おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

遺言書の保管などに関し

2024-05-19 | ◆ 業 務 参 考( 総 合 )

 

法務局における遺言書の保管等に関する法律が 令和2年7月10日施行されています

実務上でも 相談がチラホラ あります
この制度を利用するには 予備知識が必要と考えられます 
(簡単な手続きで利用できる ということではないように 自身には思えます)

本日の 法律系国家試験関連オリジナル問題 です 


以下の法文の 〇〇〇〇 部分に、誤り(文言の過剰又は不足を含む)は何個あるかを答えなさい。 


                           《条文中省略させていただいている部分もあります》
平成三十年法律第七十三号 法務局における遺言書の保管等に関する法律

(遺言書保管所)
第二条 遺言書の保管に関する事務は、法務大臣の指定する法務局が、遺言書保管所としてつかさどる。
2 前項の指定は、告示してしなければならない。

(遺言書保管官)
第三条 遺言書保管所における事務は、遺言書保管官(遺言書保管所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。

(遺言書の保管の申請)
第四条 遺言者は、遺言書保管官に対し、遺言書の保管の申請をすることができる。
2 前項の遺言書は、法務省令で定める様式に従って作成した封をしたものでなければならない
3 第一項の申請は、遺言者の住所地若しくは本籍地を管轄する遺言書保管所(遺言者の作成した他の遺言書が現に遺言書保管所に保管されている場合にあっては、当該他の遺言書が保管されている遺言書保管所)の遺言書保管官に対してしなければならない。

 第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、遺言書に添えて、次に掲げる事項を記載した申請書を遺言書保管官に提出しなければならない。
一 遺言書に記載されている作成の年月日
二 遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍
 遺言書に次に掲げる者の記載があるときは、その氏名又は名称及び住所
 受遺者
 民法第千六条第一項の規定により指定された遺言執行者
6 遺言者が第一項の申請をするときは、遺言書保管所に代理人が出頭して行うこともできる

(遺言書の保管等)
第六条 
2 遺言者は、その申請に係る遺言書が保管されている遺言書保管所(第四項及び第八条において「特定遺言書保管所」という。)の遺言書保管官に対し、いつでも当該遺言書の閲覧を請求することができる。
4 遺言者が第二項の請求をするときは、特定遺言書保管所に代理人が出頭して行うこともできる。この場合においては、前条の規定を準用する。
 
(遺言書の保管の申請の撤回)
第八条 遺言者は、特定遺言書保管所の遺言書保管官に対し、遺言書保管開始日から30年間内に、第四条第一項の申請を撤回することができる。
3 遺言者が第一項の撤回をするときは、遺言書保管所に代理人が出頭して行うこともできる。この場合においては、第五条の規定を準用する。
 
(遺言書情報証明書の交付等)
第九条 次に掲げる者(以下この条において「関係相続人等」という。)は、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている遺言書(その遺言者が死亡している場合に限る。)について、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(第五項及び第十二条第一項第三号において「遺言書情報証明書」という。)の交付を請求することができる。
 当該遺言書の保管を申請した遺言者の相続人(民法第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者及び相続の放棄をした者を含まない。以下この条において同じ。)
 前号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載された次に掲げる者又はその相続人(ロに規定する母の相続人の場合にあっては、ロに規定する胎内に在る子に限る。)
イ 第四条第四項第三号イに掲げる者
チ イからトまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
 前項の請求は、自己が関係相続人等に該当する遺言書(以下この条及び次条第一項において「関係遺言書」という。)を現に保管する遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してはすることができない
 関係相続人等は、関係遺言書を保管する遺言書保管所の遺言書保管官に対し、当該関係遺言書の閲覧を請求することができる。
 遺言書保管官は、第一項の請求により遺言書情報証明書を交付し又は第三項の請求により関係遺言書の閲覧をさせたときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該関係遺言書を保管している旨を遺言者の相続人並びに当該関係遺言書に係る第四条第四項第三号イ及びロに掲げる者に通知するものとする。それらの者が既にこれを知っているか否かはとわない

(遺言書保管事実証明書の交付)
第十条 何人も、遺言書保管官に対し、遺言書保管所における関係遺言書の保管の有無並びに当該関係遺言書が保管されている場合には遺言書保管ファイルに記録されている第七条第二項第二号(第四条第四項第一号に係る部分に限る。)及び第四号に掲げる事項を証明した書面(第十二条第一項第三号において「遺言書保管事実証明書」という。)の交付を請求することができる。
2 前条第二項及び第四項の規定は、前項の請求について準用する。

(遺言書の検認の適用除外)
第十一条 民法第千四条第一項の規定は、遺言書保管所に保管されている遺言書についても適用する
 


 
 第十条にあるものを除き、誤りを含んでおり、誤り箇所は十一個です。

 
正しい条文

平成三十年法律第七十三号 法務局における遺言書の保管等に関する法律
(趣旨)
第一条 この法律は、法務局(法務局の支局及び出張所、法務局の支局の出張所並びに地方法務局及びその支局並びにこれらの出張所を含む。次条第一項において同じ。)における遺言書(民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百六十八条の自筆証書によってした遺言に係る遺言書をいう。以下同じ。)の保管及び情報の管理に関し必要な事項を定めるとともに、その遺言書の取扱いに関し特別の定めをするものとする。
(遺言書保管所)
第二条 遺言書の保管に関する事務は、法務大臣の指定する法務局が、遺言書保管所としてつかさどる。
2 前項の指定は、告示してしなければならない。
(遺言書保管官)
第三条 遺言書保管所における事務は、遺言書保管官(遺言書保管所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。
(遺言書の保管の申請)
第四条 遺言者は、遺言書保管官に対し、遺言書の保管の申請をすることができる。
2 前項の遺言書は、法務省令で定める様式に従って作成した無封のものでなければならない
3 第一項の申請は、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所(遺言者の作成した他の遺言書が現に遺言書保管所に保管されている場合にあっては、当該他の遺言書が保管されている遺言書保管所)の遺言書保管官に対してしなければならない。
4 第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、遺言書に添えて、次に掲げる事項を記載した申請書を遺言書保管官に提出しなければならない。
一 遺言書に記載されている作成の年月日
二 遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
三 遺言書に次に掲げる者の記載があるときは、その氏名又は名称及び住所
イ 受遺者
ロ 民法第千六条第一項の規定により指定された遺言執行者
四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
5 前項の申請書には、同項第二号に掲げる事項を証明する書類その他法務省令で定める書類を添付しなければならない。
6 遺言者が第一項の申請をするときは、遺言書保管所に自ら出頭して行わなければならない
(遺言書保管官による本人確認)
第五条 遺言書保管官は、前条第一項の申請があった場合において、申請人に対し、法務省令で定めるところにより、当該申請人が本人であるかどうかの確認をするため、当該申請人を特定するために必要な氏名その他の法務省令で定める事項を示す書類の提示若しくは提出又はこれらの事項についての説明を求めるものとする。
(遺言書の保管等)
第六条 遺言書の保管は、遺言書保管官が遺言書保管所の施設内において行う。
2 遺言者は、その申請に係る遺言書が保管されている遺言書保管所(第四項及び第八条において「特定遺言書保管所」という。)の遺言書保管官に対し、いつでも当該遺言書の閲覧を請求することができる。
3 前項の請求をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その旨を記載した請求書に法務省令で定める書類を添付して、遺言書保管官に提出しなければならない。
4 遺言者が第二項の請求をするときは、特定遺言書保管所に自ら出頭して行わなければならない。この場合においては、前条の規定を準用する。
5 遺言書保管官は、第一項の規定による遺言書の保管をする場合において、遺言者の死亡の日(遺言者の生死が明らかでない場合にあっては、これに相当する日として政令で定める日)から相続に関する紛争を防止する必要があると認められる期間として政令で定める期間が経過した後は、これを廃棄することができる。
(遺言書に係る情報の管理)
第七条 遺言書保管官は、前条第一項の規定により保管する遺言書について、次項に定めるところにより、当該遺言書に係る情報の管理をしなければならない。
2 遺言書に係る情報の管理は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)をもって調製する遺言書保管ファイルに、次に掲げる事項を記録することによって行う。
一 遺言書の画像情報
二 第四条第四項第一号から第三号までに掲げる事項
三 遺言書の保管を開始した年月日
(遺言書の保管の申請の撤回)
第八条 遺言者は、特定遺言書保管所の遺言書保管官に対し、いつでも、第四条第一項の申請を撤回することができる。
2 前項の撤回をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その旨を記載した撤回書に法務省令で定める書類を添付して、遺言書保管官に提出しなければならない。
3 遺言者が第一項の撤回をするときは、特定遺言書保管所に自ら出頭して行わなければならない。この場合においては、第五条の規定を準用する。
4 遺言書保管官は、遺言者が第一項の撤回をしたときは、遅滞なく、当該遺言者に第六条第一項の規定により保管している遺言書を返還するとともに、前条第二項の規定により管理している当該遺言書に係る情報を消去しなければならない。
遺言書情報証明書の交付等)
第九条 次に掲げる者(以下この条において「関係相続人等」という。)は、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている遺言書(その遺言者が死亡している場合に限る。)について、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(第五項及び第十二条第一項第三号において「遺言書情報証明書」という。)の交付を請求することができる。
一 当該遺言書の保管を申請した遺言者の相続人(民法第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者及び相続の放棄をした者を含む。以下この条において同じ。)
二 前号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載された次に掲げる者又はその相続人(ロに規定する母の相続人の場合にあっては、ロに規定する胎内に在る子に限る。)
イ 第四条第四項第三号イに掲げる者
ロ 民法第七百八十一条第二項の規定により認知するものとされた子(胎内に在る子にあっては、その母)
ハ 民法第八百九十三条の規定により廃除する意思を表示された推定相続人(同法第八百九十二条に規定する推定相続人をいう。以下このハにおいて同じ。)又は同法第八百九十四条第二項において準用する同法第八百九十三条の規定により廃除を取り消す意思を表示された推定相続人
ニ 民法第八百九十七条第一項ただし書の規定により指定された祖先の祭を主宰すべき者
チ イからトまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
三 前二号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載された次に掲げる者
イ 第四条第四項第三号ロに掲げる者
ロ 民法第八百三十条第一項の財産について指定された管理者
ハ 民法第八百三十九条第一項の規定により指定された未成年後見人又は同法第八百四十八条の規定により指定された未成年後見監督人
ニ 民法第九百二条第一項の規定により共同相続人の相続分を定めることを委託された第三者、同法第九百八条の規定により遺産の分割の方法を定めることを委託された第三者又は同法第千六条第一項の規定により遺言執行者の指定を委託された第三者
ト イからヘまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
2 前項の請求は、自己が関係相続人等に該当する遺言書(以下この条及び次条第一項において「関係遺言書」という。)を現に保管する遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる
3 関係相続人等は、関係遺言書を保管する遺言書保管所の遺言書保管官に対し、当該関係遺言書の閲覧を請求することができる。
5 遺言書保管官は、第一項の請求により遺言書情報証明書を交付し又は第三項の請求により関係遺言書の閲覧をさせたときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該関係遺言書を保管している旨を遺言者の相続人並びに当該関係遺言書に係る第四条第四項第三号イ及びロに掲げる者に通知するものとする。ただし、それらの者が既にこれを知っているときは、この限りでない。
(遺言書保管事実証明書の交付)
第十条 何人も、遺言書保管官に対し、遺言書保管所における関係遺言書の保管の有無並びに当該関係遺言書が保管されている場合には遺言書保管ファイルに記録されている第七条第二項第二号(第四条第四項第一号に係る部分に限る。)及び第四号に掲げる事項を証明した書面(第十二条第一項第三号において「遺言書保管事実証明書」という。)の交付を請求することができる。
2 前条第二項及び第四項の規定は、前項の請求について準用する。
(遺言書の検認の適用除外)
第十一条 民法第千四条第一項の規定は、遺言書保管所に保管されている遺言書については、適用しない


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上記 保管制度のことの具体的な規準の内容については 実務上では法律だけでは足りず
関係政令・省令・手続準則などの知識が必要になります

日常において 〔遺言〕 という より近しくあるべき事に関する法ですので 
メモとして ランダムに 以下のことをも記しておきます
受験学習者の方に限らず 一般の方も よろしければ参考になさってください

・遺言書保管法による保管制度の対象になるのは、民法968条の自筆証書によってした
 遺言に係る遺言書のみである(公正証書遺言・秘密証書遺言・特別方式の遺言は対象に
 ならない)。

外形的にみて有効な自筆証書遺言ではないことが明白(遺言書にある日付の時点におけ
 る遺言者年齢が15歳に達していない・財産目録を除く部分が自書でない など)なも
 のは要件を充たせないので対象とならない(保管されることになったとしても、法的に
 何らの問題もない要件を充たした内容のものであるということなどまでが確認されたと
 いうことではない)。

・遺言書保管官が民法968条の方式に適合か否かなどの確認をすることや、ファイルへ
 の記録を可能にするため、無封の遺言書でなければならない(封緘された遺言書は遺言
 者自身で開封して保管を申請しなければならない)。

・外国人が作成した自筆証書遺言も対象となる(外国語の場合は翻訳文を添付する)。

・A4判用紙を用いること・片面記載・無とじ・頁番号記載・上下左右所定余白 などが
 定められている(保管省令9)。

・遺言者は、複数の遺言書について保管の申請をすることもできる(遺言者の作成した他
 の遺言書が現に遺言書保管所に保管されている場合にあっては、当該他の遺言書が保管
 されている遺言書保管所の遺言書保管官に対してしなければならない。← 分散しての
 保管であると、閲覧などで相続人等の負担が増えてしまうし、遺言書保管所の事務が複
 雑化してしまう)。

・保管の申請ができるのは遺言書作成者本人のみであり、自ら出頭する必要もある。

・遺言書の保管の申請をする場合、遺言書に受遺者・遺言執行者の記載があるならば、申
 請書にはそれに関すること(氏名か名称・住所)も記載する必要がある。

・遺言者は、遺言書の画像情報を含む遺言書保管ファイルに記録された事項をモニターに
 表示する方法での閲覧を請求できる(遺言書保管政令4①)が、この閲覧請求は特定遺
 言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対しても行うことができる(同2)。

・遺言者以外の者は、遺言者の生存中には、保管されている遺言書または遺言書保管ファ
 イルの記録について、閲覧を含め、遺言書保管所からいかなる情報も得ることができな
 い。

・保管の期間についてであるが、遺言者の死亡の日から、遺言書については50年、遺言
 書に係る情報については150年であり、遺言者の生死が明らかでない場合は出生から
 起算して120年を経過した日を死亡の日に相当する日とするので、生死不明の遺言者
 の遺言書は出生から170年、遺言書情報は270年間保管される(保管法6⑤・保管
 令5①)。

・保管期間が終了した遺言書を遺言者の相続人(その相続人等)に返還するということに
 ついては、予定されていない(遺言書自体に物的な資料的な価値があっても返還請求は
 できない)。

・保管の申請が撤回されたなら、遺言書保管官は遺言書を返還するし、その遺言書に係る
 情報は消去される。

・保管の申請書等の閲覧についても規定がある(保管令10①②③④)。

従来検認済みの遺言書を確認することによって行われていた登記・各種名義変更等の
 手続きは、その遺言書が遺言書保管所に保管されている場合には、遺言書情報証明書
 を確認することにより、行われる(保管法9)

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             はたけやまとくお事務所 


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