【法務局における遺言書の保管等に関する法律】が 令和2年7月10日施行されています
実務上でも 相談がチラホラ あります
この制度を利用するには 予備知識が必要と考えられます
(簡単な手続きで利用できる ということではないように 自身には思えます)
本日の 法律系国家試験関連オリジナル問題 です
以下の法文の 〇〇〇〇 部分に、誤り(文言の過剰又は不足を含む)は何個あるかを答えなさい。
《条文中省略させていただいている部分もあります》
平成三十年法律第七十三号 法務局における遺言書の保管等に関する法律
ニ 民法第八百九十七条第一項ただし書の規定により指定された祖先の祭祀を主宰すべき者
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上記 保管制度のことの具体的な規準の内容については 実務上では法律だけでは足りず
関係政令・省令・手続準則などの知識が必要になります
日常において 〔遺言〕 という より近しくあるべき事に関する法ですので
メモとして ランダムに 以下のことをも記しておきます
受験学習者の方に限らず 一般の方も よろしければ参考になさってください
・遺言書保管法による保管制度の対象になるのは、民法968条の自筆証書によってした
遺言に係る遺言書のみである(公正証書遺言・秘密証書遺言・特別方式の遺言は対象に
ならない)。
・外形的にみて有効な自筆証書遺言ではないことが明白(遺言書にある日付の時点におけ
る遺言者年齢が15歳に達していない・財産目録を除く部分が自書でない など)なも
のは要件を充たせないので対象とならない(保管されることになったとしても、法的に
何らの問題もない要件を充たした内容のものであるということなどまでが確認されたと
いうことではない)。
・遺言書保管官が民法968条の方式に適合か否かなどの確認をすることや、ファイルへ
の記録を可能にするため、無封の遺言書でなければならない(封緘された遺言書は遺言
者自身で開封して保管を申請しなければならない)。
・外国人が作成した自筆証書遺言も対象となる(外国語の場合は翻訳文を添付する)。
・A4判用紙を用いること・片面記載・無とじ・頁番号記載・上下左右所定余白 などが
定められている(保管省令9)。
・遺言者は、複数の遺言書について保管の申請をすることもできる(遺言者の作成した他
の遺言書が現に遺言書保管所に保管されている場合にあっては、当該他の遺言書が保管
されている遺言書保管所の遺言書保管官に対してしなければならない。← 分散しての
保管であると、閲覧などで相続人等の負担が増えてしまうし、遺言書保管所の事務が複
雑化してしまう)。
・保管の申請ができるのは遺言書作成者本人のみであり、自ら出頭する必要もある。
・遺言書の保管の申請をする場合、遺言書に受遺者・遺言執行者の記載があるならば、申
請書にはそれに関すること(氏名か名称・住所)も記載する必要がある。
・遺言者は、遺言書の画像情報を含む遺言書保管ファイルに記録された事項をモニターに
表示する方法での閲覧を請求できる(遺言書保管政令4①)が、この閲覧請求は特定遺
言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対しても行うことができる(同2)。
・遺言者以外の者は、遺言者の生存中には、保管されている遺言書または遺言書保管ファ
イルの記録について、閲覧を含め、遺言書保管所からいかなる情報も得ることができな
い。
・保管の期間についてであるが、遺言者の死亡の日から、遺言書については50年、遺言
書に係る情報については150年であり、遺言者の生死が明らかでない場合は出生から
起算して120年を経過した日を死亡の日に相当する日とするので、生死不明の遺言者
の遺言書は出生から170年、遺言書情報は270年間保管される(保管法6⑤・保管
令5①)。
・保管期間が終了した遺言書を遺言者の相続人(その相続人等)に返還するということに
ついては、予定されていない(遺言書自体に物的な資料的な価値があっても返還請求は
できない)。
・保管の申請が撤回されたなら、遺言書保管官は遺言書を返還するし、その遺言書に係る
情報は消去される。
・保管の申請書等の閲覧についても規定がある(保管令10①②③④)。
・従来検認済みの遺言書を確認することによって行われていた登記・各種名義変更等の
手続きは、その遺言書が遺言書保管所に保管されている場合には、遺言書情報証明書
を確認することにより、行われる(保管法9)。
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