先月27日に、「平成28年度開設予定の大学の学部の設置等に係る答申について」が文部科学大臣に提出された。その中で、東北薬科大学が医学部を設置することが「可」とされた。
朝日新聞ウェブサイト8月1日付記事によれば、政府は薬科大とは別に、医学部の開設を認め、’17年度にも開学する方針であるとのこと。注目して後追い記事を待っていたのだが、見つからないのでそろそろアップする。記事では以下のようにまとめられていた。
国家戦略特区に指定の千葉県成田市に、大学医学部を新設する方針を発表。文部科学省告示の改正などを検討。(7/31付)
早ければ、’17年度にも開学する。国際医療福祉大が参入(医学部の設置)意思を示している。*
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記事にも出ていたのだが、基本的に医学部新設は文部科学省の告示により認められていない。東北地方に医学部設置を認めた東北薬科大学のケースは、例外的なもの。告示改正ということになれば、恒常的に医学部の設置認可申請ができることを基本とするのか。それでいいのだろうか。
この件、なんだか「設置ありき」の印象を受ける。お医者さんを「育成する」がきちんと見えなくては、ダメである。『一般の臨床医の養成などを主な目的とする従来の医学部とは異なり、「国際的に活躍できる医師の養成」をめざした教育』を行うということだが、ゴール設定はそれでいいのだろうか。ちゃんとしたお医者さんを作れて初めて「活躍」である。『多くの科目で英語による授業を実施する。』『全学生が海外での臨床実習を十分に経験できるようにする。』『感染症や予防医学などの公衆衛生に携わる専門職を養成するための大学院も設置する。』等々、その前に何か大事なことをを忘れている。そんな気がする。
ごちゃごちゃ言わずに、堂々と普通に作るべきである。
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*平成27年度、千葉県成田市に大学キャンパスを構えている大学・短期大学はない。参入意志を示しているとされる、国際医療福祉大学が新たに以下の学部を来年4月にスタートさせる。
成田看護学部
・看護学科(100名)
成田保健医療学部
・理学療法学科(80名)
・作業療法学科(40名)
・言語聴覚学科(40名)
・医学検査学科(80名)