司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

債務整理事件における司法書士の代理権の範囲について(再掲)

2008-03-13 23:13:27 | 消費者問題
債務整理事件における司法書士の代理権の範囲について

Q.司法書士の代理権の範囲は、140万円以内だと聞きましたが、借金の総額が約300万円の場合、任意整理を司法書士に依頼することはできないのでしょうか?

A.たとえば、債務者がサラ金会社6社から約50万円ずつ借金をしており、総額が約300万円というケースの任意整理事件では、司法書士の代理権については、債権者ごとに各別に判断されます。したがって、司法書士が債務者の代理人として各債権者と交渉し、任意整理をすることが可能です。

【ポイント】
① 判断基準は、「残債務の額」ではなく、「弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益」。
② 複数の債権者との間で、債権者ごとに各別の和解契約をする場合は、債権者ごとに各別に判断。

【解説】
 最近、「司法書士の代理権の範囲は、140万円以内である」として、「借金の総額が140万円を超えている場合には、司法書士は代理人として債務整理事件を受任することはできない」との主張がまま見受けられるところです。しかし、債務整理事件について、司法書士が裁判外の和解について代理することができる範囲の判断基準は、法務省見解によれば、「残債務の額」ではなく、「弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益」によるものとされています。また、複数の債権者との間で、債権者ごとに各別の和解契約をする場合は、債権者ごとに各別に判断されるものとされています。
 したがって、たとえば借金の総額が約300万円であったとしても、個々の債権者に対する「弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益」の額が140万円以下であれば、司法書士が債務者の代理人としてそれらの各債権者と交渉し、任意整理(債権者ごとの各別の和解契約)をすることが可能です。

【参考文献】
 立案担当者による司法書士法の注釈書である、小林昭彦・河合芳光著「注釈司法書士法(第3版)」(テイハン)の法第3条第1項第7号の解説(116頁以下)を参照して下さい。
http://www.teihan.co.jp/new/newtitle0701.htm
コメント

事業承継支援ネットワーク

2008-03-13 19:09:40 | 会社法(改正商法等)
 本日は、近司連企業法務推進委員会で、中小企業基盤整備機構近畿支部の方をお招きし、同機構が構想されている事業承継支援ネットワークの体制づくりについて、お話を伺った。全面的にバックアップしていく方針である。

 事業承継支援ネットワークは、同機構各支部(全国8か所)において、各々体制づくりが進められており、各司法書士会、各ブロック会においても、ぜひ推進に協力して下さい。

 なお、先日、異業種の勉強会で、「中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律案の概要」についてお話したところ、質疑を通じて、いろいろな視点を与えていただいた。今年は、「事業承継」をテーマにお話することが多くなりそうである。
コメント

「シャネル」の不正使用、相変わらず

2008-03-13 00:01:00 | 会社法(改正商法等)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080312-OYT1T00561.htm?from=main4

 「スナックシャネル」事件が再発した模様。有名ブランド「シャネル」は、自己のブランドイメージの保守に熱心である。そう言えば、「ラブホテルシャネル」事件もあった。その他にも約30(おそらくもっとあると思われる。)の不正使用例があるらしい。

 ネーミングには、ご注意を!

cf. お父さんのための知的財産判例研究ノート

http://www.ne.jp/asahi/ootsuki/hp/patent/court/H100910note.htm
コメント