関連記事が10日付、毎日新聞ウェブサイトに出ていた。前日9日、上田埼玉県知事が定例記者会見で文理佐藤学園の件で言及したとのこと。
毎日の記事によれば、以下の通り。
『学園は昨年度、県から約6億7千万円の補助金を受けた。上田知事は定例記者会見で「原資は税金。一切の不正は許せず、まして個人の使用は許されない」と述べ、学園の調査報告次第で今年度の補助金を削減する意向を示した。一方、国は昨年度、学園に約1億7千万円の補助金を交付しているが、今年度の対応については「報告書の提出を待ちたい」としている。
+++++ +++++
10日、埼玉県ウェブサイトに記者会見のテキスト版がアップになった。確認してみが、質問は以下の2項目である。
文理佐藤学園・学園長の海外出張における私的流用について
文理佐藤学園・学園長の海外出張における私的流用について(2)
一つ目と二つ目の間に別のことがらについて質疑応答が入っている。これらを読むと、赤字部分について知事は以下のように述べている。
『補助金の性格は県民、国民からいただいた税金ですので、公の金ですので一切の不正は許されない。いわんや個人の部分での使用というのは許されないというのが基本的な考え方であります。
『埼玉県としては、繰り返しますが高等学校、中学校、小学校、この部門に補助金を出しておりますので、これまでは適切な処理がなされていたことが過去の調査では明らかになっていますが、本当にそうだったかどうかについて再度調査をしているということであります。
『追加調査の結果次第によっては補助金の減額だとかそういったことも起こり得ると。あるいはまた9月末に交付する運営費補助金についてもしばらく留保するということもあり得るということです。調査が済み次第、こういったことが解除されるということになります。
知事会見では具体的な補助金の金額は出ていない。
+++++ +++++
あらためて記事を読み直すと、国の補助金よりも、県の私学助成(補助金)の方がはるかに高額である。前回取り上げた資料によれば、平成27年5月1日付で文理佐藤学園が運営する各学校に、以下の児童生徒学生が在籍している。
大学:1,624人
高校:1,297人
中学校:520人
小学校:431人
専門学校:481人(4校分)
合計:4,353人
昨年度の小中高への補助金額6億7千万円という金額が、平成27年度もほぼ同額とすると、どうなるか。昨年度の補助金額を、仮に昨年も今年と同じくらいの生徒数の場合、ひとりあたり30万円近い。これは直接的に児童生徒の教育活動に行くお金ではない。児童生徒の通う学校の運営法人に行くのである。やっぱり、はっきりするまで留保はやむを得ない。
9月12日の産経新聞ウェブサイトにも、『【衝撃事件の核心】 これが教育者なのか?! 文理佐藤学園令嬢の異常な金銭感覚 私的流用計1480万円、海外出張2年半で285日間、ホテル1泊7万円…』という同紙の川端仁志記者の署名記事がでていた。かなり手厳しい記事である。
同学園は設置する学校ごとに、今回の件について保護者説明会を開いている。保護者のインタビューを見ても、私的流用はもちろんのこと、学園長が入院*していることについても、疑義が提示されている。少なくとも本人が出てきて、学園の調査にきちんと応じ、埼玉県への報告書に埼玉県が「納得」できないと、運営費補助金の 交付はできないだろう。そうでないと、おさまらない。
児童生徒学生と守り、学園を守る方法は一つだけである。学園長を解職し、理事長も一時的にでも学園の運営を誰かに任せて退くことだ。学園長の病状が事実でも、世間から信頼してもらえていないことはわかるだろう。学園長をかばえばその分だけ傷が深くなる。もうそろそろ気がつかないと危ないだろう。
+++++ +++++
*「8月25日に室内で転倒して頭を打ち救急車で運ばれた。言葉をうまく話せない状態だ」(理事長)
2015-09-06、「なんですか、これは?」