、横約59cm)と ②栃木県大慈寺に法王寺から贈られた拓本(文字面縦38cm、58cm)では、文字面の大きさに差がみられること、そして、外枠の文様と文字の間隔が異なるとしている。
①は、法王寺の門の右横の塀にほかの石板とともに嵌め込まれており、入り口から右側2番目、上段に「円仁の石板」がある。
②は、出版されたほうの拓本としているので、香港延仏国際慈善基金会発行『大法王寺国宝仏骨舎利』の中にもある拓本と推定される。
①は、中国网络电视台からインターネットで動画配信されている「法王寺古刹秘史」から、その石板の映像が得られた。
②は、7月16日(金)に國學院大學にて行われた、「第11回入唐求法巡礼行記研究会」(注1)の報告会にて配布されたA3資料と同じ推定される。
①、②を比較すると、確かに前述のとおりであるし、一番初めの文字『釋』と外枠の文様との位置関係が大きく違っていることがわかる。
飯島さんは、「石板は捏造品を作るための試作品とその完成品なのではないかと」と推測している、とする。
「円仁の石板」は舎利物の発掘調査で見つかったものでなく、十数年前前後に寺の人間によって出土し、価値がわからずしばらくそのままになっていたとし、さらに、出土時に担当していた僧侶が亡くなっていて追跡が難しいようだが…。
[参考:読売新聞、(注1)での配布資料、中国网络电视台・動画「法王寺古刹秘史」]
「円仁の石板」偽物か、寺出版の拓本と別物(読売新聞) - goo ニュース
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