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徳島市/庄・蔵本遺跡 出土した雑穀種子は、アワやキビの種子と判明

2010年03月08日 | Weblog
 徳島大埋蔵文化財調査室は5日、弥生時代の集落遺跡「庄・蔵本遺跡」(徳島市蔵本町)で発見された種子が同時代前期(約2500年前)のアワやキビと判明したと発表した。当時からアワの栽培が行われていたことがわかり、吉野川流域での畑作の起源を考える貴重な資料とし、『阿波』の国名の由来とも関係があるのかもしれないとしている。弥生前期までの雑穀種子の年代が特定されたのは、滋賀県安土町の竜ヶ崎A遺跡(縄文時代晩期)に続いて西日本で2例目。
 同遺跡は徳大蔵本キャンパスにあり、同大学病院の西病棟新築工事に伴い、2006~07年に発掘調査。弥生時代前期の畑(約190㎡)が出土していた。同調査室が、畑から採取した雑穀種子(1~4mmほどで炭化)約500点の年代測定を進めていた。
 国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)に依頼して放射線炭素(AMS)法で鑑定した結果、弥生時代前期の種子であることが確定。イネは約10点だけで、多数がアワやキビで、他にマメやエゴマも含まれていたことがわかった。
 畑跡のそばには水田跡もあり、弥生前期に水田と畑を併用した農耕が行われていたと推測。種子は通常なら腐って残らないため、焼土を精査し炭化した種子を採取した。
 弥生時代の農業は稲作中心と考えられてきたが、栽培の難しいイネだけに頼らず、雑穀を植えることでリスク分散を図る意味合いもあったのではとみている。
 吉野川流域は『阿波』(あわ)の旧国名の通り、古代から畑作を軸とする農業が見られ、その起源が弥生時代に遡ると推定できるという。
 同大日亜会館(徳島市新蔵町)ガレリア新蔵1階ギャラリーフロアでは、「発掘 徳島大学」展が平成22年3月2日~3月16日の期間で開催されており、調査結果を紹介するパネル展示がされている。3月末に刊行予定の年報でも紹介する。
[参考:読売新聞、徳島新聞、産経新聞]

過去の関連ニュース・情報
■2007.3.9 庄・蔵本遺跡 弥生前期の畑が見つかる
 徳島大学埋蔵文化財調査室が8日、庄・蔵本遺跡で弥生時代前期の畑跡(東西約17m、南北約11m)を発見したと発表した。
 弥生時代前期の畑跡が見つかったのは、三重県松阪市の筋違遺跡(すじかいいせき)と福岡県小郡市の三沢蓬ケ浦遺跡(みさわふつがうらいせき)に続いて、全国で3例目。
 周辺ではこれまでに同時期の環濠集落と水田の跡が確認されている。 [参考:徳島新聞]

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