歴歩

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平城京跡で数回の巨大地震の痕跡が見つかる。

2018年08月26日 | Weblog
 今月8月25日の読売新聞では、「平城京跡で4回の巨大地震の痕跡、南海トラフか」、そして、7月21日の産経新聞では「南海トラフ? 平城京を襲った巨大地震の遺構を発見」と報じている。
 調査地が同じかと思ったが、前者は平城京の西に隣接する、6月に新庁舎が完成した奈良文化財研究所(奈良市二条町2丁目9-1)の建設中の現場であり、後者は、2016年に調査した平城宮朱雀門跡の南約100mの地点である。
前者は、3回の痕跡が見つかっている。
 1-1. 8世紀前後の平城宮造営の頃。
 1-2. 平安時代の9~12世紀
 1-3. 室町時代の14世紀頃。正平16年(1361)6月24日の正平南海地震(推定のマグニチュード(M)8・4前後)が知られる。

後者は、4回の痕跡が見つかっている。
 2-1. 684年の白鳳地震
 2-2. 887年の畿内・七道地震か、938年の京都・紀伊地震
 2-3. 1707年の宝永地震か、1819年の伊賀・近江地震
 2-4. 1854年の安政東海・南海地震か、同年の伊賀上野地震の可能性が高いと判明した。

 両者を合わせてみると、6回以上の痕跡が現れたことになる。

[参考:1918.7.21産経新聞、1918.8.25読売新聞]

過去の関連情報・ニュース
2014.8.23産経新聞
 奈文研の庁舎建て替え現場で、地震による液状化現象で地下から砂や水が噴き出す噴砂(ふんさ)の跡が見つかったと発表した。8世紀以降と14世紀以降の2回起きており、南海トラフ巨大地震の痕跡とみられるとしている。



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