司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

地方分権改革推進委員会

2008-03-11 01:14:02 | 司法書士(改正不動産登記法等)
第34回地方分権改革推進委員会議事録
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/dai34/34gijiroku.pdf

 地方分権改革推進委員会の第34回会議で、登記など法務局事務の地方自治体への移管問題が議論されている(32頁以下)。しかし、登記所統廃合が進む中で、地方自治体への事務移管など、正に本末転倒であろう。

「不動産登記は、ここに書いていますように、国民が安心して不動産取引を行えるようにするために、その適法性に関して法的判断を示すものであり、全国統一的な運用が強く要請されます。」

「登記ははるかに複雑多岐にわたるため、それをきちっと処理する、全国統一的に処理するためには、登記事務、その前提となる民法や商法等の実体法、それから訴訟法等の手続法に精通している職員でなければできません。」

「不動産登記法、商業登記法においては、登記官という専門的な能力のある職員が、独立して、自らの判断で、裁判官のように処理するという形になっています。」

「商業登記についても、不動産登記と同じで、設立、合併、新株発行等、重要な事項の適法性に関して判断を示すもので、全国統一的な運用が強く要請される一方で、特に最近の会社法の改正によって会社法制は非常に複雑な内容になっています。それを的確に処理するためには高度な知識がますます必要になってきていると言えます。したがって、不動産の場合と同じように、登記官という専門の職員が処理しているからこそ、適正、迅速な処理が確保できているのです。」

 上記の論は、登記所側のみならず、申請代理人側にも当てはまること。そして、資格者代理人と中立公正な登記所の適切なダブルチェックが働いているからこそ、適正、迅速な処理がなされ、かつ、登記という公示制度に事実上の公信力が付与されて、取引の安全が確保されているのである。

 登記所の適正配置により、地方自治体への事務移管問題など、撥ね返して欲しいものである。
コメント (1)