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奈良県吉野町・金峯山寺・蔵王堂 建立当初の瓦か 建立時期を考古学的に裏付け

2009年03月14日 | Weblog
 県立橿原考古学研究所が13日、吉野の金峯山寺で、建立当初の本堂「蔵王堂」(国宝、16世紀)に葺いたとみられる平安時代後半(11-12世紀)の瓦が大量に出土したと発表した。
 現在の蔵王堂は檜皮(ひわだ)葺きで、瓦は創建時のものとみられる。この時代の山中に瓦葺きの建物があるのは極めて珍しいとする。
 蔵王堂の建立は、文献から11世紀末-12世紀初めとする説があったが、はっきりしていなかった。同研究所は「年代が合致しており、建立時期が考古学的に裏付けられた」とする。
 寺の記録「金峯山創草記」によると、蔵王堂での行事、曼荼羅供養が康和年5年(1103)に始まったとされる。別の文献には、寛治6年(1092)に白河上皇(1053-1129)が金峯山に詣でたとの記述があり、上皇の発願でこの間に蔵王堂が建てられたと想定されていた。
 瓦は現在の蔵王堂の西側の軒下で13世紀に整地された場所から、幅1m、長さ5mの範囲から平瓦、丸瓦、軒平瓦の破片約200点が出土した。型式や製法などから平安後期の製造と特定した。
 蔵王堂はこのころに2回焼失したとの記録があり、どちらかの再建の際に捨てられたらしい。
 金峯山寺は7世紀後半に修験道の開祖・役行者が開いたと伝わる。現在の蔵王堂(高さ34m、36m四方)は1592年に再建された。鎌倉時代の嘉禄元(1225)年の火災で焼失した記録があるほか、それまでに少なくとも4回は焼けたとされるが。
[参考:産経新聞、共同通信、朝日新聞]
平安の瓦出土、蔵王堂創建時のものか 奈良・金峯山寺(朝日新聞) - goo ニュース

蔵王堂の西側をアップしました。
蔵王堂・西側

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