歴歩

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渋川市・金井東裏遺跡 2つ目の甲(よろい)、大小20以上の足跡が見つかる

2013年04月24日 | Weblog
 群馬県埋蔵文化財調査事業団は23日、古墳時代後期の甲を着た人骨が全国で初めて見つかった金井東裏遺跡で、2つ目の甲を発掘したと発表した。 ともに6世紀初頭の火山灰の地層から見つかり、近くの榛名山二ツ岳の噴火で火砕流に巻き込まれたとみられる。
■ 二つ目の甲は、人骨から約1mの距離で掘り出され、甲と人骨の間には鉄鏃が十数点落ちていた。
 二つ目の甲をCTスキャンすると、小さな鉄板(小札、こざね)を紐で綴じた構造が確認され、2つとも、「小札甲(こざね甲)」であった。
■ 甲を着た人骨についても詳細に調べたところ、大腿骨の長さが約43cmであり、身長は約163cmと推定される。 当時の成人男性の身長としては、標準的という。 人骨は膝を折った状態で見つかったが、両足はつま先立ちのような姿勢で倒れていたことも分かった。
■ 人骨から約100m南にある同時期の地層からは、幅1.5m、長さ8mの空間に人の足跡が大小20以上見つかった。 いずれも裸足で、足の指の形がくっきりと残され、大きいもので約23cmあった。 足跡の多くが噴火した榛名山と逆方向を向いており、火砕流から逃げている時の足跡である可能性が高いとみている。 火山灰が降り積もった後の地層にあったため、噴火が始まってからも、周囲を人が歩いていたとみられ、興味深いとしている。
[参考:上毛新聞、朝日新聞、読売新聞、東京新聞、毎日新聞]

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